宝石乙女まとめwiki内検索 / 「ふたりでできるもん」で検索した結果
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ふたりでできるもん
「マスター、夕飯は何が食べたいですか?」 「んー、何でもいいよ。黒曜石の作ってくれたのは何でも美味しいし」 「ぅー……そう言ってもらえるのは嬉しいですけど、たまにはマスターのわがままも聞いてみたいんです」 「わがままって……それを言うなら僕のほうこそ、たまには黒曜石のわがまま聞いてみたいよ」 「わ、私はいいんです!」 「……そうだな、たまには僕がご飯作るよ。何が食べたい?」 「えっ!? そ、そんな……」 「ほらほら、早く決めてくれないと作れないよ?」 「う……えっと、じゃあ……マスターの……炒飯が、食べたいです」 「炒飯だね、分かった。さて……冷蔵庫をチェックして……」 「……」 「あ、黒曜石は居間で休んでていいよ」 「あ、はい」 「えーと……油はどこに……あ、ハムも入れようかな……」 「……(そろそろ)」 「っと、卵も溶いておかなきゃ……って黒曜石? ...
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小説-黒曜石メイン
...ても」より ふたりでできるもん 68スレ目「黒曜石とか天河石が東方に苦戦したって」より 懐かしい旋律 77スレ目「黒曜石とか雲母が爽やかな風に微笑んでも」より 貴方が迷惑でなければ 82スレ目「黒曜石とか雲母とかソーダとか天河石とかがお腹を出して昼寝したって」より 一件落着……なのかな? 85スレ目「黒曜石とか雲母とか天河石らが七夕の曇り空を見上げたって」より ほんとはちょっと心配です 86スレ目「黒曜石とか雲母とかが蝉取りしても」より 二人の出会いに乾杯 87スレ目「黒曜石とか雲母が誕生日をお祝いしても」より 願わくば、いつまでも 87スレ目「黒曜石とか雲母が誕生日をお祝いしても」より ごきげんだね! 98スレ目「黒曜石とか雲母とか真珠が松茸ご飯食べても」より 黒曜石と携帯電話 99スレ目「黒...
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翠星石と黒曜石のひとりでできるもん!
J「おなかすいたなぁ、何かないか?」 翠「ちょーど良い所にきたですチビ人間。これを味見するです」 黒「翠お姉ちゃんと一緒につくったんですよ」 J「そうか、じゃあもらうな」 翠(ドキドキ) 黒「どうですか?」 J「うん。うまいよ」 黒「本当ですか?よかったぁ」 J「本当だよ。黒曜石はすごいなぁ」(ナデナデ) 黒「そ、そんなこと無いですよぉ///」 翠「・・・・・・・・・」 げしっ! J「いったぁ~なにすんだよ!この性悪人形!」 翠「ふんっ!てめ~の事なんかしるか、ですぅ。行くですよ、黒曜石」 J「ったく!なんなんだよ・・・」 黒「ジュンさん、翠お姉ちゃんの気持ちも考えてあげてください」 J「はぁ?どうゆうことだよ」 黒「私達だって・・・女の子なんですから」 翠「黒曜石!何余計な事言ってるですか!早く行くです!...
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ふたりのひな祭り
夜でした。 すこしかけたお月さまが、薄くあたりを照らしていました。 森のなかに一件だけ、ちいさなログハウスがありました。 ある部屋に大きなベットがありました。 薄く照らされたベッドがもぞもぞと動きます。 ひとつの大きなカタマリがふたつになり、かたほうがベッドから出てきます。 虎眼石でした。 虎眼石はもうひとつのカタマリに近づくと、置石の寝ているのを確認しました。 その後、ひとつあくびをして、真っ暗なドアのむこうにきえてしまいました。 しばらくして、虎眼石がもどってきました。 音をたてないようにドアをしめると、にもぞもぞとベッドにもぐりこみます。 置石にぺたりとせなかをあわせて、そのままうごかなくなりました。 リビングには、それまでなかった雛壇と、その上で薄く月明かりに照らされた雛人形が それなりに場所をとって、それなりに立派に...
