0407:彼女の功績はあまりに大きく、あまりに残酷
どっちが子供だよ、と言ってやりたい。
大人の義務ってなんだよ、と言ってやりたい。
子供に心配かけて、それで大人って言えるのかよ、と言ってやりたい。
大人って、勝手だ。
「――待ってくれ麗子さん!」
呼び止めた。
みんな勝手なんだよ。
ダイも両津さんもまもりさんも麗子さんも。
絆はどうしたんだよ。
別行動はとらないんじゃなかったのかよ。
「止めても無駄よ星矢ちゃん。早くまもりちゃんを追わないと」
「止めないよ。ただ、一人で勝手に突っ走るのはやめてくれ」
~~~~~
放送前、麗子に追いついた星矢は、落ち着いた声で逸る彼女を呼び止める。
その言葉は、「行くな」ではなく、「一人で行くな」という意味だった。
「止まっている暇なんてない。まもりちゃん、すごく辛そうな顔をしていた……早く追わないと、きっと大変なことになる」
「だからって、一人で行ってどうなるんだよ」
星矢は駆け出そうとした麗子の肩を掴み、静かなる力でその場に押しとどめようとする。
しかし麗子の意志は強く、今にもその場を飛び出さんくらいの危うさが感じられた。
「離してっ、星矢ちゃん」
「駄目だ。麗子さんは一人じゃ行かせない」
ここで離したら、きっとまた、危険がやってくる。
藍染惣右介に人質を取られ、成す術もないまま大事な人たちを危険に晒してしまった不甲斐ない自分。
それが、許せなくて。
「確かに、麗子さんは俺なんかより全然大人だ。でも、大人だとか子供だとか、そんなの関係ない。
麗子さんもまもりさんも、同じくらい弱い。俺に言わせりゃ、どっちも、守らなくちゃならない大事な人なんだよ」
だから、一人じゃ行かせられない。
聖闘士としての務め、ではない。
仲間思いの一人間として、失いたくない。
守るのは、そのためだ。
サァ――と風が駆け抜けた。
降り続けていた豪雨の雨脚が弱まり、時刻は昼へと近づく。
放送は、間もなく。
「俺たち、仲間だろ?」
そう、星矢が問いただした。
「そうよ。当たり前じゃない」
麗子が、そう答えた。
「なら、行く道は一緒のはずじゃないか」
星矢が、そう言い切った。
「焦る必要なんてない。仲間を信じて、一緒に進もう」
星矢が、優しく微笑んだ。
「……ええ」
力強く、麗子が頷いた。
「…………」
誰かが、静かに傍観していた。
~~~~~
兵庫県の市街地。ちょうど、星矢と藍染が戦いを繰り広げた草原の北に位置する街だ。
そこで星矢と麗子は合流を果たし、そして一人、部外者を呼び込んだ。
仲間ではない、仲間とも思えない黒影の小柄の姿。
その少年の名が『飛影』だと知る者は、少ない。
「……星矢、ちゃん」
「ごめん、麗子さん……さっきの言葉、いきなり撤回するかもしれない」
現れた影は、薄く開かれた眼を星矢ただ一人に向けていた。
隣に居た麗子には興味を示さず、星矢の内に秘められた絶大な力を感じて、接触を図ったのだ。
「失せろ女。お前に用はない」
短く冷たく、視線を合わせようともせず、飛影は麗子に言った。
彼を支配する闘争本能に、弱者の住まう居場所は存在しない。
飛び交う小蠅には目もくれず、狙うは敵の将ただ一人。
手柄や功績のためなどではなく、ただ己の欲を満たさんがために。
冷えた視線は、それだけで子供を射殺せるほどの殺傷能力を秘めていた。
