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彼女に似合う空 - (2006/09/15 (金) 10:37:18) のソース
今日も雨が降っていた。 「こうまで続くと鬱陶しいわね」 最初は風情があって悪くないと言ってたくせに……。 「なんですの?その顔は」 「雨は風情があっていいんじゃなかったっけ?」 「な! こんなにグダグダと降り続けられては風情も何もありませんわ!」 「へぇ、そうだね」 「く……何か言いたそうですわね……」 僕はニヤニヤして空を見る。曇った空も悪くはない。悪くはないけど、鶏冠石の機嫌がこれ以上悪くなるとそれはつらい。 「雨、早く止むといいね」 「急になんですの?」 「だって雨降ってると鶏冠石が不機嫌なんだもん」 「別に不機嫌なんかではありません!」 「それにさ、やっぱ鶏冠石には綺麗な空が似合ってるよ。憂鬱そうな鶏冠石も憂いがあっていいけどさ、もっと堂々とした鶏冠石の方が俺は好きだな」 「べ、別にあなたの好みなんて聞いていませんわ!!!」 「そだねー、じゃぁてるてる坊主でも作るかな」 「そんなことで晴れたらなんでも言うことを聞いてあげますわ」 本当に明日は晴れて欲しい。そう願いながら赤い髪飾りつきのてるてる坊主をカーテンにぶら下げた。