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ふたり夢の中
「ただいまー」 日曜日。用事をすませて家に帰る。もう昼ごはんの時間はとっくに過ぎてるかな。 ……と、ここでいつもならあるはずの鶏冠石の返事がない。 「……鶏冠石~」 反応なし。少し嫌な予感が頭をよぎり、速足でリビングに向かう。 「鶏冠石!」 ――そこにはソファーで座りながら、すやすやと寝息をたてる傍若無人お嬢様が。 「まったく……春眠暁を覚えず、か。まだ春じゃないと思うけどな」 いつものお返しに、髪にペンを挿したり鼻つまんだり顔に落書きしてやろうかと思ったけど……。 「今回は俺も横で寝ちゃうのが一番の仕返しになるかな」 冬にしては少し暖かい休日のひとときは夢の中。 夢の中で出会えたなら、それはきっととびっきり。 木洩れ日のララバイでおやすみバイバイ。 「う……さむ……」 う、ん……何時間くらい眠ってたんだ? ...
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ずこうのじかん
それはいつもの休日のこと。 「電気石、何作ってるの?」 座布団に座ってしきりに手を動かしている電気石の後ろ姿に、僕は興味を覚えた。まぁ、子供のやっていることだからたいしたことではないとか、電気石には言えないような失礼なことも考えているけど。 「んー……?」 でも、それは僕の想像を遙かに凌駕するものだった。 「……何、これ?」 「んー、基盤?」 首をかしげられても困るんだけど……しかし、それは確かに電気石の言う通り基盤だった。よく機械に入ってる緑色のアレ。しかも電気石の片手にははんだごて。電源は自前のようだ。 「図画工作?」 「いや、普通こういうのは作らないよ」 「楽しいよ?」 「ごめん、僕には何が楽しいか分からない……」 あ、電気石しょんぼりさせちゃった。いくら分からないからって、そんなこと言ったらやっぱダメだよね。でも話を合わせるのはとうてい無...
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ソーダちゃんの「ひとりより、ふたりなのっ」 その1
リビングに駆け込んできたソーダの、第一声。 「ママーっ。ソーダひとりでねんねするーっ」 ……ソーダとの生活で、色々驚かされる経験をしてきた私だけど、これほどまで驚かさせられるとは思わなかった。 あの、甘えん坊のソーダが、一人で寝る? 夜になってから言うのだから、昼寝という訳ではない。 確かに、仕事で遅くなる時はソーダに添い寝をしてあげることは出来ない。それでも、他のお姉さん達が付き添ってくれているのは確実。一人で寝たことなど、これまで一度もないと思う。 「え、えっと……大丈夫なの?」 コーヒーの入ったマグカップをテーブルに置き。満面の笑みを浮かべるソーダに顔を向ける。 「うんっ。てんちゃんがー、おねーさんはひとりでねるんだよーっていってたー」 「お姉さんって、ねぇ」 そのお姉さんと呼ばれるには、ソーダはまだまだ幼すぎると思うけど……。 ...
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ソーダちゃんの「ひとりより、ふたりなのっ」 その2
時に、暖かい室内から外へ出るのも、頭の気分転換にはよいこと。 家にいることが多い身としては、こうして外の空気を吸うのは心地がよい。 とはいえ、今日は一段と寒い。普段は子供の姿も見られそうな公園も、長椅子に座るわたくし以外の姿はない。 冬もついに本番。人も外に出るのが億劫な時期になったようで。 「てーいっ」 ……尻尾に、抱きつかれる感触。衝撃は小さい。 先ほど、だんな様と手入れをしたばかりなのに。 「ふかふかぁ」 「……ソーダ、いきなり何を」 振り向けば、相変わらずの笑顔を浮かべるソーダの姿。 わたくしの尻尾に抱きつき、頬摺りをしている。毛並みはすっかり崩れてしまった。 いつも抱きつかないようにと言っているのに。まったく、どうして宝石乙女の子供達はこう……。 「ソーダっ、勝手に走っちゃ危な……あ、殺生石さん」 ソーダに送...
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乙女の憧れ
今朝、新聞の間にウェディングドレスのチラシが挟まっていました。いえ、普通に広告としてでしょうけれど。 人形と言えど乙女。乙女と言えばウェディングドレスを着てみたいと思うのは本能のようなもの。 しかしウェディングドレスって試着とかできるものなんでしょうか……買うとなると高価な物ばかりが目につきますし……。 昼下がり、テレビの中から『ウェディングドレス』という単語が聞こえてきました。朝のこともあり、少し気になってしまいます。 結婚式の番組で、そこには綺麗なお嫁さんが映っていました。 あ、試着はできるのかも。この人は六着くらい試着して選んだらしいですわね。 でも試着しに行ったら絶対勘違いされてしまう。マスターなんか調子に乗って話を合わせたりして……。 『綺麗な奥さんですね』 『ありがとうございます。自分にしてやれることなんてあまりないので…...