ガクガクと身を震わせながらもそこに立っていられたのは、隣に頼りがいのある仲間がいてくれたからか。
「麗子さんは、まもりさんを追ってくれ。俺は、ここでこいつを食い止める」
「そんな……それじゃあ星矢ちゃんが――」
「まもりさん、放って置けないんだろう? それに、何度も言わせないでくれ。俺は」
「……強い、もんね。私なんかと違って、星矢ちゃんは力を持っている……うん」
己に言い聞かせるよう呟き、麗子は、前を向いた。
別れの言葉もなく、脚を突き動かす。まもりが去っていった、東へ。
~~~~~
それでいい。
こういう厄介だけど扱い方が単純な手合いは、俺が全部引き受ける。
麗子さんは、麗子さんにできることをやってくれ。
俺も、俺にできることをやるから。
それが、一番仲間のためになるから。
「追わないのか? 麗子さんのこと」
俺に対して敵意剥き出しのチビに、問いかけた。
「あんな雑魚はどうでもいい。俺が用があるのは、俺と対等に戦える奴だけだ」
「
戦闘狂……いや、単なる喧嘩好きか」
ったく、この忙しい時に、面倒な奴と出くわしたもんだ。
でも、ま、いいストレスの吐き出し口にはなるかもな。
「生憎だけどよ、俺、今あんまり機嫌がよくねーんだよ。だから、手加減できないぜ」
「望むところだ」
こっちは小宇宙を全開にしてるってのに、尚もやる気マンマンかよ。
藍染みたいな悪党ならともかく、相手がバトルマニアなだけってんなら……ま、なんとかなるか。
答えは簡単。
俺がこいつに勝てば、丸く収まる話だ。
~~~~~
開戦の合図はなかった。
仕掛けたのタイミングはどちらも等しく、公平。
互いに詰め寄り、文句もなく放ち合ったのは、拳だった。
星矢の右拳と、飛影の左拳が穿ち合う。
両者共に肉弾戦を得意とするらしく、そこに姑息な駆け引きや罠は仕込まれていなかった。
飛影は、緊迫しそうな力と力のぶつかり合いに士気を高めつつあった。
アビゲイル戦の時はリンスレットという邪魔、排撃貝による小細工など苛立ちを感じる要素が多々あったが、今回は違う。
拳と拳、力と力。互いの戦闘力を親身にぶつけ合う、至ってシンプルな喧嘩になりそうだ。
「――お前、別に優勝とか狙ってないだろ!? お前の小宇宙からは、藍染のヤローみたいな禍々しさが感じられない!」
高速移動と拳による猛攻を繰り返しながら、星矢が言い放った。
飛影は星矢の呼びかけに一切の反応を示す気配はなかったが、その沈黙には肯定の意があるように思えた。
「自分のことしか考えてない悪党なら、問答無用で俺たちを襲ったはずだ!
そうしなかったのは、悪党じゃなくて単なる喧嘩好きだから――」
喋りかけている最中に打ち放たれた飛影の膝蹴りを両腕をクロスさせて防ぎ、回避行動に合わせて更に言葉を紡ぐ。
「小宇宙を感じれば分かるんだよッ! お前みたいな奴、嫌いじゃないぜ!!」
光と影。
市街地を高速で駆け抜けながら、パンチとキック主体によるシンプルな攻防が繰り広げられる。
「よく喋る野郎だ」
飛影は星矢に抱いた感想を短く呟き、一旦距離を取ってから攻撃の手を変えた。
取り出したのは、先刻ミサから強奪した真空の斧。
小柄の飛影が扱うには些か似合わぬ武器だったが、彼の力量を考えれば別段不自然な手ではなかった。
飛影はビルの壁を蹴り、空へと飛びあがる。
同じように星矢も向かいに位置するビルの壁を蹴上がり、飛影を迎え撃つ。
