【名前】武藤刻定(むとう ときさだ)
【性別】男
【所属】魔術
【能力】『鬼切術式』
【霊装】『童子切安綱の贋作』
天下五剣の一振りである『童子切安綱』を精巧に模した刀
【能力説明】
『童子切安綱』の持つ鬼を斬ったという伝承をシンプルに「魔を殺した」と解釈することで、斬撃に魔術やそれに類するものを斬って滅する効果を付加することが出来る。また他にも人が鬼を斬った伝承に由来する魔術を扱う。
渡辺綱が茨木童子という鬼の右腕を切り落とした伝承を基にした魔術。
「片腕を切り落した」とは「相手の戦力を半分にした」ことだとする解釈から、この魔術は刻定が斬った対象の持つ力を一時的に半減させる効果を持つ。効果は刀が相手にカスっただけでも発動し、また2回斬れば更に半分(1/4)、3回斬ればまた更に半分(1/8)と効果は重複していく。そして相手の持っている力とは単純な身体能力や魔力だけでなく耐久力や五感等かなり細かく設定する事ができ、また生物以外の物質や魔術等を斬った場合でも効果を発揮する。そして、半減させる力をより細かく絞れば絞る程この魔術の持続時間は伸びる(逆に言えば大雑把な設定だと、数秒~数分程度しか持続しない)。
ただし、この魔術自体には攻撃力は無く、また、この魔術を発動している間は刻定の持つ刀は切れ味が無くなるため(物体をすり抜けるようになる)、斬撃自体でも相手にダメージを与えられなくなる。そして、そもそも相手に斬撃を当てられるなら、この魔術を使わずに普通に相手を斬れば良い場合の方が多いため、総じて使いどころが難しい魔術だと言える。
病に伏せていた北条時政が、病の元凶であった鬼が斬られた事によって快復したという伝承を基にした魔術。
ここで斬られる鬼とは人に病や災いをもたらす存在のことであり、それを基にしたこの魔術は斬る(というよりも刀に触れさせる)という行為によって対象の罹っている毒や病、呪詛、洗脳、幻術といった様な所謂「状態異常」全般を解除する効果を持つ。ただし癌の様に本人の体の一部を切除しなければならない病気には一時的な鎮痛程度の効果しかない。
また、この魔術も『鬼切安綱』と同じく発動中は刀の切れ味が無くなるが、こちらは鬼という病の元凶を斬って病を快復させたという伝承を反映させ、状態異常を斬って解除すると同時にその状態異常の元凶に斬撃のダメージを与える効果を持っている。例えば呪いを罹けられていた人間を斬って解呪した場合、その人間にダメージは無いが呪いをかけていた魔術師はまるで刀で斬られたかの様な傷を負う。峰打ちのように衝撃だけを与えることも可能。ただし、このダメージは元凶の者がある程度近くに居ないと発動しない(状態異常の解除自体は問題なく出来る)。
そして北条時政の鬼切伝説は刀がひとりでに動いて鬼を斬ったという物であるため、この魔術も刻定本人が状態異常に罹かった場合、彼が刀に触れているとき限定だが自動発動する。
源頼光が酒呑童子という鬼の頭領の首を刎ねた伝承を基にした魔術。
源頼光ら討伐隊が酒呑童子を油断させるために、鬼と共に血の酒と人肉を食らった伝承を反映させ、この魔術は刻定が血の滴る人肉を口にすることによって発動する。この際、彼は自分の腕の肉をほんの少し齧って飲み込むことで魔術を発動している。
そして、この魔術は人肉を鬼達と共に食らったという伝承を「本来人間では絶対に勝てない筈の酒呑童子を打倒出来たのは、鬼の様に人肉を食らう事によって、源頼光自身も奴らと同じ鬼に成っていたからである」と解釈し、刻定の肉体を鬼に変化させる効果を生み出している。そのため、この魔術の発動中、刻定の皮膚は赤銅色に代わり、額からは一対の角が生える。また身体能力や五感、魔力が大幅に強化され、筋肉や骨格は鋼鉄を遥かに超える強度と、欠損した手足がすぐに再生する程の異常な治癒能力を持つようになる。また、この魔術の発動中は刻定の持つ刀は切れ味が大幅に上昇し、『鬼切術式』の出力も強化される。そしてこの魔術の発動中に対象の首を刎ねるという行為に成功した場合、対象の持つ能力や特性を全て無視して対象を殺す事が出来る。
