【名前】大甕星司(おおみか せいじ)
【性別】男
【所属】魔術
【能力】天津甕星の伝承に基づく魔術
【能力説明】
日本神話の星の神・天津甕星に纏わる伝承を元にした魔術を扱う。
『日本書紀』の葦原中国平定の段において、星神は天津神の一柱でありながら天命に服さなかった悪神である。高天原から遣わされた二柱の武神はまつろわぬ邪神を悉く平定し、草木や石までも平らげたが、天津甕星だけは服従しなかったとされる。
伝承において、天津甕星は高天原でも屈指の武神である経津主神、武甕槌神の二神でも服従させられなかった存在である。
大甕はその理由を、いかに二神の武力が強大であっても、夜空の遥か高みに輝く星までは届かなかったためだと解釈し、術式を構築した。
天津甕星の荒魂が宿る『宿魂石』の欠片を媒介として、自身を星神とみなす事で発動し、自身の周囲1mの空間に侵入したモノを対象に“間合いを引き伸ばす”。
空間を歪める事で距離を引き伸ばしており、外部からの物理干渉は領域に接触した瞬間、まるで不可視のバリアに防がれるように停止する(ように見えるだけで、実際には停止していると錯覚する速度で前進し続けている)。具体的な『距離』は大甕本人にもはっきりとは分からないらしいが、口振りから天文単位クラスの隔たりがある可能性がある。
科学・魔術を問わず物理的な干渉は大甕にとって有害か否かを基準に判断され、有害とされた物体・エネルギーは大甕に届かない。
有効なのは念話などの精神に作用する干渉と、距離を無視してダイレクトに襲ってくる攻撃(『蓮の杖』や感染魔術など)、そして特異な例外として『他天体に達する一撃』の伝承を基にした魔術は領域に阻まれない。
弱点は対象と接触した状態ではその物体との距離を引き伸ばせない事。つまりカウンターに弱く、殴り合いの戦闘ではこちらの拳が当たった瞬間は、相手からの反撃に無防備となる。
天津甕星が日本神話屈指の武神に屈しなかった逸話を攻撃的に解釈し、星がもたらす破壊的な現象の中でポピュラーな隕石の衝撃力を自身の攻撃に適用させる。
威力の最大値は自身の体重分の隕石が落下した場合のエネルギーに相当し、小規模なクレーターを穿つほどだが、雷神トールと同様に大甕自身の肉体が聖人のように頑丈な訳ではないので間違いなく爆散する。
なので実際の戦闘では身体強化魔術を施した上で、体が壊れない程度の出力に留まっている。
『星間神域』の欠点を考慮すれば徒手空拳で闘う戦法は避けるべきなのだが、何故か大甕はステゴロ上等の喧嘩スタイルを好む節がある。
なお術式の名称が横文字なのは本人の趣味嗜好である。
【概要】
神道系遠野派の魔術結社『千早振る守護神の目覚め』に属する食客の青年。連れの女性と共にフリーの傭兵として魔術業界を渡り歩いており、現在は飛騨の守護神に雇われて(?)いる。
性格は極めて陽気。情に脆く、単純な利害よりも感情で動く直情型。短絡的な思考の持ち主であり厄介事に巻き込まれる事もしばしばだが、大抵の局面は力のゴリ押しで何とかしてしまう脳筋。まつろわぬ神の性質を宿しているため、束縛される事や強制される事を嫌い、自由に奔放に生きる事を信条とする。
茨城県日立市出身。天津甕星を祖神とする一族の末裔であり、かつては星神の力を扱う適性に秀でた傑物として一族郎党の期待を一身に背負い、修行に明け暮れる日々を送っていた。
彼には生まれつき競い合う事を宿命づけられた女性がいた。彼女ーーー
織機倭文もまた、建葉槌命を祖神とする一族の末裔であり、大甕と織機の両家は古の時代から互いに反目し合う関係だった。
しかし家門のしがらみを超えて二人は惹かれ合い、許されざる恋と分かっていながら互いを愛おしく思う気持ちに嘘は吐けなかった。二人は駆け落ち同然に実家を出奔し、それまで持っていた全てを捨てて二人で生きていく道を選んだのだった。
その後は二人とも手練れの魔術師という事もあり、両家の追手を躱しながらフリーの傭兵として生計を立て、紆余曲折の末に今の魔術結社に流れ着く。数ある遠野派の魔術結社の中で何故そこを選んだのかといえば、武闘派で知られる
儺取双翼の噂を耳にしたからで、最初は道場破り同然に勝負をふっかけた大甕だったが、闘いの中で儺取双翼という男に惚れ込み(浮気ではない)、儺取からも気に入られてしばらくの間食客として留まる事になった。
織機倭文とは連れ添って10年が経とうとしているが、いまだに身を固めておらず形としては『恋人』のままである。別に互いの想いが冷めたとかでもなく、二人の仲は変わらず良好であり儺取ら魔術結社のメンバーからは「お前らさっさと結婚しろ」と冷やかされているが、一向に進展がないため最近は『いざとなったらヘタレ説』が囁かれている。ちなみに彼女の方はというと完全に静観の構え。
【特徴】
25歳。一見すると中肉中背だが、実戦で鍛えた体は適度に引き締まっている。
金髪のツンツン頭。戦闘中は瞳の中に星が踊る。
背中に大きく金色の五芒星が描かれた漆黒のスウェットを普段着としている。
【台詞】
「この俺に喧嘩を売ろうなんざ、100万光年早ェんだよ!だがやるってんなら受けて立つぜ。果たしてアンタは俺に辿り着けるかな?」
「ったく、儺取の旦那ァ。アンタはこれだから、ひっく、分かってねェんだよなァ。何が?女心がだよ‼瑞ちゃん、だっけ?そんな調子じゃいつまで経っても落とせねェよ。……ひっく、仕方ねェな。俺とシズの馴れ初め語ってやっから、少しは参考にしろってんだ。ええ、と。そうそう、これが聞くも涙語るも涙の話でな。俺達はまさに現代日本のロミオとジュリエット的な……。色々あったんだぜェ、なァシズゥ……、うん?飲み過ぎだって?うーん、シズがそう言うんなら今日はもうよしとくか。じゃあ旦那、ひっく、続きはまた今度な」
「べ、別にビビってるとかじゃねェし!俺とアイツはもうかれこれ15年の付き合いなんだぜ?お互いの事はお互いが一番良く分かってんだよ。そりゃ、俺だっていつかはアイツを嫁にしたいと思ってるよ。けど、別に今急ぐ必要もないっていうか……、こういうのは結局タイミングだろ?とにかく、色々あんだよ、色々!」
「『日本書紀』では天津甕星は天津神でありながら悪神とされるイレギュラーな存在だが、俺の地元の伝承では事情が違ってる。星神は東国に一大勢力を誇る土地神であり、高天原の最強武神タッグですら服従させられなかった神様だ。ま、理不尽な侵略に抗うレジスタンスの筆頭ってトコか。反骨の意思は斬撃だろうが雷撃だろうが寄せ付けねェってな」
「シズッ!大丈夫か⁉ったく、俺よりちょっとばかし強いからって無理し過ぎなんだよ。ちったァ俺にもカッコつけさせろってんだ。いいか、お前は暫くそこでじっとしてな。ハッ、これくらい俺一人でも十分なんだよ」
【SS使用条件】
特になし
最終更新:2016年08月01日 23:16