神速のスピードで振り下ろされる飛影の斧による一撃。
星矢は、その攻撃を横から素手で弾き、開いた隙間から回し蹴りを放つ。
空中で交差した二人は同時のタイミングで地面に降り立ち、瞬間、反対の方向に着地した標的を狙う。
「――ッ!?」
振り向き、飛び出したのは飛影一人。
星矢はというと、着地した地点でドシッと腰を構え、向かってくる飛影を迎撃の体勢で待ち構えていた。
「ペガサス――」
反射的に攻撃の手を緩め、回避にスイッチしようとした飛影だったが、突進力が強すぎたのか、すぐには行動に移れない。
結果、飛影は星矢の射線上に飛び込んでいく形になり、
「――彗星けぇぇぇんッ!!!」
一直線に伸びた、ビームのような星矢の正拳を――寸前で避けることになった。
単にパンチが怒涛の勢いで迫ってきただけ、とは言い難い、星矢のペガサス彗星拳。
回避が成功したのは、本当に幸運の賜物だった。
瞬時に発動した真空の斧による突風……このほんの微かな風が、飛影を僅かに横へずらしたのだ。
が、代償として真空の斧の刀身はモロに彗星拳の直撃を受け、飛影の手には折れた斧の柄だけが残った。
「邪王……」
それでも、転んだらただでは起きない。
飛影は、横飛びに振り出された身体を空中で制御し、握られた斧の柄に魔界の炎を宿した。
「……炎殺剣!!」
先端に燃え上がった炎の刀身は槍のような形状を作り、勢いづいて星矢に放られる。
その速度は彗星拳までとはいかずとも、十分な殺傷能力を秘めた、銃弾以上の脅威だった。
星矢は慌てず、飛び込んできた炎の槍に対処する。
この攻撃は、彗星拳を放った直後に仕掛けられたカウンターの一撃。回避は難しい。
ならば対処は、必然的に防御に絞り込まれる。
「ペガサス流星拳ッ!!」
だが星矢は、あえて攻撃を選択。
たった壱秒の間に百を越える無数の拳打が打ち込まれ、防壁となって迫る炎殺剣を弾き返した。
その間も、飛影は追撃の手を止めることはしないのだろう。
それを見越しての、攻撃による防御。
敵が攻撃の手を緩めるまで、こちらは絶対に反撃を止めない。
小細工は必要ない。星矢の目的はただ、飛影を戦闘不能に追い込み、一刻も早く麗子と合流することなのだから。
光の輝きが発生せんほどのラッシュは、影を残さぬほどのスピードで動き回る飛影の姿を燻りだす。
小さな影は、既に星矢の背後に移動していた――
「狙い通りのポジションだぜッ! 喰らえェェ――!!」
振り向き、渾身の拳打を叩き込んだ。
ブンッ、と空気を切る音と、掻き消える飛影の姿を視覚と聴覚が捉え、次第に脳が違和感を覚えた――
「残像だ」
――時にはもう遅い。
星矢の背後に迫っていたと思われた飛影の姿は幻のように消え去り、代わりに空から、小さな声を漏らす。
「邪王炎殺煉獄焦ッ!!」
星矢の頭部目掛け、真上から炎を宿した拳の雨が降り注ぐ。
さすがの星矢もこれを反撃で返すことは容易ではなく、不恰好な防御の体勢で構えるだけに終わった。
飛影の攻撃が、初めてクリティカルヒットを見せる。
「ぐはぉっ!?」
痛みによる嗚咽を漏らしたのもまた、星矢が初だった。
上空からの攻撃により地に叩きつけられ、減り込む直前で横に蹴り飛ばされた。
拳による殴打、地面に叩きつけられたことによる痛打、そしてビルの外壁まで蹴り飛ばされ、それを破壊するほどの衝撃。
