世界線理論。
かなり大雑把に説明するならば、世界において発生する事象は予めある程度決定されていて、また世界それを成立させる数々の出来事が発生するための構造を成しているというものだ。
世界の有り方を大まかに計測した結果が世界線と呼ばれる数値であり、これを意図的に変動させるには相応の極めて特殊な手段を要する。
らしい。
「厳密には正しいと言い難いけど、『宿命』って言えば大体通じる?」
「あー……大体分かったような」
聖杯戦争の地にサーヴァントとして召喚された『魔術師(キャスター)』は、真の名を
仁藤攻介という。
かつて『古の魔法使い』として人間の積み上げた神秘の研究に人生を捧げた彼は、今こうして紙面に書かれた文字や線図と睨めっこしながら聞き慣れない科学理論の理解に努めている。
自分を召喚した少女の考え方を理解するためのお勉強の真っ最中だ。
牧瀬紅莉栖。それがマスターとなった彼女の名であった。
「で、今俺達がいる『聖杯戦争の世界線』ってのが……」
「分からない。ただ、とにかく今まで観測したことの無い未知の世界線だってのは確かだと思う」
観測したのは私じゃないけどね、と付け加えられた。
曰く、紅莉栖の仲間である
岡部倫太郎という青年は、世界線の変動を完璧に感知する能力――本人の言葉を借りれば『運命感知(リーディング・シュタイナー)』という名前らしい――を持っているという。
そんな彼が紅莉栖に語った気の遠くなるような世界線漂流の経験談にすら、「聖杯戦争」などというキーワードは現れなかったのだ。
Dメールもタイムリープマシンも存在しない世界で、機械工学の結晶としてのタイムマシンを使うことなく過去の人物を再現し。あまつさえ仁藤攻介のような――世界線理論の枠内では観測不可能なはずの――並行世界に生きた魔法使いすら紅莉栖と同じ場に引っ張り出す。
あまりに不可解な、規格外の世界線。何が起こるか分かったものでは無いが、紛れもなく現実だ。
この現状を事実として受け止めた紅莉栖は、原因たる奇跡の願望器を、忌避した。
そんな物、私は要らないと。
「……こんな異常事態を引き起こした聖杯が、本当に信用に値する物なのかって時点で私は懐疑的よ」
「『何でも願いを叶えます』なんていきなり一方的に頭に詰め込まれてハイそうですか凄いですね、で終わるなんて無理。ぽんと渡された情報にどんなペテンが含まれていないって保証も無い」
「いざ使ってみてから不具合が起きましたー、じゃ遅過ぎる。もし人の手に余る力だとしたら、使い熟してやろうなんてのはただの思い上がりよ」
「大体私は、聖杯というデバイスにアクセスするための行動を一切取っていない。それなのに私の意思を問わずこうして呼び出されたということは、聖杯戦争のマスターとなる条件が余程奇天烈な設定なのか、そうでなければたたの無作為ね」
「何だそれ。付き合ってられるか。命の奪い合いの当事者が誰になるのか完全に聖杯次第とか、冗談にしても笑えない。いや、冗談じゃないけど」
「もし私が今回生き残れたとして、その時に聖杯が消滅していなかったら、どうせまた聖杯戦争が実施されることになるんでしょ? 何度でも、何度でも」
「それで、今度は誰がマスターになるの? また私? それとも岡部? 橋田? フェイリスさん? それはいつの話? 帰ったらすぐ? そうでなければ一年後、五年後、十年後……何も、分かったものじゃない」
「聖杯が存在する限り、私達はいつ平穏を脅かされるのかと怯えて生きるしかないのかもしれない……ふざけるなっての」
つらつらと、ばしばしと、どかどかと。
紅莉栖の口が止まることなく吐き出したのは、聖杯という代物に対する遠慮も敬意も無い批判の数々。
