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Bn (ベンジル) - (2008/12/16 (火) 21:49:56) のソース

*Bn (ベンジル)
#right(){[[戻る>保護・脱保護反応]]}
>&color(#8888ff){&bold(){詳しい本}}&br() Greene's PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS p.102

#center(){&ref(Bn.png)}

 水酸基に対する保護基で,塩基や求核剤に対して安定。
酸や還元反応を用いて簡単に外す事ができる手軽な保護基。

 いくつかの全合成において,最終段階でのベンジル基の脱保護に失敗している。
一般には簡単にはずせるが,例外が知られているので注意が必要である。

#center(){&ref(Bn01.png)}

 また,&color(red){保護されるヒドロキシル基酸素のローンペアが配位能を保持する}。
この点においてシリル系保護基と対照的である。

-保護基の反応性 (◎:反応する ○:反応性がある ×:反応しない △:特殊な反応をする)
|CENTER:酸|CENTER:塩基|CENTER:酸化|CENTER:還元|CENTER:求核剤|CENTER:ヒドリド|CENTER:熱|
|CENTER:0.1 N HCl (pH 1)|CENTER:0.1 N NaOH (pH 12)|CENTER:CrO3, [[Py]]|CENTER:H2, Pd|CENTER:RLi|CENTER:LAH|CENTER:150 ℃|
|CENTER:◎|CENTER:×|CENTER:×|CENTER:◎|CENTER:×|CENTER:×|CENTER:×|


**実験プロトコル 

○&bold(){保護}

[[BnBr]], [[NaH]], THF, rt, 1 h.

#center(){&ref(Bn02.png)}

 最も基本的な手法。一級水酸基の保護ができる。

|BGCOLOR(#ddddff):塩基性|BGCOLOR(red):&color(white){禁水}|
|&ref(http://www39.atwiki.jp/isoleucine/?plugin=ref&serial=28)|

-試薬
|CENTER:試薬|CENTER:当量|
|アルコール&bold(){SM}|1.0|
|[[ベンジルブロミド BnBr>BnBr]]|1.1|
|[[水素化ナトリウム NaH>NaH]]|1.1|
|dry THF|0.5 M|

-実験
 &u(){ナスフラスコ}
   │
   │←[[NaH in mineral oil>NaH]]
   │←バー
   │←dry THF
   │←&bold(){SM}
   │←[[BnBr]]
   │rt, 1 h
   │
   │←sat. NH4Cl aq.
   │
   │Ext. (EtOAc×3)
   │Wash. (brine)
   │Dring (Na2SO4)
   │Conc.
   │
   │Column
   ↓
 ベンジルエーテル

 なお,この方法でベンジルかが進行しない場合,
 ヨウ化テトラブチルアンモニウム(TBAI)を2当量添加し,系内でBnIを発生させる事で反応性を高める事ができる。


○&bold(){脱保護①}

H2, Pd/C, EtOH, rt, over night.

 最も基本的な手法。

|BGCOLOR(#ddffdd):還元性|
|&ref(red.png)|

-試薬
|CENTER:試薬|CENTER:当量|
|ベンジルエーテル&bold(){SM}|1.0|
|水素 H2||
|Pd/C|cat.|
|EtOH|0.5 M|

-実験
 &u(){ナスフラスコ}
   │
   │←&bold(){SM}
   │←バー
   │H2置換
   │←EtOH
   │←Pd/C
   │rt, 1 h, 激しく攪拌
   │
   │Filtrated
 Filtrate
   │
   │Conc.
   │
   │Column
   ↓
 アルコール


&anchor(0)
**Tips
-[[塩基性条件で不安定なアルコールを benzyl 化する方法はないか。>Bn (ベンジル)#1]]

&anchor(1)
|BGCOLOR(#ddffdd):&bold(){問題}                                                                      塩基性条件で不安定なアルコールを benzyl 化する方法はないか。|
|BGCOLOR(#ffffff):&bold(){回答}                                                                      Benzyl 2,2,2-trichloroacetoimidate, TsOH を用いて benzyl 化する。|

-概要
 一般的なbenzyl化条件は,alcoholと[[水素化ナトリウム>NaH]]で調整したsodium alkoxideに対してbenzyl bromideを作用させる。
この方法では,塩基性に弱い基質,例えば塩基性でエピ化の恐れがあるアルコールに対してbenzyl化ができない.代替案は.

-原因


-解決法

 酸性条件でbenzyl化する方法として,Benzyl trichloroacetoimidate, TsOH を用いる方法がある。

#right(){[[上へ>Bn (ベンジル)#0]]}

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