【名前】御榴セレナ(みつつじ せれな)
【性別】女
【所属】魔術
【能力】女神ヘカテー信仰に基づく魔女術
【能力説明】
魔術の神にして黒魔術の本尊とされる女神ヘカテーを崇拝し、その恩恵を得て行使する魔女術。
『ヘカテーの炬火』
女神ヘカテーが所持する、冥府の業火を灯した松明のレプリカ。魔女セレナの杖であり、火の象徴武器としての側面もある。樫製の無骨な棒で、魔力を込めると先に火が点く。
ギリシャ神話のギガントマキアにおいて、ヘカテーは巨人族ギガースの一人クリュティオスを松明で殴り倒すという勇猛さを発揮している。この逸話を元にした霊装の能力は、自身より相手が大きいほど物理的衝撃力が飛躍的に増大するというもの。フルパワーで振り抜けば、女子高生の細腕でも校舎を半壊させる威力。人呼んで撲殺☆ステッキ。
なお伝承では灼熱の炬火でも巨人を苦しめているので、火属性魔術の強化や火傷による追加ダメージも問題なく使用可能。
『魔女の軟膏』
セレナの実家であるガンドライド家に代々伝わる秘伝の薬。女神ヘカテーの力を借りて製造する特殊な軟膏であり、体に塗布する事で別の姿に変身出来る。
本来であれば動物の姿になったり、鳥になって空を飛んだりする事も可能なのだが、セレナはこの霊薬を調合するのがまだ得意ではなく、量産する事が出来ないため、とりあえず顔限定の変装レベルの使用に留まっている。
『使い魔』
女神ヘカテーの聖獣であるイタチを自身の使い魔(アガシオン)として使役している。名前はガランティス、通称ガラちゃん。
セレナと同じ日に生まれ、今日まで共に生きてきた獣とは問題なく意思の疎通が可能。
『三相の魔女』
セレナが習得を目指しているガンドライド家一子相伝の奥義。
女神ヘカテーはしばしば三つの体を持つ姿で表され、それは女神の力が天上、地上、冥界の三世界に及ぶことや、新月、半月、満月(または上弦、満月、下弦)という月の三相、または処女、婦人、老婆という女性の三相や、過去、現在、未来という時の三相を表している。
また月と関連づけられたヘカテーの三相一体の女神の具現形態は、天界では「月」のセレネ、地上では「女狩人」のアルテミス、冥界では「破壊者」のペルセポネである。新月や闇夜の側面はヘカテーが代表することが多かった。
魔術の詳細についてはまだセレナには理解出来ていないようだが、この術式を万全に振るう彼女の祖母は単騎で幾つもの魔術結社を壊滅させた武勇伝を残しており、その凄まじさが窺える。
【概要】
柳田学園の高等部に通う一年生の女子生徒で、イギリス人の父と日本人の母を両親に持つハーフ。本名はセレナ=御榴=ガンドライド。
学園非公認の秘密倶楽部『
ケ・セラ・セラ』に所属するメンバーの一人。魔法名『Trivia』は一族のしきたりで一人前として認められた時に襲名する為、まだ持っていない。
イギリスのスコットランド出身の魔女見習いの少女。見習いとは言え基礎的な魔女術は一通り使えるし、僅かながら実戦の経験もある。その為一般人からのスタートである
小阿瑠奏からは、出会った当初は『ガチの人』と呼ばれていた。
彼女の実家であるガンドライド家は数百年も続く由緒ある家柄……という訳ではなく、半世紀ほど前にセレナの祖母が一代で興した新しい家である。黒魔術を用いた傭兵稼業で財を成した経緯から、イメージとしてはマフィアのファミリーが近い。彼らを『成り上がり者』と嘲った者達は、後に己の不用意な発言を自らの流血で以て贖わされたという。
魔女の家督を継ぐ待望の女子としてこの世に生を受けたセレナは、幼い頃よりファミリーの『ゴッドマザー』である祖母直々に魔女術を叩き込まれて育った。一方で私生活では次期当主として蝶よ花よと持て囃され、親族やファミリーの部下達に甘やかされた結果、性格はどこに出しても恥ずかしくないテンプレ高慢お嬢様になってしまった。
そして迎えたセレナの13歳の誕生日、祖母から突然『魔女修行の一環』と称して
魔術サイドの知り合いがいない日本へ行く事を命じられる。数えるくらいしか行った事のない母の祖国で暮らす事に不安はあったが、虚勢をはって来日し母の実家である御榴家のお世話になる事に。