声のトーンこそ荒ぶらせてはいないものの、そこに憤慨の意が込められているのは聞くだけで明らかだ。
そして理屈の内容をじっくり咀嚼するまでも無く、紅莉栖が何を願っているのかなど容易に理解可能である。
「あー分かった分かった。つーか前にも聞いてるけど、マスターの願いはつまり聖杯をぶっ壊したいってことだろ?」
「ええ。二度と聖杯戦争なんかに巻き込まれないよう、聖杯を完全に消滅させる。そして私のいるべき世界……世界線に帰る。それが私の願い」
牧瀬紅莉栖は、願望器に願いを託さない。願いを持たないからではなく、願いを託すに値しないと判断したから。
その結論に達したならば、身柄の解放と胡散臭い逸品の廃棄を望むのも当然の話だった。
「キャスター、あなたは魔術……でいいのかな。そういうのに、私より詳しいでしょ」
「まあ、魔法使いだからそれなりにはな」
「だったら、あなたの知識も活用させてほしい。決して聖杯を使うためじゃない。私の元いた世界線の座標の特定方法、聖杯の確実な破壊方法、そういうのを明らかにするためにあなたの力を貸して」
牧瀬紅莉栖はただの少女、強いて付け加えるならば科学者だ。戦士ではない。だからこそ彼女はキャスターを頼らざるを得ない。
しかし、キャスターの能力の効果的な活用方法を彼女なりに導き出すことは出来る。
考えることが、紅莉栖の武器だった。
「そういうことならお安い御用だな。俺の領分ってことで、任せとけ」
その言葉を聴き遂げると共に、紅莉栖は一息入れたいとばかりにペットボトルに口を付ける。
ごくごくと炭酸飲料を喉に流し込むその姿は、戦争なんかとは無縁のごく普通の少女にしか見えない。
聖杯戦争の舞台で、神秘の結晶であるサーヴァントの目の前で、今の紅莉栖はどこまでも冷静だった。
決して、取り乱すような真似はしない。
あんなことが起こってしまった後だというのに。
「ねえ。なんでこいつはこんなに冷静なんだ、って思ってるでしょ」
キャスターの方を見ることなく、紅莉栖は呟いた。
「そりゃあ……」
「隠さなくていいわよ。実際おかしい。あなたの立場なら私だっておかしいだろって言うと思う。昨日、仲間が……まゆりが、死んだばっかりだってのに」
俯く彼女の表情は、崩れない。
今にも崩れそうに見えるのに、そうはならない。
「虚勢を張ってるだけよ。だって、折れるわけにはいかないから。私の記憶に残っていなくても、『私』はずっと岡部と戦ってきた。その時間を無駄にしないために、途中の犠牲も無意味にしないために、私も岡部も絶対に挫けちゃいけない」
「……だから、お前は取り戻そうってのか」
「ええ。聖杯なんかじゃなく、岡部倫太郎の手で。本来あるべき世界線の再構築を…………α世界線からβ世界線への変動を、ね」
それは、彼女の固めてしまった決意。
牧瀬紅莉栖と岡部倫太郎の戦いには目指すゴールが明確に設定されていて、だから二人はその地を目指しているのだと聞いている。
そのゴールが大多数の者達にとっての平穏を実現するベターな世界であることも。
そして、少なくとも特定の一人が救われない、決してベストとは言えない世界であることも。
「おかしいだろ」
だから、キャスターは我慢出来なかった。
「その世界線に、お前の居場所は無いんだろ? だったら」
「やめて」
今のキャスターは、サーヴァントだ。
一度自らのマスターに命じられれば、仮に本意でないとしてもその者に従うことを使命として課されている。
どれほど非道な真似であっても、マスターはキャスターを利用して自らの願いを実現する資格がある。
なのに、彼女はキャスターをそのように活用しない。