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髪飾り
「鶏冠石ってその髪飾りずっと着けてるよな」 突然マスターに指摘された。そういえば……いつの間にかそれが当たり前のようになっていた。 「たまに大事そうに撫でたりしてるもんな。大切な物なんだろ?」 ……意外。マスターは思いの外しっかりと私のことを見ているらしい。 「まぁ、確かに大切な物ですわ。古い知人にもらいましたの。これは私に似合う、と」 私はマスターに以前のマスターの話をするのは嫌いだった。だからつい、知人と言ってしまった。 「その知人さん、センスいい。スゴく似合ってるもん」 何を、と思いながら髪飾りを外してみる。いつ以来だったか……ほとんど我が身と一体となっていた気がして、髪を下ろすのが妙に懐かしかった。 髪飾りはだいぶ痛んでいる。それでも美しく輝いている。こうして外してみると、髪飾りは昔とずいぶん違うように思えた。それだけの時間を私と共に...
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冬でもメラメラと燃えるもの
月「あっ、雪だ!」 主「へ? わ、ホントだ。もう三月なのに」 ア「このあたりでは何も珍しいことじゃないさ」 月「ねね、雪合戦しよ!」 主「あっ、いいね。楽しそう」 ア「私は遠慮させてもら――」 ホ「あっ、私も参加していいですか?」 ア「ホープ!?」 月「もっちろん。じゃあレッツゴー!」 ア「……」 月「遠慮するんじゃなかったのー?」 ア「ホープが万が一怪我でもしたら大変だろう」 月「大丈夫でしょ。まぁとにかく参加するからには手加減しないからね。えいっ!」 ア「おっと。そう簡単には当たらないよ」 ホ「それっ」 主「わぷっ。やりましたねー」 ホ「きゃっ。うー、お返しです!」 主「おっと」 月&ア「……」 ドドドドドドド! 主「わっ、何この雪玉の嵐!? ちょ、ちょっとタンうぶっ!?」 月「うるさーいっ!」 ア「ふふふふふ……」 ホ「あ、あの二...
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ソーダの瞳に映る世界
「ふぁあああぁ……うわ、もうこんな時間か……おはよう黒曜石、悪いけど濃いめのコーヒー入れてくれ……」 多忙による連日の徹夜に別れを告げ、泥のように眠った次の日。12時を回ってようやく起きた私は、リビングに出て黒曜石に声をかけた。 「おはよぉますたー! 黒曜石はお出かけしちゃったよ!」 「お姉ちゃん、晩ご飯のお買い物に行くって言ってた」 「……ん」 だがそこにいたのは、テーブルで行儀よくお絵描きにいそしむ天河石、ソーダ、雲母。口々に――雲母はうなずいただけだが――黒曜石の不在を教えてくれる。 「あ~おはようみんな。そうか、黒曜石はいないのか……」 黒曜石は毎日夕飯の買い物に行く。自分で煎れたコーヒーはまずいので飲みたくないのだが、こんな時間まで寝てた自分が悪いので仕方がない。 「ようやく仕事も片づいたし、今日はゆっくりできそうだな」 一人つぶやき、ぎこちない...
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電気石発電所
電気石は時々充電する。 電「んぅーっ」 そう、今こうして三輪車を真っ赤な顔で漕いでいる状態が、充電モードだ。なんだか漕ぐために電気使っていそうで元も子もないように見えるが。 主「もっと楽な方法で充電できないの? ただでさえ運動苦手なんだから」 電「でも……これでないと、マスターに迷惑……かかる」 迷惑……あぁ、コンセントから充電すると電気代かさむんだな。 主「別に少しぐらいだったらいいのに」 電「……少し、じゃない」 主「……そうだよね。電気石雷落したりするもんね」 雷を落すのに必要な充電量ってどれぐらいなんだろうか。 というかそんな膨大な電力を毎日30分の三輪車充電で賄うのか……すごい三輪車だ。 主「じゃあ、電気石がいれば停電しても大丈夫だね」 電「うん……任せて」 少し照れた様子で笑顔を向けてくれる電気石。しか...