そして柳田学園の中等部一年に編入し、そこで始めて自分と同年代の魔術師見習いの少女達と出会う。最初は彼女達の魔術の拙さをバカにしたり、自分の手下にしてあげるなどと余裕ぶっていたが、日に日に力を付ける少女達を見て焦りを覚え始め、学園に侵入した魔術師を撃退した一件で危ない所を救われた事から彼女らに対する考えを改め、それまでの非礼を謝罪した上で正式に『ケ・セラ・セラ』のメンバーに加わった。
サマンサ先生の『教え上手』っぷりにはセレナでさえ舌を巻いたが、既に魔女術の基礎を大体修めていた彼女にとっては復習的な意味合いでしかなく、放課後は独力で自身の魔術に磨きを掛けている。しかし修行の途中で来日したため『三相の魔女』については勝手が分からず、試行錯誤の日々である。
お嬢様キャラは三年後の高校一年生でも健在だが高慢さはかなり軟化したようで、クラスメイトからは以前よりも親しみ易くなったと概ね好印象である。生来のボス気質から仕切りたがり屋であり、周りを引っ張っていく力はクラス委員の仕事でも遺憾無く発揮され、生徒会から声を掛けられたという噂もある。
ちなみに下宿先の御榴家(母方の祖父母の家)ではお嬢様キャラすら封印した猫かぶりモードで生活している。13年間恐怖の対象として君臨し続けた『ゴッドマザー』であるグランマとは180度真逆の、魔術サイドとは縁もゆかりも無い善良な一般人である祖父母との付き合い方は、来日当初のぎこちなさに比べるとマシというレベルで、どう接するべきなのかは未だに少し気を遣うらしい。要するに根は真面目で不器用な娘なのだ。
【特徴】
本人はスレンダーと言っているが、つまりぺったんこ。一応背は低くないのでモデル体型とも言える。
色白の肌に蒼い瞳、色味の濃い金髪をお手本のような縦ロールにしている。
制服は白と黒のレースで若干改造されており、ゴスロリ風セーラー服と化している。杖はバットケースに収納して持ち運ぶ。
【台詞】
母が日本人なため日本語は普通に喋れる。
人称は「わたくし(アタシ)/貴方(アンタ)/あの方(アイツ)」。普段はお嬢様口調で話すが、倶楽部活動中は若干砕けた調子で喋る。御榴家でのみ人称は「私」のですます口調になる。
「貴方方がこの学園の魔術師ですの?ふふん。わたくしの見た所、魔術に触れてまだ日が浅い素人の集まりですわね。……わたくし?わたくしは御榴セレナ、今日からこの学園を牛耳る為にはるばるイギリスから来た魔女ですわ。早速ですが貴方方、わたくしのカヴンに入りませんこと?一番下の階梯である召使としてなら考えてあげなくもなくってよ」
「何を、しているのよ……?わたくしより弱いくせに、わたくしより拙いくせに、どうしてッ!……何でわたくしを庇おうなんて考えたんですの。わたくしの事なんて気にせず逃げれば良かったのに!……やっぱりアンタらまだまだド素人のアマちゃんですわッ‼ああもう、手を貸しなさい!何としてでもここを切り抜けるわよ‼」
「ルカ、もっと呼び出す天使の像をはっきりとイメージなさい。アンタは飲み込みだけは異様に早いんだから、コツさえ掴めばすぐに天使の召喚くらい成功させるわよ。
ミユ、アンタはそろそろ専攻する系統を絞ったら?ナッちゃん先生も言ってたでしょ、今のままじゃ中途半端な術者で終わるわよ。アタシは……、自主練よ」
「お祖父さん、お祖母さん、行ってきます。今日も部活で遅くなるけど、7時までには帰りますから。……えっ?夕飯のおかずは肉じゃがですか⁉はいっ、楽しみにしてますね。では、行ってきます!」
「グランマがわたくしを日本に行かせた理由、最初はいつもの気紛れかとも思いましたけれど、近頃ようやくその真意が掴めてきましたわ。今なら、秘伝の『三相の魔女』にも手が届くかも……とはいかなくとも、この国で、この学園で得た経験は絶対にわたくしの糧となる。それだけは確信していますわ。それではグランマ、ご機嫌様」
【SS使用条件】
特になし
最終更新:2016年07月01日 22:14