「……あんまり言いたくねえけど、生きていくためなら聖杯を得ることだって一つの、」
「やめてよ!」
キャスターの問いが、叫びと共に突っ撥ねられる。
「マスター、お前」
「……さっき、虚勢を張ってるだけって言ったでしょ? 同じよ。世界から摘み出されて、私が消えるか、それとも一人ぼっちで取り残されるか……どっちにしても、そんなの嫌に決まってるじゃない」
そのまま紅莉栖が吐露し始めたのは、己の未来を閉ざされることへの恐怖。誰でも持ちうる当たり前の感情。
「でも、死なない方がもっと嫌。まゆりを犠牲にしてまで生きるのが嫌。聖杯が欲しいと言って誰かの願いを蹴落とすのが何倍も嫌。“間違った”犠牲の上でむざむざ生き永らえる方が、何十倍も、何百倍も、何千倍もっ!! ……私は、嫌よ」
しかし、その感情をも上回る禁忌が存在してしまうから、紅莉栖は今も必死に抑え込んでいる。
脆い人間である彼女の中には、恐らく「生きたい」と叫ぶ彼女自身がいるのだろう。
そしてその叫びに従って彼女が新たな犠牲を出した先がいかなる世界か、聡明な紅莉栖には容易に想定出来ていた。
「科学者が失敗を恐れてはならないってのは科学の常識。でもそれが、未知の可能性なんて妄想に縋って誰かを殺すことを意味するんだとしたら」
聖杯戦争での勝利へと方針転換をしたら、そのために誰かを踏みにじったとしたら。その時、彼女は相手が何者であっても許せなくなるのだろう。
“牧瀬紅莉栖が生存するために”キャスターが勝手に聖杯を得ようとすれば、紅莉栖はキャスターを責めるだろう。
“牧瀬紅莉栖が生存するために”聖杯によって未来を紡げば、紅莉栖は紅莉栖自身を恨むだろう。
そうしてきっと、牧瀬紅莉栖は“生存してしまった牧瀬紅莉栖”という人間を、一生を掛けて憎悪し続けるのだ。
「――私は、科学者失格で十分よ」
故に。
牧瀬紅莉栖は、痛みを越えてでも発展を望む狂気的な『科学者』になるのではなく。
痛みに耐えられないただの『人間』に留まることを、願ったのだ。
「この世界線の行き先がどうなってるかなんて、分からない」
「この戦いは無駄になるのかもしれない。もしかしたら結局まゆりも取り戻せないのかもしれない」
「……それでも、“正しい”未来を得るための戦いをするしかないのよ」
「だって、一番確実さが保証されているから。そのために、幾つもの願いを既に犠牲にしてしまっているから」
ああ、今も彼女は怯えているのか。
不鮮明な未来に恐怖しながら、突き付けられた世界の意思に絶望しながら、それでも彼女は必死に戦っている。
足掻いている。
ギリギリで己を繋ぎ止めている。
そして、揺れる瞳で此方を射抜く。瞬間、キャスターは追憶のようなものを感じた。
「だから、お願い。今更、迷わせないで。私に“間違い”をさせないで」
か弱い少女が一人、魔法使い(キャスター)の前で“消える”ことを願った。
致命的な過ちに手を染めることの無い、一人の人間としての死を。
それが彼女に残された数少ない選択肢の中で最善の、せめてもの“救い”であると理解出来ないほど、キャスターの頭は愚かしくない。
「ずりーわ。それ言われたら俺はもう何も言えねえだろーが」
「……謝らないから」
「別に謝らなくていいって。それがマスターの願いなら、俺は叶えるための力になるだけだ。なんせ、サーヴァントだからな」
真の意味では、キャスターには牧瀬紅莉栖を救えない。
それを理解したうえで、キャスターは彼女の力になると決意した。
彼女の願いを叶えるために、彼女を望む場所へと送り届けるのだと。
サーヴァントとして、魔法使いとして、そして仁藤攻介として、己に誓う。
「うん、ありがと」
だから、キャスターもまた願いを抱くくらいの自由は許してほしい。