しかし、強力な魔術である反面、その代償として消耗も大きく、また術者の精神までも鬼へと変化させてしまう危険性を持っている。そのため常人がこの魔術を使用すると、すぐに理性を失い、鬼に成り果ててしまうだろう。現在、刻定が曲がりなりにもこの魔術を安定して使えているのは彼の類まれなる血統と才覚、そして十年以上に渡る過酷な鍛錬によって培った彼の強靭な肉体と精神力あっての事なのである。
【概要】
魔術結社『
陰陽局』に所属する魔術師。平安時代より時の権力者に仕え、魔を討伐してきたとある武家の末裔であり、彼自身も一族が長きに渡って研鑽してきた武術を高いレベルで習得している。性格は豪快で義理人情に篤い。また弱きを助け強きを尊ぶ高潔な武人であり、同時によく食べ、よく戦い、よく嗤う、まるで荒々しい鬼神の様な人間でもある。
そして、そうした二面性は彼の宗教観にも表れてり「善性も悪性も共に人間の性であり、故に人間は因縁(理由)さえあれば善行でも悪行でも行ってしまうものだ」という日本仏教的な思想を持っている。つまりは善人にも悪人にも、そうなるに至った様々な理由があるのだとする考えである。しかし、だからと言って彼自身は別に悪人を野放しにする様な人間ではない、むしろ人間の悪性に理解があるからこそ、自分がクソ野郎にブチ切れてソイツを一方的にぶちのめすこともまた人間の当たり前の性(その是非は別として)であるとする、ある意味清々しいほど便利な思考をしている。
戦闘では武術と魔術を織り交ぜて戦う典型的な前衛タイプ、その強さは肉体を魔術で強化せずとも羆を相撲で投げ飛ばし、強化有なら怪物じみた身体能力を発揮する。また決して脳筋というわけでもなく一般的な陰陽術であれば一通り習得しており、小技や絡め手を用いても戦況を動かせる狡猾さも持っている。
陰陽局の局員としては既に勤務10年を超えるベテランの一人であり局の若手からは良い兄貴分として頼られているが、言動がイケイケGOGO過ぎて周りの人間をしょっちゅう置いてきぼりにするため
黒獅子雅からは
朝倉俊介や
寄城魅憑に並ぶ胃薬要員に数えられている。また一時期休職して数年ほど武者修行で世界中を回っていた経験からか良くも悪くも色んなところに友人や敵を作っているらしい。
【特徴】
28歳、身長:200センチ以上、体重:120キロ以上
見上げる程の長身と鋼のように鍛え上げられた肉体を持つ。容姿は無骨だが不思議と愛嬌があり、笑うと子供っぽい。また、なにげに名家生まれで育ちが良いせいか豪快な性格とは裏腹に、言動の節々に学と気品の様なものが表れている。
朝倉俊介に付けられたコードネームは「鬼切(オーガ・セイバー)」、何かそのまんま過ぎね? とツッコミを入れたら次の日から「絶・鬼神刀(エスパーダ・デル・オグロ・フォルティシモ)」と呼ばれるようになった。そんで、覚えづらいので速攻で「鬼切(オーガ・セイバー)」に戻させた・・・コードネームで呼ばれること自体は全然ウェルカムらしい。
【台詞】
「鬼とは魔であり神であり、そして己自身である・・・難しいだろ? まあ善悪の二元論じゃ中々表せねーもんなんだよ」
「もう少し体を鍛えたらどうだ? どんな大層な魔術だって術者が落とされたら意味ねーぞ」
「お互いに譲れねえもんがあるんだ、なら対話も説得も無粋だろ? どっちが我を通せるか、コイツ(刀)で語り合おうや」
【SS使用条件】
特になし
最終更新:2016年04月22日 22:37