三種の連続的なダメージが星矢を襲い、勝負の優劣を大きく揺るがした。
「がはっ、がっはっ!?」
痛烈な衝撃に耐えながらも瞬時に身体を起こし、再び構えを取る星矢。
周囲の光景は小高いビルの立ち並ぶ外界から、
おそらくはホテルか何かなのだろう、広くも薄暗い絨毯敷きのロビーに移り、室内戦へ移行する。
「な、なんて奴だ……光速のスピードを持つ聖闘士相手に、速度でまったく引けを取っていない……!」
藍染の『瞬歩』も目を見張るものがあったが、飛影は『瞬歩』以上のスピードを、常時発揮しているようにも思える。
星矢の動きを光と例えるならば、飛影の動きはまるで影。
光と影が表裏一体だとするならば、そのスピードも互角だというのだろうか。
「あ、藍染の時といい……ハーデスの野郎、まさか俺たち聖闘士にだけ、制限を重くしてるなんてことはない、だろうな……?」
完全な息切れを起こしながらも、星矢は小宇宙を張り巡らせて飛影を索敵する。
感じる。敵はまだ、外にいた。
「――タフな野郎だ。だが、それもこれまでか」
堂々にも、破壊された自動ドアの入り口から姿を見せ、飛影は星矢に向き合った。
その顔は、未だ涼しげ。体力の尽き掛けてきた星矢に比べ、余裕が感じられる。
藍染惣右介との決闘、その時のダメージと疲労が、今になって星矢を苦しめている。
鬼道の応酬は皮膚や血管などへの外傷として、重力の増加は内臓器官へ地味ながら強力な疲労を及ぼした。
あの時だって、本来なら負け戦だった。
藍染の圧倒的な重力と、黒棺なる技によって受けた致命傷により、星矢は死なば諸共の覚悟を決意したのだ。
だが、仲間に救われた。
ダイのライデインによるサポートが、仲間からのメッセージが、窮地に立たされていた星矢を再度奮い立たせてくれた。
その後のマヌーサによる幻影も、仲間達の囁きがあったから振り払うことが出来た。
支えられて、守られて。
(ああ……なんだ)
守られて、支えられて。
(麗子さんには『守る』なんて偉そうなこと言ったけど……)
どっちも。
(逆じゃんか……おれ)
されっ放しだった。
(仲間がいなきゃ……俺は満足に戦うことも出来ないのか?)
それでいいのか、聖闘士星矢。
「……いいわきゃない、よな」
小さな呟きは、飛影に届くことはなかった。
「死ね」
見た目、なんとか立っているだけの星矢に、飛影が最後になるであろう攻撃を仕掛ける。
「 邪 王 炎 殺 煉 獄 焦 ――」
「 ペ ガ サ ス 流 星 拳 ! 」
黒の炎拳による高速のラッシュ――繰り出された飛影の攻撃を遮らんばかりに、星矢が光速の動きを見せた。
飛影の全身を多い隠すほどの発光、その正体は、星矢の拳。
拳と拳の打ち合い、などという次元では表せない、絶対的な力の差が、そこに生まれていた。
飛影の煉獄焦をちっぽけな発熱電球と例えるなら、星矢の流星拳の規模は、それを容易く飲み込む太陽。
それが正面から打ち合えば、どちらが勝るかは最早明確である。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお――!!!」
拳を打ちながら、星矢は力いっぱい叫び続けた。
気合だ。気合で相手を凌駕するんだ。
小宇宙を爆発させれば、不可能なことなんて何もない。
聖闘士は誰にも負けない、アテナに選ばれし最強の戦士なんだ。
負けて、負けてたまるか――!
