0060:守るべきもの
アイゼンという男を殺す。星矢の頭の中にはそのことしかなかった。
一刻も早く岡山へ。
焦る気持ちは疾風迅雷の速さで鳥取県を突き抜けた。しかし……
星矢の速さは警戒心を無視した無謀な突撃だった。
中国自動車道は左右を森に囲まれた潜伏するにはうってつけの場所だ。
「手を挙げなさい。坊や!!」
不意に森の方から声がした。そして機械音。相手は間違いなく銃をもっている。しかし、あの声は……
女性のものだ!!
「聞こえなかったの?手を挙げなさい!」
間違いない。あれは女性だ。
星矢は両手を挙げて、
「お、俺には殺し合いをする気なんかないよ。ほら、武器も持ってないし、
そっちこそ出てきてくださいよ!」
女の人とは戦いたくないよ……星矢の無垢な気持ちは女性の心を動かした。
「わかった。今出るわ。」
姿を現した女性の身長は180cm近くあり、長いブロンドの髪でかなりの美人だ。
その手にはサブマシンガンが握られている。
その姿を見て星矢は赤面した。
「フフッ。可愛い坊やね。赤くなっちゃって。」
「こ、子供扱いは止めてください。俺の名は星矢です。」
彼女の笑顔に星矢はもじもじしながら答えた。さすがの聖闘士も女には弱い。
「あら、ごめんなさい。私の名前は麗子。警察官よ。このマシンガンは私の支給品。運がいいのよね。私。」
支給品。その言葉を聞いて星矢の目から涙がこぼれた。石崎のことを思い出したのだ。
星矢は泣きながらこれまでの経緯を麗子に話した。
「ふーん。確かにアイゼンとかいう人は許せないわね。よーし、私も手伝ってあげる」
戦いは男の仕事。そう思っている星矢には麗子の言葉が信じられなかった。
「大丈夫。私は警察官だし、五輪でも金メダルとったことあるんだから。
そこらの男より頼りになるわよ」
男勝りの麗子の発言に戸惑いながらも、共闘を了承した聖矢。
(俺が今為すべきことは二つ。石崎さんの敵討ちと、麗子さんを守ることだ)
【岡山県北部初日黎明】
【マシンガンチーム】
【星矢@聖闘士星矢】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】なし
【思考】1.麗子を守りつつ藍染を殺す。2.ハーデスを殺す
【秋本・カトリーヌ・麗子@こち亀】
【状態】健康
【装備】サブマシンガン
【道具】支給品一式
【思考】1.星矢に協力する。
時系列順で読む
投下順で読む
最終更新:2023年10月18日 20:17