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Piacevole
「置石」 「うん?」 他愛のない会話を始めるときの、いつもの言葉。ときどきとんでもないこと言い出すけど。まぁ、そこは虎眼だし、ねぇ。 だけど、今日は特別な日。なにか特別なことがあるかもしれないとこっそり心躍らせるのは、乙女としてとーぜん、かな。 「ちょっと行きたいところがあるんだけど」 「行きたいところ?」 「うん。ちょっと厚着してきて。今日、寒いから」 「ん。おっけー」 虎眼は先に行っちゃった。行きたいところかぁ、黒曜石のとこいくにはまだかなり時間があるし。車で行くのかな? でも、厚着って言ってたから……。 よし、こないだ虎眼に仕立てて貰ったダウンジャケットでも着ていこうかな。 「おまた~」 「……お下品」 「……そすか。で、どこいくのよ」 「うん。ちょっと森のむこうにいい場所見つけたから」 そう言って自転車の荷台を軽く叩く虎眼……自転車!...
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試金石百合日記6
毎度毎度飽きもせず、珊瑚の家(正確にはそのマスターの家だが)に通い妻をしている私だ。 毎回毎回、私と珊瑚の仲を裂こうと邪魔をされる。が、大体は突破してきている。 そして今日もドアを開けるなり仁王立ちしている人物が一人。これはこれは、お義父さん。ご機嫌いかが? 「誰がお前のお義父さんか…。」 「心を読んではいけない。」 さぁて、今日は如何なる手段で突破しようか。 「積年の恨み、覚悟。」 視点が天井へと移った。わかりやすくいうなれば、押し倒された。 「…何が積年の恨みか。ほら、さっさとどいて。私は珊瑚に会いに…。」 続きが言えない。形相がものすごい事になっている。 普段から強面の人だったが、さらにここまで怖い顔になれるとは。いやはや、表彰ものだ。 …いや、そんな事より、何故に私が押し倒されているのだろうか。 魔法で弾くなりなんなりは可能だが、口が塞がっている。ハンカチだ...
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誰かを待つ時は
お荷物を入れるポシェット。 充電は……オッケー? 「お姉様、一人で大丈夫?」 「……だいじょうぶ」 「大丈夫でしょう。それほど深い森ではありませんから……ただ月長石の誘いで、更に行く先がアメジストの住む屋敷とは……ろくな事になりませんね」 いたずらお姉さん……ホントは、優しいよ? アメジスト姉様も、優しい。 「ん……いってきます」 「あ、いってらっしゃい。お姉様、気をつけてね」 落ち葉がいっぱい。 骨みたいな木が、いっぱい。とっても明るい森……怖くない。 待ち合わせは、森の入り口。でも、誰もいない。 ……風が、びゅーと吹く。マスター、寒くないかな。 うー……髪の毛、ぼさぼさー。 「あの、直すの手伝いましょうか?」 知らない人の、声。お姉さん。 ぶわーってなった、青い髪。ドレスも、きれい。だけど……知らない人について行っちゃ、めー。 ...
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小説-虎眼石メイン
アッガイ……? 7スレ目「黒曜石と雲母がガンマ線透過写真撮影作業主任者免許もってたって」より パイナップルは 17スレ目「黒曜石とか雲母が夏休みの宿題に追われてたって」より 変わった人 18スレ目「黒曜石とか雲母と一緒にお月見したくたって」より 二人の過去 21スレ目「黒曜石と雲母がお絵かき落書きしたって」より デコトラ野郎虎眼石 28スレ目「黒曜石とか雲母は幸せを望んでも」より 割り箸 29スレ目「黒曜石とアメジストと月長石が、「油断大敵」と言って」より 夕暮れの図書館 50スレ目「黒曜石とか雲母がハロウィンやるんだって Re act」より 虎眼石と虚しい空 「黒曜石とか宝石乙女たちの別荘(避難所)」より クリスマスツリーを彩ろう 55スレ目「黒曜石とか雲母が久しぶりに帰省しても」より いつもの風景...
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小説-ソーダ珪灰石メイン
償い 21スレ目「黒曜石と雲母がお絵かき落書きしたって」より VinMousseux 29スレ目「黒曜石とアメジストと月長石が、「油断大敵」と言って」より 落ち込みやすい人なので 47スレ目「黒曜石や雲母たちの最後の晩餐」より ママ? マスター? 「黒曜石とか宝石乙女たちの別荘(避難所)」より 今日の献立 55スレ目「黒曜石とか雲母が久しぶりに帰省しても」より 髪は女性の命らしい 55スレ目「黒曜石とか雲母が久しぶりに帰省しても」より お風呂二人前 58スレ目「蒼星石や翠星石がいるなら黒曜石が」より おめめを隠してだーれだ? ソーダマスター編 60スレ目「黒曜石とか天河石とか鶏冠石とか月長石が笑顔でも」より rainbow chaser 71スレ目「黒曜石とか宝石乙女がスパッツ穿いても」より いっぱい...
