What's J-simulator?
J-simulator (Joint Simulator for Satellite Sensors)
J-Simulator can simulate EarthCARE observations from Cloud Resolving Model (CRM) outputs, developed by the JAXA EarthCARE mission and the J-Simulator team. It has been built on Satellite Data Simulator Unit (SDSU) (Masunaga et al. 2010, BAMS), specifically NASA Goddard SDSU.
Target: validation and improvement of aerosol-cloud microphysical schemes in cloud resolving models
- Has an universal interface that can be applied for various cloud microphysical outputs
- For Global CRMs as well as regional CRMs
- Provide diagnosis tools and data set
(in Japanese)
地球温暖化に代表される気候変動を予測するために、数値気候モデルが用いられています。気候モデル内の雲・降水過程の扱いには、依然として不確定要素が多いことが、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第4次評価報告書(AR4)において指摘されています。気候モデルの雲・降水過程の検証と改良が重要課題になっている現在において、全球規模でエアロゾルや雲、降水の情報を得られる人工衛星観測は、非常に重要な役割を担っています。
人工衛星を用いた気候モデルの検証方法として、
- エアロゾル、雲、降水に関する物理量(質量や数密度)を比較する方法
- 大気放射に関する物理量を比較する方法
があります。前者において、衛星観測する放射量から雲などの物理量を得る必要があり、その手法をリトリーバルと呼びます。後者においては、気候モデルのエアロゾル、雲、降水などを含む大気情報から、衛星が観測する放射量を計算する必要があり、衛星シミュレータを用います。近年、前者の方法だけでなく、後者の衛星シミュレータを用いた検証方法が利用されるようになっています。リトリーバルには、エアロゾルや雲の物理特性をある程度仮定する必要があり、前者の方法で気候モデルと比較した際に、この仮定が適切でないのか、それとも気候モデルの再現性が良くないのか、判断が難しい場合があります。後者の方法では、衛星シミュレータが、気候モデルの出力に対応する放射量を正確に、忠実に計算できる必要があります。両者ともに、リトリーバルと衛星シミュレータというモデルが必要ですが、衛星シミュレータは、より基本的な物理法則に基づいており、気候モデルの出力に直接対応しているので、気候モデルの問題点をより明確にすることができます。IPCC AR5に向けたCoupled Model Intercomparison Project Phase 5(CMIP5)おいても、衛星シミュレータによる気候モデルの検証が、重要な検証方法として提言されています。
J-simulator(Joint Simulator for Satellite Sensors)は、共同で開発する衛星シミュレータです。J-simulatorはSatellite Data Simulator Unit (SDSU) (Masunaga et al. 2010, BAMS)をもとに、JAXA/EarthCAREミッションで開発が進められています。J-simulatorは、特に、雲解像数値気象モデルや、全球雲解像モデルのデータを入力として計算を行います。検証により得られた知見は、現行気候モデルの改良や次世代気候モデルの開発に役立ちます。また、日々の天気や降水を予報する気象モデルの改良にも役立ちます。