【名前】小阿瑠奏(おぐま るかな)
【性別】女
【所属】魔術
【能力】タロット占い、火の一四枚(ワンド)
【能力説明】
『タロット占い』
22枚の大アルカナと56枚の小アルカナからなるタロット・カードを用いた占い。
世界の裏表を問わず広く普及した占いの一つであり、簡易なものなら週刊誌や朝刊にも掲載されるなど一般人にも馴染み深いだろう。
小阿はまだ一流の『黄金』系魔術結社の構成員が扱う『象徴武器』として最適化されたレベルの品を自力で作製する技量はないので、彼女が用いるタロットは顧問のツテを頼りに取り寄せた量産型霊装(それでも諭吉二人分だったらしい)を聖別したものである。
持って生まれた才能か、あるいは『好きこそ物の上手なれ』という格言通り占いの精度としては並み以上。彼女の師によると、既に向こう三年は予約で埋まっているタレント占い師を軽く凌ぐ腕との評価。

『火の一四枚(ワンド)』
『棒』『杯』『剣』『盤』の四種56枚からなるカード群、小アルカナ。その中でも小阿が得意とするのが『火の一四枚』である。
とはいえ同じ小アルカナ使いであるマーク=スペースの『風の一四枚』と比べても、扱うタロットの『象徴武器』としての質がそもそも劣っているし、魔術師としての純粋な実力差ともなると最早如何ともしがたい。
各カードの意味と発動する術式は以下の通り。

  • ワンドのエース
創造力、出発点。
陽光から現れるようにしてカードの位置に移動出来る。
  • ワンドの二
財産、荘厳さ、領主。
不明。
  • ワンドの三
確立された力、交易、ビジネス上の協力。
念話で離れた位置の仲間と連絡する事が出来る。
  • ワンドの四
仕事の完成、休息、平和。
熱による蜃気楼を生み出し、一時退却する隙を作る。
  • ワンドの五
熱心な競争、スポーツ。
味方を含む身体能力の全体強化、及び闘争心の鼓舞。
  • ワンドの六
勝利者、大ニュースの到着、吉報。
不明。
  • ワンドの七
勇気、ディスカッション、交渉、克己心。
カードの軌道に合わせて炎剣が出現し、接触した物体を焼き斬る。
  • ワンドの八
活動性、素早さ。
掌や足の裏から炎を勢いよく噴射させ、一時的に高速移動出来る。
  • ワンドの九
抑圧された状況における強さ、警戒。
ドーム型の炎の壁を生み出して身を守る。
  • ワンドの一〇
抑圧、多すぎる財産、重圧。
天使の召喚。ただし事前にエース~九のカードを使い、場を作り出す必要がある。
マークは己の技量によって形ある天使の虚像を召喚したが、それでも鎧の細部までは表現出来なかった。小阿の召喚はさらにお粗末な出来で、現時点では天使の形すら成していないようなエネルギーの塊である『天使の力』を呼び込むので精一杯。『天使の力』の量でも持続時間でも、マークとの実力差は明らかである。
その力は天使長が堕天使の長を地の底に抑え込む重圧の再現。とは言っても伝承の片鱗を極めて限定的に再現するだけであり、出力不足は否めない。絵札を使った火属性魔術の運用も大雑把なものに限られ、マークのような繊細な制御は今の小阿には難しい。
  • 従者、騎士、女王、王様の絵札(コートカード)
呼び込んだ火の属性の『天使の力』を解放し、広範囲を焼き払ったり火力を一点集中して対象を焼却する。