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ありがとうは、照れくさい
最近のレッドベリルの行動……何となく、察しはついていた。でも俺に見せる普段の態度を見て、どうしてもそれが現実味を帯びることはなくて。 だが、今ドアの隙間から漏れる光を見て、予想は確信に変わった。 「んぅ……あーもおっ、全然上手くいかない……」 ドアの向こう、物音と共に小声で文句を言うレッドベリル。 この向こうは居間。そして台所。居間の電気は暗いままだが、その奥から見える光。台所の電気が点いている。 「うぅ、全然ダメ……どーしてあんなに上手くできるのよぉ」 ……今、向こうでレッドベリルは料理の練習をしている。見えなくても、確信が持てる。 「えーっと……う、卵これしか残ってない」 俺と一緒だった。 徹夜で料理の練習をしたのも、ずいぶんと懐かしく感じる。毎晩包丁とフライパンを持ち替えて、眠い目をこすりながら卵を割って。眠気で頭がおかしい状態で包丁を握って、危ない目...
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次の日も三人で
周りは先ほどまでのにぎやかな雰囲気も落ち着き、皆自分の時間を過ごしている。 しかし俺は何でか知らんが、エプロン身につけてあちこちを……あぁくそ、あまり料理食ってない。 それもこれも、向こうで手伝いをしている珊瑚に巻き込まれたせい。ちっくしょーっ、あの女のマスターさんに話しかけたかった! いつの間にかいないし!! 「くそぉ、珊瑚の奴……人のことこき使いやがって」 何なんだろうな、最近。どうも珊瑚がいじめてくるような感覚を覚えてしまう。 だがまぁ、昔のどこか他人行儀なのよりはいいのかもしれないけど。 「マスタぁー、はいっ」 「ん、何だ……お、ケーキか。取っておいてくれたのかー」 「うんっ」 皿とフォークを受け取り、さっそく一口……んーっ、黒曜石ちゃん天才! 「黒曜石お姉ちゃんのケーキ、おいしいよねー」 「あぁ、美味いな。さすがだよ」 といって...
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今年契約した宝石乙女に
ガチャリ マ「む、帰ってきたか……おかえりんこー」 化「おー! マスタただいまん、こ……」 マ「化石、そこまで顔を赤くする前にもう少し考えて喋りなさい」 化「ぅ~~、マスタのあほぉ……」 マ「まぁそんなに怒りなさんな」 化「マスタのあほ! もうしゃべらないがな!!」 マ「ふむ(ちぃと、やりすぎたか)」 化「もう寝るもん!」 マ「晩飯、食わないのか?」 化「食わん!」 マ「んじゃ冷蔵庫に入れとくか、おやすみー」 化「おやすみ! ふん!!」 マ「……しゃべらないんじゃなかったのか?」 チュンチュン 化「ん~、マスタおはよー。朝ご飯はー?」 マ「はい、おはよう。今朝のおかずは漬物石さん家からもらったたくあんだ。それにしてもお前さん、もしかして忘れてる?」 化「もぐもぐぱりぽり……んへ? 何が?」 マ「ああ、うん、なんでもない……ぱりぽりもぐもぐ…...
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そのお金はどこから出した?
かれんだーというものをこうも凝視するなどということ、おそらく初めてでしょう。最近やっと読めるようになったこの数字、左から右に月日が進んでいるようですが……わたくしが気になっているのは24の数字。確か日曜日というところにある数字で、わたくしにとってとてつもなく重要な日。 ……くりすます、でしたか。その前祝いの日。 「……んー?」 わたくしの隣で、電気石が首をかしげる。今のわたくしよりくりすますについて詳しいこの子なら、よい相談役になるかもしれません。 「電気石、貴女はくりすますの贈り物はどうするのですか?」 「プレゼント……サンタさん、持ってくるよ♪」 ……この子らしいですね。 「殺生石ー、お姉様と何してるの?」 「蛋白石ですか。貴女はくりすますの贈り物、用意しているのですか?」 「え? ちゃーんと、ご主人様に渡すプレゼントは用意してあるよ」 迂闊。ま...
