夕焼けの光に染められた図書館の一角で、髪を1つにまとめた少女が本を選んでいた。まだ時間はあるけど、彼女は居残りの常習犯なので、閉館が近いことを伝えることにした。
「やあ、こんにちわ」
「あっ……」
彼女は振り向いて、声の主である僕を見つけた。過去に何度も帰るよう言われたせいか、僕の顔を見るなり眉をハの字にしてしまった。
「もう閉館……?」
「まだだけど、もうすぐだよ」
ただでさえ表情の硬かった彼女は、さらに困ったと言うようにうつむいてしまった。見ると手には1冊の本が握られている。その本をこれから読むつもりだったのだろうか。
「君は本当に本が好きなんだね」
「うん……好きだよ」
一呼吸置いて彼女は言葉を続ける。
「私をここじゃないどこかへ……連れて行ってくれる」
そう呟いて本を抱えなおした。
「その本、借りて行きなよ」
「えっ?」
「図書館の本は貸りることができるんだよ、知らなかったかい?」
キョトンとしている彼女に僕は説明した。
「うん……知らなかった」
なるほど、だから閉館するまで読んでたんだね。
「ねえ……」
「ん、なんだい?」
「もう1冊、借りていい……?」
「ああ、かまわないよ」
「……ありがとう」
そう言って彼女ははにかむように微笑んだ。
「やあ、こんにちわ」
「あっ……」
彼女は振り向いて、声の主である僕を見つけた。過去に何度も帰るよう言われたせいか、僕の顔を見るなり眉をハの字にしてしまった。
「もう閉館……?」
「まだだけど、もうすぐだよ」
ただでさえ表情の硬かった彼女は、さらに困ったと言うようにうつむいてしまった。見ると手には1冊の本が握られている。その本をこれから読むつもりだったのだろうか。
「君は本当に本が好きなんだね」
「うん……好きだよ」
一呼吸置いて彼女は言葉を続ける。
「私をここじゃないどこかへ……連れて行ってくれる」
そう呟いて本を抱えなおした。
「その本、借りて行きなよ」
「えっ?」
「図書館の本は貸りることができるんだよ、知らなかったかい?」
キョトンとしている彼女に僕は説明した。
「うん……知らなかった」
なるほど、だから閉館するまで読んでたんだね。
「ねえ……」
「ん、なんだい?」
「もう1冊、借りていい……?」
「ああ、かまわないよ」
「……ありがとう」
そう言って彼女ははにかむように微笑んだ。