なお他の属性の小アルカナも使えない訳ではない。場のカラーを統一するために一度に扱うのは同一スートのカードである事が望ましいというだけである。カードは消耗品なのであって、JKのお財布事情ではワンドの14枚を使い切っただけで新しいタロット一式に買い換える訳にはいかないのだ。
【概要】
柳田学園の高等部に通う一年生の女子生徒。学園非公認の秘密倶楽部『ケ・セラ・セラ』に所属する新米魔術師達の一人。魔法名は『冒険こそ我が原動力(Adventurus555)』。
入学以来全科目で学年トップクラスの成績を維持しつつ、放課後の倶楽部活動にも精を出している。一見お調子者に見えて影でしっかり努力するタイプだが、その事を指摘されると必死で誤魔化そうとする。三年前に知り合ったクラスメイトの夜都谷巳幸と趣味の話で意気投合し、親友となった。
箸が転んでも可笑しい年頃、気の合う仲間と他愛ない話題で盛り上がったり、友達の色恋沙汰で自分の事のように悩んだり。そういう日常に大きな不満はなかったが、心のどこかで物足りなさを感じ、『普通』ではない劇的な変化を望んでいた。
勉強を頑張ってエリートになれば、凡人とは違う世界の住人になれるのだろうか。世界中を旅して回れば、自分という存在に割り振られた役割が何か分かるのだろうか。『普通』である事に嫌気がさした少女は、少しずつ色褪せていく日常を眺めながらそんな取り留めのない事を考えていた。
そうした日々の中、小阿は巳幸がサマンサ先生の正体を魔術師だと看破する場面に出くわし、同時に巳幸自身も魔術師見習いである事を告白される。彼女らの『普通』ではない生き方に憧れ、羨んだ小阿は自身も魔術師になる事を志願する。
それは魔の道を志すきっかけとしては些細なものだったかもしれない。しかし小阿にとって日常の閉塞感とそれを変える術を持たない自らの幼さは紛れもない挫折であり、親友が見ている景色を自分も見てみたいという願いも手伝って、閉塞した日常を打破するために非日常の世界に一歩を踏み出す覚悟を決めた。
魔術を知る以前からタロット占いに興味があり、『ケ・セラ・セラ』では顧問のサマンサ先生の指導の元タロット占いとタロットを使った『黄金』系の儀式魔術を専攻している。
もともと夢見がちな少女であり、性格は好奇心旺盛。異能の力や超常現象をすんなり受け入れる事が出来、魔術の飲み込みも異様に早い。部内での役割は専らムードメーカーであり、少しの失敗では挫けない諦めの悪さは時として仲間達の心の支えになる。
また典型例な巻き込まれ体質でありながら、困っている人を見かけたら放っておけないお人好しな性質が災いして、倶楽部内では厄介事を持ち込むトラブルメーカーとも認定されている。しかし当の本人にはその自覚が全くない。
放課後の倶楽部活動以外で魔術について口外する事は厳禁なのだが、つい口が滑りそうになってメンバーに小突かれるのがいつものパターン
戦闘用の魔術は「いざとなったら自分の身は自分で守れるように」という顧問の方針で習得し腕も磨いているのだが、出来れば使わなくて済むと良いというのが本音。いくら肝が据わっていると言っても、そこはまだ魔術師よりも普通の女子高生の感覚という事だろう。
【特徴】
背丈は平均的だが肉付きが良く、胸の大きさでも学年トップクラス。
何故か一年中日に焼けており、健康的な小麦色の肌をしている。髪は黒のショートカット。外見からは陸上部の部員と思われがち。
形から入るタイプのようで、倶楽部活動中はザ・占い師的な紫のアラビア風民族衣装にコスプレしている。その格好のまま部室を出て流しの占い師になろうとするが毎回先生に止められる。
【台詞】
「みゆ、一緒に部室行こ!今日はねえ、みゆの運命の相手を占っちゃおうかなッ!わっはっはっは。冗談、冗談だって」
「うーん、と……、なになに?もう間も無く、貴方は大いなる運命のうねりに飲み込まれるでしょう。貴方はそれに翻弄されるだけで、なす術はありません。……あれ、これってバッドエンドじゃないの?」
「エースから九までの配置はこれで良し、っと。じゃ、皆見ててよー。……その属性色は赤。対応位置は右方。そして何より火と光を司る者ーーー。やあやあ美の大天使様。ちょっと太った?」
「始めて会った時から、なんとなーく只者じゃないなって予感はしてたんだよね。私、みゆには感謝してるんだよ?みゆと出会ってなかったら、魔術師という存在を知らなければ、私はいまでも灰色の世界で燻ってただろうし。だから、ありがと」
【SS使用条件】
鬱展開はNG

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最終更新:2016年08月05日 23:14