今ここにいない者を思い浮かべながら、無理矢理に薄く微笑む紅莉栖に聴こえない声で。
『少女』にとっての大切な『青年』へ、キャスターは自らの願いを託させてもらった。
「お前ならちゃんと救うって、信じるぞ。岡部倫太郎」
決して、忘れてはならない。
β世界線への到達を願う牧瀬紅莉栖が、聖杯戦争からの帰還先として直接β世界線へ向かうとは言わなかったことの意味を。
岡部倫太郎の手で世界線変動を起こさせるのだと言って、一度α世界線を経由すると言ったことの意味を。
牧瀬紅莉栖が、岡部倫太郎との最期の時間を願っていることを。
【クラス】
キャスター
【真名】
仁藤攻介@仮面ライダーウィザード
【パラメーター】
通常時 ⇒筋力D 耐久E 敏捷E 魔力C 幸運B 宝具A
ビースト⇒筋力C 耐久C 敏捷C 魔力C 幸運B 宝具A
ハイパー⇒筋力B 耐久C 敏捷B 魔力C 幸運B 宝具A
【属性】
中立・善
【クラススキル】
魔術工房を作ることは出来ない。しかし魔法使いとして活動するための簡易な生活基盤を構築可能。
キャスターはどんな場所でもテントを張り、焚火による炊事場を用意し、洗濯物を乾かすことが出来る。
魔力を帯びた道具を作ることは出来ない。しかし魔法使いに必須となるエネルギー源をどこからともなく調達可能。
キャスターは何時いかなる時もマヨネーズを常備している。
【保有スキル】
サーヴァントはNPCの魂喰いによって魔力回復を行うことが可能だが、キャスターの場合はNPCが対象でなくても構わない。
サーヴァントや使い魔のような魔力で肉体を構成している存在ならば、倒した時にその肉体を構成する魔力を分解・吸収して自らのエネルギーとすることが可能。
後述する宝具の効果から、戦闘に際して魔力消費を心配する必要性は薄いため、専ら平時の魔力消費の軽減のために充てられる。
ただし、あくまでキャスター自身の手で止めを刺さないと相手の身体を分解出来ない。
魔術の詠唱を高速化するスキル。
ビーストの呪文詠唱は全て宝具が代行するため、必要としない。
乗り物を乗りこなす能力。
本来は騎乗兵のクラスにも適合する仁藤だが、キャスターとして召喚されたため劣化している。
生前目にしたことのある乗り物であれば乗りこなすことができるが、未知の乗り物には発揮されない。
名称通り戦闘を続行する為の能力。
決定的な致命傷を受けない限り生き延び、瀕死の傷を負ってなお戦闘可能。
考古学を生業とした仁藤攻介が保有する豊かなインテリジェンス。
あらゆる知識を自らの頭脳で噛み砕いているため、秀でた分析力を持つ。
人類史上の存在を基とするサーヴァントならば、その正体を特定出来る可能性が通常より高い。
現代以前の時代が守備範囲内であり、時代が古ければ古いほど特定の成功が見込める。
【宝具】
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:- 最大補足:1人
キャスターが腰に装着する、ベルト状の呪文代行詠唱装置。
普段はベルトに偽装されているが、ドライバーオンの指輪で本来の姿を取り戻す。
ウィザードリングを挿入口に挿し込むことでそれぞれに対応した音声を発し、本人の詠唱無しで呪文を行使する。
主な効果は『古の魔法使い・ビースト』への変身、マント装着による特殊能力の獲得またはビーストハイパーへの強化変身、必殺技の発動等。
なお、この宝具は魔法使いのベルトのアーキタイプとされており、後年に開発されたドライバーに対応するウィザードリングの効果を発動出来ない。
ランク:A 種別:対人宝具(対城宝具) レンジ:-(1~?) 最大補足:1(1~?)
