【名前】皐月=アップヒル(Satsuki_Uphill)
【性別】女
【所属】一般
【能力】なし
これといった技能はないが、童話の創作で使う元ネタとして世界中の神話・伝説に精通している。ただし魔術的な知識とは異なり、あくまで一般人が調べて知り得る範囲内の情報である。
【概要】
英国はロンドン在住の童話作家。日本出身。
イギリス清教『
必要悪の教会』所属の魔術師・
サターン=アップヒルの妻であり、彼との間に一人娘の
弥生をもうけた。サターン及び弥生にとっての、まさに日常の象徴と呼ぶべき人物。
夫と娘が魔術師である事を含め、魔術の存在は理解している。しかし皐月自身はあくまで一般サイドの住人であり、今後も魔術を身に付けるつもりはないようだ。時に命のやり取りを迫られる夫や娘の身を常に案じ、彼らが安心して帰ってこられる場所を守る事こそが、家族のために自分ができる唯一の務めだと信じている。
弥生の親日家……というか、日本への強烈な憧憬の原因は当然ながら皐月。彼女としては、娘には自分の生まれ故郷である日本の風土、文化を学び少しでも今後の人生の糧にしてほしかった、くらいの思いだったのだが、多感な時期と厳格な父親への反発とが予期せぬ相乗効果を生み出した事で、思った以上にのめり込んでいく娘に半ば圧倒されている。別に日本文化に興味を持ってくれた事は嬉しいのだが、途中からマンガやアニメで描かれる偏った『日本』に憧れている節があると勘付いており、本物の大和撫子への道は遠そうだ……とは思っていても口に出さないようにしている。
サターンとの出会いは彼女の学生時代、ロンドンへ留学していた時の事。期せずして魔術絡みの事件に巻き込まれた皐月を、必要悪の教会から派遣されたサターンが救ったのがきっかけ。その後も旺盛な好奇心から様々な事件に首を突っ込む皐月をサターンが助けるという展開を何度か繰り返す内に、彼との出会いに運命じみたものを感じ、猛アタック。
堅物のサターンをどうにか口説き落とし、二人はめでたくゴールイン。要するに弥生の恋愛における押しの強さは母親譲りだったりする。
弥生を授かってからはロンドン郊外のアップヒル邸で娘の世話をしながら、夢だった童話作家としても軌道に乗り、順風満帆な生活を送る。やがて成長し、魔術師の家の跡継ぎとして父の厳しい指導に臨む娘を気に掛けはしたものの、魔術師の間には母親といえど余人の立ち入る隙はないと分を弁え、私生活の面で弥生をサポートする事にした。ただし母親としての本音は、大切な一人娘には魔術師以外の生き方で幸せを掴んでほしい……であり、その思いは昔も今も変わっていない。
そして弥生の思春期から始まったサターンとの確執には、今日に至るまで中々てこずらされている。実家を出て必要悪の教会の女子寮に移った後も度々顔を見せに帰ってくる弥生との母娘仲は今でも良好だが、二人の間を取り持とうと夫の話題を振ると途端に塩対応をされ。夫はといえば、普段はまるで気にしていない風なのに、たまに酷く酔って帰ってきては夜更けまで娘の行く末を案じ自分の無力さを嘆くので、その聞き手になってあげたり(もっとも、夫が妻である自分にだけ見せる弱さは皐月的には萌えポイントであり、この時間は嫌いではない。寧ろ嬉しかったりする)。二人の冷戦関係を雪解けへと向かわせるには、決定打を欠く状況が続いていた。
そんな時に舞い込んできたのが弥生の恋人・
橘飛鳥の存在だった。皐月は自分と夫が手塩に掛けて育てた娘の選んだ相手なら、絶対に間違いはないという信頼の下、二人を祝福した。そして同時に、この日本から来た青年にアップヒル父娘の問題解決を託してみようと思ったのである。
とりあえず停滞した家族関係を打開するためのカンフル剤として、最も強烈かつ手っ取り早い手段である二人の結婚を虎視眈々と狙っている。弥生には二人の仲を全力で応援すると言い、向こうから求婚して来ないならこちらから迫りなさいと自身の経験を元にアドバイス。しかし思った以上にヘタレな飛鳥に痺れを切らし、近頃は既成事実を作るために極自然な流れで彼を押し倒すプランを練るまでに。そして出来上がったプランを弥生に提案すると、大和撫子がどうだのと顔を赤らめモジモジする娘に呆れるやら感心するやらで、要するになんだかんだ平穏な日々を送っている。
【特徴】
四十代前半とは思えないほど若々しく、娘と買い物に行くとよく姉妹に間違われる。身長は弥生より少し小さい。胸は逆に少し大きい。
元は日本人らしい黒髪だったが、幼い娘のお人形のような金髪に心を奪われ金に染めたという経緯を語った所、弥生には血涙を流す勢いで嘆かれたらしい。ちなみにボブカット。
暖色系のゆったりとした洋服を好む。着付けが出来る弥生に和服を薦められる事もあるが、窮屈だからと遠慮している。ピンクのベレー帽がトレードマーク。
【台詞】
夫は「アナタ」、娘は「弥生ちゃん」と呼ぶ。
「あなたが橘飛鳥くんね。はじめまして、弥生ちゃんのママの皐月です。うふふ、よろしくね。……ちょっとアナタ、いつまでトイレに篭ってるの! 便秘にしたって限度があるわよ‼」(お付き合いの挨拶に来た飛鳥に対して)
「弥生ちゃん、いい事? 待ってるだけの女なんて、今の日本にはもういないのよ。惚れた男の子には、こっちから押して押して押しまくって、勢い余って押し倒すくらいのつもりで望みなさい! 大丈夫、私だってそんな感じでパパを落としたんだから。ええもう、メロメロよ」(娘との作戦会議パート1)
「うーん……どうしてそこで赤くなっちゃうかな、この子は。婚約を迫るなら既成事実を作っちゃうのが一番手っ取り早いんだって! 何? 何をブツブツと……って、大和撫子はそんな破廉恥な事はしない⁉ ちょっと、やだもー。弥生ちゃんってばめんどくさーい」(娘との作戦会議パート2)
「うんうん、そうね。きっと大丈夫よ、アナタ。普段のアナタは不器用過ぎて、本当に伝えたい事を上手く伝えられていないのかもしれないけれど。いつかきっと、あの子は応えてくれるはずよ。だから信じましょう。アナタと私の愛娘を」(酔って弱音を零す夫に対して)
【SS使用条件】
傷害・死亡はNG