【名前】織機倭文(おばた しず)
【性別】女
【所属】魔術
【能力】建葉槌命の伝承に基づく魔術
【能力説明】
日本神話の機織りの神・建葉槌命に纏わる伝承を元にした魔術を扱う。
『日本書紀』の葦原中国平定の段において、建葉槌命は経津主神、武甕槌命では服従しなかった天津甕星を征服したとされる。
織物の神が何故星の神を誅する事が出来たのかについては諸説あり、織機は建葉槌命が備える諸々の神格を解放する事で権能の片鱗を行使する。
霊装『金の沓』を媒介として、武神としての神威を解放する。
武神経津主神と武甕槌命にさえ屈しなかった天津甕星を征服した建葉槌命とは、先の二柱すらも凌駕する強大な武神であったという解釈に基づき、身体能力の全パラメータを底上げする強化術式。
建葉槌命を祀る神社の縁起において、天津甕星が化生した天を衝かんばかりの巨石を蹴り砕いた逸話から、特に蹴り技の威力が著しい。
織機自身の容姿を建葉槌命に対応させ、機織りの祖神としての神威を解放する。
古来より日本では機織りは女の仕事であり、機織りの祖神である建葉槌命は女性的資質を備えた淑やかな男神か、一説には女神であるとされる。
荒々しく服従を迫る武神には反発した星神を、その嫋やかな魅力でもって誘惑し、懐柔したと解釈する事で発動する魅了系の精神干渉術式。
建葉槌命が両性的な神である事から魅了の効果は対象の性別を問わず発揮されるが、織機自身が女性のためやはり男性に対しての効き目は覿面である。
霊装である倭文の織物を媒介として、祭祀神としての神威を解放する。
斎(いわい)とは神を祀る行為であり、『斎主神』経津主神の代行者たる建葉槌命は斎として織物の中に星を織り込む事によって天津甕星を織物の中に封印し、征服したと解釈。
倭文の織物は向かってくる攻撃を『織り込む』事で亜空間に吸収し、また自在に取り出して自らの力として扱う事が出来る。伝承においては星をも織り込んだとされる逸話から、大質量の超高熱・高密度の物体やエネルギーを収納可能であり、布切れ一枚でありながらこれを力技で突破する事は極めて難しい。
また建葉槌命は機織りの祖神として民衆に機織りの技術を伝えた知恵・伝達・生産の神としても厚く信仰される事から、優れた統率力・リーダーシップ・広範囲に及ぶ念話能力を恩恵として受ける事が出来る。
【概要】
神道系遠野派の魔術結社『千早振る守護神の目覚め』に属する食客の女性。
大甕星司と共にフリーの傭兵として魔術業界を渡り歩いている。
直情型の大甕と違い、理知的な思考判断で行動する女性。夫を立ててその三歩後をついて行く理想的な大和撫子たらんと日頃から務めているが、稀にその想いがオーバーヒートして大甕以外が視界に入らなくなる。
大甕と同郷で茨城県日立市出身。建葉槌命を祖神とする一族の末裔であり、大甕と同様の境遇を背負っていたが彼と共に一族を出奔し、魔術業界を傭兵として渡り歩く内に今の魔術結社に流れ着いた。
食客という立場ではあるが首魁である
儺取双翼からの信頼は厚く、彼女の持つ建葉槌命の末裔としての資質により結社内では作戦立案・指揮系統を一手に担う参謀役として脳筋揃いの集団においては重宝されている。彼女をブレインに据える事で、儺取や大甕はその有り余る力を心置きなく十全に振るう事が出来るのである。
連れ添ってかれこれ10年になるというのに未だに煮え切らない態度の大甕に対しては普通なら愛想を尽かしそうなものだが、彼女は「二人の将来をこんなにも真剣に考え続けてくれている」とどこまでも好意的に受け止めている。ただしプロポーズは男からというケジメだけは譲る気がないらしい。ちなみに答えは勿論即OKなのだが。
滅多にない事だが織機と大甕が痴話喧嘩を始めた場合、伝承の再現というか相性の関係で必ず織機が勝つ。ただし決着がつくまでに周囲が被る損害の方が甚大であり、当事者以外にとっては天災とさほど変わらない。
【特徴】
26歳。すらりとした妙齢の女性であり、身長は大甕とほぼ同じだがパンプスを履くと彼女の方が僅かに高くなる。胸はそれなり。
大甕と二人きりの時のみロングにしている黒髪は、普段は纏めて大きめのキャスケットにしまっている。
男物の白シャツに朱色のガウチョパンツを穿き、全体としてマニッシュに纏まりながら巫女装束を思わせるコーデ。霊装である倭文の織物は普段はケープとして肩に掛け、戦闘時は闘牛士のような華麗な布捌きを見せる。素足のまま履く金のパンプスが足下で存在感を放っている。
【台詞】
常に落ち着きがあり余裕に満ちた話し方。「織り込み済み」が口癖。
呼びかけは苗字にさん付け、大甕に対しては「星司」、二人きりの時は「せいじ」。
「まったく、星司ったら。光年は時間の長さの単位じゃないでしょうに」
「星司、貴方ちょっと飲み過ぎよ。もうこのくらいにしておいたら?ほら……、肩を貸すからちゃんと歩いて。では儺取さん、私達はお先に失礼しますね。……恋愛相談なら、今度私が相談に乗りますよ」
「彼への想いが冷めないのか、ですって?おかしな事を聞きますね、そんな事ある訳ないじゃないですか。彼は今も私達二人の未来を真剣に考えている最中なんです。私が彼を信じて待てないでどうするというのですか」
「『建』は『武』に、『葉』は『刃』に通じる。するとほら、『武刃槌』ーーーって、いかにも武神らしいお名前だと思わない?つまりはそういう事よ」
「大丈夫よ星司、こうなる事は事前に織り込み済み。貴方はしばらく休んでおいて。『後始末』は私が……。ふふっ、いいのよ。私に任せて、ちゃんと見ててね。貴方きっと惚れ直すわよ」
【SS使用条件】
特になし
最終更新:2016年08月01日 23:18