【名前】夜都谷巽(やつがや たつみ)
【性別】男
【所属】神道系遠野派
【魔法名】『境界を定める者(Signum810)』
【能力】霊装『標の梲』と蛇神『夜刀神』の魔術
【能力説明】
『標の梲』
その姿を見た者を一族諸共滅ぼすと謳われる、霊威凄まじき荒ぶる神ーーー『夜刀神』の祟りを鎮めるために、人の地と神の地の境界に突き立てられたとされる杖。そのレプリカ。
世界を人の土地と神の土地とに区分する境界標識の役割を持つ結界霊装であり、杖を突き立てる際の『向き』で二通りの効果を発揮する。

①表向き……内側:人界、外側:神界
杖の内側を人の住む世界と規定し、荒ぶる神の祟りを鎮める防御結界を展開する。結界と言っても自身を含む数人を庇う程度の小規模なものでしかない。
しかし『表向き』の効果の本領は内側への守りではなく、むしろ外側にいる者への罰にこそある。神の住まう世界と規定された外側には別位相から『世界の力』が殺到し、人の身で神の地に立つ不届き者を吹き飛ばす。ただ漠然と呼び出した力を、形も与えずに叩き込むだけという点ではバードウェイの扱う召喚爆撃に近いものの、あちらは術者の天性のセンスによる目測で成し遂げているのに対し、夜都谷は霊装で安全圏を確保した上でしか発動出来ず彼我の力量には埋め難い隔たりがある。

②裏向き……内側:神界、外側:人界
杖の内側を神の住まう世界と規定し、『標の梲』が本来鎮める対象とする荒ぶる神『夜刀神』に自身を照応させ、その霊威(祟り)を行使する事が出来る。①で対処不能な状況でのみ使用する奥の手。
この時夜都谷の全身には蛇の鱗のような紋様が浮かび上がり、頭部には二本の角が生じる。この姿の夜都谷を何の対策もせず直視した者は即死する。何らかの対策を講じた魔術師に対しても魔道書の原典を垣間見たような苦痛を与える。また、伝承に「見た者を一族諸共滅ぼす」と謳われる霊威を『共同体に属する者が負う連帯責任』と解釈する事で、個人よりも集団に対して行使する方が祟りの相乗効果により致死率が高まる性質がある。
ただし『夜刀神』化には別位相から呼び込んだ『世界の力』を用いているのだが、いかに適性があるとはいえ人の身に余る力である事には変わりなく、一度に『夜刀神』化を維持出来るのは極短時間に限られる。限界を超えて『夜刀神』化を維持し続けた場合、最終的には全身の血管が破裂して死に至る。
【概要】
神道系遠野派の魔術結社『まつろわぬ魂を受け継ぐ者』に所属する魔術師にして、遠野派の梟師を支える若き幹部の一人。知略に富み、参謀として遊留祇をサポートする。
『魔導師』遊留祇咲士に師事する三弟子の中では次期梟師候補の筆頭と目される一番の古株。本人にその自覚があるかは不明だが、弟弟子の指導や監督に当たる事も多く、遊留祇が旅で不在の際には結社の舵取りを代行したり遠野派の幹部会議においても物怖じせず発言する姿勢から既に頭角を現しつつある。
自分にも他人にも厳しいストイックな性格だが、唯一肉親である七つ下のに対してだけは甘い所があり、陰でシスコンの謗りを受けている事も承知している。夜都谷個人の思想は師の調和を重んじるそれとは多少異なり、自身に近しい者を優先的に守り抜く事と、それを脅かす存在にはどんな大義があろうとも容赦しない事。彼が胸の内に冷徹な意思を抱いているのは、過去の悲劇に起因する。
生まれは代々荒ぶる神である夜刀神を崇め祀る一族の末裔であり、他の蛇神を崇拝する者達と共同体である魔術結社『正統なる大蛇の系譜』に属していた。しかし結社の幹部達は蛇神の依代として稀有な素質を持っていた夜都谷兄妹を生体兵器の実験に投入する事を決定し、これに抵抗した夜都谷の両親はこの時異分子として粛清されている。
当時の夜都谷の実力では抵抗する事も叶わず、結社の思惑によって蛇神の魔術的記号を肉体に付与する改造手術を施される。そして結社の魔手は夜都谷の妹にも伸びようとしたが、兄以上に高い適性を示した妹が『夜刀神』の霊威を暴走させ、数十人規模の結社を壊滅させた。尋常ではない魔力の放出を察知して駆けつけた遊留祇が見たのは、折り重なる骸に囲まれて身を寄せ合い慟哭する兄妹の姿だった。
それが今から10年程前、夜都谷兄妹に起きた悲劇である。遊留祇に保護されてからは、兄は未熟な自身を鍛えるために結界魔術のエキスパートである遊留祇に師事し今日に至る。妹はというと、蛇神の依代としての素質を抑え、周囲の魔術師にも感知されない封印霊装を肌身離さず身に付けた上で『保護対象』という形で彼の魔術結社に匿われている。
夜都谷兄妹の悲劇を知るのは結社の中でも極僅かの限られた者だけであり、特に妹の適性が公になればその力は必ず恐怖を生み忌み嫌われ、またその力を利用しようとする輩が現れる事は目に見えている。夜都谷は秘密が外部に漏れる事を何よりも恐れており、もし恐れている事態に陥った場合には今度こそ妹だけは救ってみせると誓っている。
しかし旅先で遊留祇が耳にした噂によると『正統なる大蛇の系譜』には生き残りがいた可能性があり、残党が再起を図っているとの事。もし本当にあの日の悪夢と再び合間見える時が来たら、守るべきもののためにどんな手を使ってでも禍根を断つ、その覚悟は出来ている。
【特徴】
痩身長躯、鍛錬により無駄なく引き締まった体付き。年齢22歳。
七分刈りの黒髪には曲がりくねる蛇の紋様が刻まれており、吊り上がり気味の眉毛が意思の強さを感じさせる。瞳は蛇のそれに酷似している。
旧帝国陸軍の士官服に似た白い詰襟の礼服を着用する。『標の梲』は全長1m50cmの木製で、日本刀を佩くように腰に差して携帯する。
服で隠れているが背中に改造手術の際の傷痕が残っており、決して他人に見られないよう注意を払っている。
【台詞】
「『暫く旅に出ます。何かあったら呼んでください』……、またあの人は何の相談もなくふらりと……ッ‼」
「お前達、師匠が留守だからといって鍛錬を怠って良い道理などないんだからな。暇なら付き合え。俺が稽古をつけてやる」
「いいな巳幸(みゆき)、このお守りは肌身離さず持っておくんだ。もしも俺がいない時、何か困った事があればお守りに願うと良い。お前がどこにいようとも、必ず俺が駆けつける。約束だ」
「妹は……、巳幸は俺が守る……。もう二度と、あの日の悲劇は繰り返させない!貴様らのような亡霊は、俺が今、ここで!確実に殲滅する……ッ‼」
【SS使用条件】
特になし

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最終更新:2016年06月15日 01:38