魔法が科学の如く栄えた太古の時代に誕生し、当時の人間達に封印され長い時間眠りについていたとされる巨大な獣型のファントム。
封印を解いた仁藤攻介の肉体に住処を移し、魔法使いの力の源として彼と生涯を共にしたことからキャスターの宝具として再現された。
本来は一体のファントムとしての実体を確立していたが、人間の体内に移ったことから心象風景内に住むファントムに近しい存在となっている。
戦闘時にはキマイラ自身が潤沢な魔力炉として機能することにより、キャスターは必要最低限以上の魔力消費を要さずに魔法を使用することが出来る。
このため、事実上キャスターのマスターが負担する魔力消費量は平時と戦闘時でほとんど変化しない。
ただし、常に魔力を喰らうことを欲するという性質により、キャスター自身が持つ魔力またはキャスターが外部から獲得した魔力を度々吸収する。
(あくまでキマイラの性分の話であるため、消費する魔力量と要求される魔力量は必ずしもイコールではない)
この点を克服するため、キャスターはスキル「魔力吸収」を行使する、または通常の人間と同様に食糧を摂取する必要性が生じる。
またあまりに多くの魔力を短期間で消費すると、後になってキマイラがより多くの魔力量を要求してくる可能性もゼロではないため過信も禁物。
この宝具のもうひとつの特性として、心象風景内でならキマイラが自我と実体を持って活動出来るというものがある。
つまりこの宝具は、術者の心象風景をもって現実を塗り潰す魔術――『固有結界』に対するカウンターとして機能する。
そして更なる特性として、キャスターが自らの手で『古の本能眠りし扉』を破壊した時に限り、現実世界でも実体を持って活動出来る。
ただしこの時は著しい魔力消費により一度の戦闘だけでキマイラが消滅を迎える他、キャスターは宝具の喪失により二度とビーストへの変身が出来なくなる。
【weapon】
魔法使い専用の指輪。ドライバーに挿入することでそれぞれに対応した魔法が発動される。
ビースト用のリングを現時点で全て所持している。
ビーストの基本武器である細身の剣。ドライバーのバックルから取り出す。
基本は剣だが、先端から魔法の弾を射出することも出来る。
名前通りダイスを模したギミックが内蔵されており、このダイスの出目で必殺技の威力が変化する。
最大の出目の「6」は強力な破壊力を持つが、最小の出目である「1」は威力皆無で軽くあしらわれてしまう。
しかしキャスター自身の魔力を追加すれば、その分だけ威力も上昇する。
なお、いかなる魔術を以てしてもダイスの出目の操作は不可能とされている。
ハイパーへの変身後も使用可能。
ビーストハイパーの基本武器である銃。
魔力弾による銃撃が可能であり、さらに背面のスロットにリングをセットすることで強力な必殺技を放つ。
ハイパーへの変身前も、必殺技以外の機能は使用可能。
【人物背景】
考古学を研究する中で偶然太古の怪物と出会い、『古の魔法使い』となった青年。
溢れる探究心の赴くままに、その人生を怪物のために費やすこととなった。
それでも、仁藤攻介に後悔は無い。
彼は『指輪の魔法使い』と共に『白い魔法使い』の野望を食い止め、世界を救った。
しかし彼等が本当に救いたいと願った一人の少女の命は救えなかった。
それでも、魔法使いに後悔は無い。
【サーヴァントとしての願い】
特に無し。人生に後悔など無い。
今回はマスターに付き合う。今の自分に出来る限りのことをする。
【マスター】
牧瀬紅莉栖@Steins;Gate
【マスターとしての願い】
β世界線への到達。世界から“正しく”消える。
【能力・技能】
理系分野の知識に長ける。
運動神経は平均以下。
【weapon】
特に無し。
【人物背景】
本来あるべき世界線で死を迎えるはずだった少女。
ほんの偶然から新たな世界線が生み出されたことで、死を免れて生き続けることとなった。
しかしその世界線は、数多の“間違った”犠牲を伴う世界でしかなかったと知る。
その時牧瀬紅莉栖が望んだのは、本来の世界線の再構築だった。
自分が消える世界だとしても、それが“正しい”世界だから。
【方針】
当面の目的は同盟関係の確立。最終目標は聖杯の完全破壊及びα世界線への帰還。
誰も害されない理想郷、なんて妄想には縋らない。奇跡など求めない。
積み重ねられた犠牲を絶対に無駄にしてはならない。
最終更新:2015年12月27日 21:36