麗子のためでも、仲間のためでもなく。
一人の聖闘士、否、男として。
負けたくなかった。勝利が欲しかった。
その思いが齎した力が、このペガサス流星拳だ。
~~~~~
正面からの打ち合いに競り負け、飛影は敗北を予感し始めていた。
(またか――また俺は、負ける、のか)
『また』――この二文字が、呪いの様に圧し掛かる。
思えば、この世界で飛影が勝ち得たものは何一つなく、ちっぽけな勝利の栄光が一つだけ。
アビゲイル戦などは、到底勝ち星には入れられない。
氷女や邪魔者の女などは、論外だ。
ピッコロに至っては、完全なる敗北を喫した。
真に戦いで勝利したのは、
剣桃太郎との一戦ただ一つのみ。
しかしその戦いとて――満足のいく結果とは言えなかった。
(そういえばあの男――妙なことを口にしていたな)
~~~~~
ゲーム開始から僅か数時間、飛影の初戦の相手である
剣桃太郎は、最後までしぶとく食い下がってきた。
『ふう……俺の負けか。と、言いたいところだが。諦めないのが男塾精神でね、精々足掻かせてもらうぜ』
何が男塾精神だ。黒龍波を喰らい、強大な妖気を身につけた飛影相手に、死に損ないがどう抵抗できるというのか。
それからの戦闘はあまりにも無意味。赤子の手を捻るより簡単だった。
纏った黒龍波の妖気は飛影の戦闘能力を何倍にも跳ね上げ、単なる拳打でも桃太郎を死に追いやった。
『……こ、こまで、か。俺も、ヤキが回った、かな』
『死に掛けのくせに、よく喋るな』
『まあ、ね。男塾ってところは……それはそれは喧しいところ、でな。
俺も、一号生の筆頭を務めていたが、こんな形で奴等と別れるハメに、なるとは』
『女々しいな』
『そう、か? フフフ……いや、なに。お前を見ていたら、なんだか思い出しちまって、な』
『俺が、その男塾とかいうところの連中に似ているとでも?』
『ま、ツラは全然合わねーと、思うが……そっくりでは、あるな』
『どこがだ?』
『興味あるか? ……そうだな。喧嘩っ早くて、血に飢えていて……
だが、それでいて、腐ったヤローは絶対に許さねー。ま、そんなとこ、ろだな』
『なんだそれは』
『フフ、フ……ま、理解しようと、しても、できるもん、じゃねぇだろう、な……ゲフッ』
剣桃太郎の最後の戯言は、今でも詳細を記憶していない。
意味がないと、そう思っていたから。
弱者のつまらない虚勢だと、そう思っていた。
~~~~~
(――俺は、幽助にも勝つことができなかった。決着をつけることも叶わず……勝ち逃げされた)
(――勝たなければいけない相手が、まだいる)
(――なのに俺は、また負けるのか?)
今は、全て忘れよう。
勝ちが欲しい。
貪欲に。
勝ちたい。
星矢に。
今は。
ただそれだけを考えて。
倒れるな。
生きろ。
死ぬな。
放て。
仕掛けろ。
――黒龍波を。
~~~~~
「邪王炎殺黒龍波アアァァァァァァァッ!!!」
ペガサス流星拳が作り出した閃光の世界――数百発の拳の先に、黒く巨大な、闇が浮かび上がった。
「な――ッ!?」
驚愕する星矢を飲み込むように、黒炎で形作られた巨龍が顕現する。
ロビー全体を埋め尽くさんほどの炎の龍は、周囲のオブジェを跡形もなく燃やしつくし、天に昇る勢いでその建物を破壊した。
黒龍が天駆けるその間、星矢は黒龍の牙に捕らえられたまま、一緒に宙を舞う。
灼熱よりも熱い黒龍の喉元で、星矢は苦痛に耐えながら反撃の機会を窺おうとするが、
「はああああああああああああああああああああああああ―――ッ!!!」
勢いが一向に衰えない黒龍波の衝撃は、星矢に身動きを不可能にさせた。
星矢を飲み込んだまま、黒龍は天へ、地へ、障害となる建物は片っ端から爆砕し、激進する。
崩れるコンクリートと抉れる大地が不協和音を生み出し、戦いの舞台となった街を無残な廃墟へと変えていく。
黒き龍が、街を破壊する。
兵庫の街が、厄災に飲み込まれる。
――ご機嫌いかがですかな、皆さん。今回の放送は私、
フリーザが担当します。
放送も今回で六回目。さすがに悲しむことにも慣れてきましたかね?――
放送が流れ出したのは、ちょうど黒龍波が姿を消したタイミングだった。
最終更新:2024年07月20日 04:27