Bn (ベンジル)
詳しい本
Greene's PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS p.102

水酸基に対する保護基で,塩基や求核剤に対して安定。
酸や還元反応を用いて簡単に外す事ができる手軽な保護基。
酸や還元反応を用いて簡単に外す事ができる手軽な保護基。
いくつかの全合成において,最終段階でのベンジル基の脱保護に失敗している。
一般には簡単にはずせるが,例外が知られているので注意が必要である。
一般には簡単にはずせるが,例外が知られているので注意が必要である。

また,保護されるヒドロキシル基酸素のローンペアが配位能を保持する。
この点においてシリル系保護基と対照的である。
この点においてシリル系保護基と対照的である。
- 保護基の反応性 (◎:反応する ○:反応性がある ×:反応しない △:特殊な反応をする)
酸 | 塩基 | 酸化 | 還元 | 求核剤 | ヒドリド | 熱 |
0.1 N HCl (pH 1) | 0.1 N NaOH (pH 12) | CrO3, Py | H2, Pd | RLi | LAH | 150 ℃ |
◎ | × | × | ◎ | × | × | × |
実験プロトコル
○保護

最も基本的な手法。一級水酸基の保護ができる。
塩基性 | 禁水 |
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- 試薬
試薬 | 当量 |
アルコールSM | 1.0 |
ベンジルブロミド BnBr | 1.1 |
水素化ナトリウム NaH | 1.1 |
dry THF | 0.5 M |
- 実験
ナスフラスコ
│
│←NaH in mineral oil
│←バー
│←dry THF
│←SM
│←BnBr
│rt, 1 h
│
│←sat. NH4Cl aq.
│
│Ext. (EtOAc×3)
│Wash. (brine)
│Dring (Na2SO4)
│Conc.
│
│Column
↓
ベンジルエーテル
│
│←NaH in mineral oil
│←バー
│←dry THF
│←SM
│←BnBr
│rt, 1 h
│
│←sat. NH4Cl aq.
│
│Ext. (EtOAc×3)
│Wash. (brine)
│Dring (Na2SO4)
│Conc.
│
│Column
↓
ベンジルエーテル
なお,この方法でベンジルかが進行しない場合,
ヨウ化テトラブチルアンモニウム(TBAI)を2当量添加し,系内でBnIを発生させる事で反応性を高める事ができる。
ヨウ化テトラブチルアンモニウム(TBAI)を2当量添加し,系内でBnIを発生させる事で反応性を高める事ができる。
○脱保護①
H2, Pd/C, EtOH, rt, over night.
最も基本的な手法。
還元性 |
![]() |
- 試薬
試薬 | 当量 |
ベンジルエーテルSM | 1.0 |
水素 H2 | |
Pd/C | cat. |
EtOH | 0.5 M |
- 実験
ナスフラスコ
│
│←SM
│←バー
│H2置換
│←EtOH
│←Pd/C
│rt, 1 h, 激しく攪拌
│
│Filtrated
Filtrate
│
│Conc.
│
│Column
↓
アルコール
│
│←SM
│←バー
│H2置換
│←EtOH
│←Pd/C
│rt, 1 h, 激しく攪拌
│
│Filtrated
Filtrate
│
│Conc.
│
│Column
↓
アルコール
Tips
問題 塩基性条件で不安定なアルコールを benzyl 化する方法はないか。 |
回答 Benzyl 2,2,2-trichloroacetoimidate, TsOH を用いて benzyl 化する。 |
- 概要
一般的なbenzyl化条件は,alcoholと水素化ナトリウムで調整したsodium alkoxideに対してbenzyl bromideを作用させる。
この方法では,塩基性に弱い基質,例えば塩基性でエピ化の恐れがあるアルコールに対してbenzyl化ができない.代替案は.
この方法では,塩基性に弱い基質,例えば塩基性でエピ化の恐れがあるアルコールに対してbenzyl化ができない.代替案は.
- 原因
- 解決法
酸性条件でbenzyl化する方法として,Benzyl trichloroacetoimidate, TsOH を用いる方法がある。