【名前】サターン=アップヒル
【性別】男
【所属】魔術
【能力】『腹中の神子』『継承術式』
【能力説明】
『腹中の神子(チルドレン・オブ・クロノス)』
ギリシャ神話の農耕神クロノスの伝承を基にした魔術。
全宇宙を最初に統べた神々の王にして、他でもない彼自身の父たる天空神ウラノスを追放し、主神の座に就いたクロノス。
だが彼は父同様、子にその王座を奪われるという予言を受けたため、子供が生まれる度に飲み込んでしまったという。
クロノスが飲み込んだ幼い神々は、ハデス・ポセイドン・ヘラ・ヘスティア・デメテルの五柱。唯一末っ子のゼウスだけは、母のレアが偽って石をクロノスに食わせたために助かった。
サターンはこの神話について、父に飲み込まれた子はその腹の中でも神性を保っており、クロノスは捕食した五つの属性を掌握していたと解釈。
人間レベルにまでダウンサイジングしたとは言え五柱分の膨大な魔力によるブーストに加え、用途によって属性を切り替え、再現する事が可能。

ハデス……冥府即ち地下世界の王。踏み締める足は大地を引き裂いて、自身に有利な地形へと変貌させる。
ポセイドン……海を司る神。付近に十分な量の水さえあれば、嵐を引き起こし大津波にて全てを押し流す。
ヘラ……主神ゼウスの正妻たる最高位の女神。情報収集能力に優れた彼女の権能とは即ち高精度の周辺感知能力である。
ヘスティア……竈を司る慈母神。とりわけ広く人々から信仰された彼女の包容力は対象の精神に干渉し、敵意を和らげる。
デメテル……豊穣を司る女神。大地の恵みを媒介に対象を癒し、逆に飢餓をもたらして生命力を枯渇させる。

弱点は成長した末子ゼウスに兄弟を吐き出させられた上に予言通り王座を奪われた伝承から、雷系の魔術とは相性が悪い。ゼウスの術式はまさしく天敵と言える。
サターンがこの魔術で自身をクロノスに対応させるために用いる鋼鉄製の鎌は農耕神の象徴であり、それを指揮棒のように振って五柱に相応する惑星記号を描く事で再現する神性を切り替えている。


『継承術式(ギフト・オブ・ガイア)』
ヘシオドスの『神統記』によれば、古代ギリシャのオリュンポスの神々の主神はウラノス→クロノス→ゼウスと移り変わったと伝えられている。
サターンはこの三代にわたる政権交代劇を魔術的に解釈する事で、自身が討たれた際に自動的に発動し、討った者へ自身の魔力を分け与える術式を組み上げてある。
無論「分け与える」と言っても誰に対しても都合の良い話などではなく、独自の呼吸法・魔術体系を構築している魔術師の体に突然『異物』であるサターンの魔力が注がれる事は、二つの魔力の質同士が競合し反発し合う事を意味しており、通常は即座に起爆する。
ただし神話に語り継がれるように、彼の跡を継ぐ正統なる後継者によって討たれた場合は、彼の力は滞りなく継承されその者の血となり肉となり受け継がれていく。
早い話が古い魔術師一族には割とよくある、親から子へと想いと力を継承させる一種の儀式魔術であり、サターンにとっての後継者とは一人娘の弥生の事である。
【概要】
必要悪の教会』に所属する壮年の魔術師。魔法名は『壁たる我が身は後から続く者のために(Vallus841)』。
一般人の日本人妻である皐月との間に、一人娘の弥生がいる。娘もまた魔術師であり同じ組織に属しているが、彼女が思春期の頃から関係は冷え切っているらしい。
自他を問わず厳格な性格で、その立ち振る舞いには英国紳士としての自負が窺い知れる。しかし弥生にとっては口煩い頑固親父としか見えないらしく、彼女が家を出るまでは連日口論が絶えなかった。
それも全ては弥生に一人前のレディとしての何たるかを知って欲しいがための行動なのだが、不器用な父親は子供が乗り越える壁として立ちはだかる事しか出来なかった。
彼が己の魂に刻んだ魔法名にそれは示されている。ただし弥生の前ではソレを発する気はなく、ソレを知る同僚には弥生に教えないよう釘を刺している。
彼から見れば弥生は魔術師としてもレディとしても未だ半人前であり、とっくに成人していてもまだまだ手のかかるお転婆扱い。
最近は娘にが出来たと知り、内心穏やかではないらしい。というか修行と称しては、割と真剣に殺るつもりで毎回ど突き回している(何故か途中で冠華が乱入してくる事が多々ある)。
【特徴】
ナイスミドルな英国紳士。180センチ台の恵まれた体格で、若い頃からの修行で培った肉体は未だ衰えを見せていない。
整えられたプラチナブロンドの短髪。だが最近白髪が目立つようになった事を気にしている。瞳の色は濃いブルー。
普段からスーツ・ネクタイでビシッと決めており、冬場は更にトレンチコートを着こなす。全体的に渋めの色を好む。
【台詞】
「私の名前? 君、人に名前を訊く時は、まず自分から名乗りたまえ。それが紳士たる者の礼儀というものだ。……そうか。私の名はサターン=アップヒル。新入りの君が慣れるまで、ここでの生活を指導する者だ。覚えておきたまえ」
「弥生、まだそんな巫山戯た格好をしているのか。術式の構成だかなんだか知らんが、もう少し淑女としての慎みをだな……。おいちょっと待ちたまえ。待ちなさい、話はまだ終わっていないッ! 聞いているのか、弥生ッ!!」
「どうした小僧、身を守るだけで精一杯か? 貴様の力はそんなものか? ……ッッ!? ……いいか小僧。貴様なんぞにッ! 『お義父さん』などと呼ばれる筋合いはッッ!! ぬぁいぅワァァァあああああああああああああ―――ッッッ!!」
「なぁ母さん。私の育て方は間違っているのだろうか……。私が厳しく接している事が、弥生の反抗に拍車をかけているのではないか?
 ……すまない、柄にもなく弱気になっていた。こんな表情、あいつには見せられないよな。そう―――私には私のやり方しか出来ない。そうでなければ、私の本当の想いをあいつに伝えられないのだから」
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最終更新:2016年02月10日 00:36