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まるで新婚さんな家に秋が来る
休日の夜、二人でソファーに座りテレビで紅葉を見る。 「寒くなってきたと思ったら、秋が深まってきたのですねぇ」 温かいカップを抱えて彼女が紅葉に見入る。 そういえば、ウチの近所も そろそろ色着いてきているなぁ。 「次の休みには紅葉の並木道でも散歩しようか」 最近は 二人で寄り添って歩くことにも照れずに出来るようになった。 それだけ、彼女と一緒にいる時間が多いということだろうな。 「秋っていいですねぇ」 うっとりと呟く彼女に問いかけてみる 「秋といえば?」 「芸術の秋ですね」 彼女の姉妹が集まって織り成す演奏は素晴らしいの一言につきるものだった。 「食慾の秋もいいですね」 美味しい食材が揃う季節だものなぁ。彼女も料理の時から楽しそうにしているし。 毎日の食卓は実に素晴らく、僕も食事がなによりも楽しみになっている。 「読書の秋と...
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大切なものを守れるように
ガッ!! 重い音がして、斧が飛んだ。それで勝負は決まった。 「珊瑚、まだまだ甘いわね」 ふわりとした微笑みはそのままに、淡緑色の髪をなびかせてその人は言った。 「くっ……さすが、師匠……!」 押し出すように、そう言うのが精一杯だった。 優しい手の感触で目が醒めた。 「大丈夫?」 優しい声。師匠の、ペリドット。 「――っ!」 って、膝枕! 「こら。暴れちゃ、めーよ。頭を打ってるみたいだし」 起き上がろうとした頭を押さえられて、子供のようにぽんぽんとなだめられた。優しい動きなのに微動だにできないってどんな力なんだ……。 「……無様なところをお見せしました」 恥ずかしさに消え入りそうになってつぶやいた。 「そんな台詞は一人前になってからお言いなさい」 くすくすと笑って頭を撫でられる。 「今は鍛錬なさい。いつか、あなた...
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朱色のアレ
友人から蛸を譲り受けた。 何でも 『運良く見つけたからお裾分けだ』 とか何とか……。 旨いから良いけどさ。 早速料理してやろう。 「……。 なんですか、それは」 「え、蛸だけど」 ホープが少し離れたところからおずおずと聞いてきた。 声色から察するに興味があるというよりは、警戒してるような雰囲気だ。 苦手なのかな……。 ちょっとした悪戯心が芽生えて蛸をひょいとホープに向けて近づけてみる。 「ほい」 「ひゃっ!」 やっぱりか……。 悪い癖だ、もっと反応を見たくなってきた。 蛸を持ったまま一気にホープに近づく。 「きゃあああああ!」 金切り声を上げて、それこそ漫画のようにすっ飛んで逃げてしまった。 ちょっと罪悪感を感じてしまうな……。 にしても、よっぽど苦手なんだなぁ。 克服させておくのも悪くないか。 「おーい、ホープ」 皿を片手にホープを探す。 探すと...
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お兄様って呼んでくれ
夢を見たんだ、鶏冠石。 その夢の中では鶏冠石がまだ小さくて……あ、鶏冠石って昔身体弱かった? スゴい厚着してコンコン真っ白な咳してたからさ。俺の夢だからかな? まぁいいや。それでその鶏冠石がトコトコ俺の後をついてくるんだよ。ちょっと速く歩くともうついてこれなくて、『待ってっ、お兄様!』ってハンベソかいてた。 それで振り返って『大丈夫、ずっと一緒だ』って言ってあげたんだ。そのときの笑顔といったら、俺もう新しい扉開いちゃうところだったよ。 ん? 何が言いたいかって? 頼む鶏冠石! 俺をお兄様って呼んでみてくれないか!? マスターが唐突に夢のことを語り出しました。 なんでも夢の中の私は、いつもマスターの後を追いかけてくる、それはもう可愛らしい乙女だったとか。 「それで? いったいぜんたい何が言いたいのかわかりませんわ」 「頼...
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オブシディアンオパールなるものがあるらしい
「ご主人様、オブシディアンオパールっていう人工石があるの、知ってましたか?」 「え、知らないけど……というか唐突だね」 本当に唐突だった。蛋白石が笑いながら食べ物以外の話を始めるんだから。でもそれより唐突なのは……。 「で、なんで黒曜石ちゃんもいるの?」 「ど、どうも」 蛋白石と黒曜石、すごく珍しい組み合わせだと思う。 「まぁ、とりあえずいらっしゃい。今お茶用意するから待っててね」 「いえそんなっ、お構いなく」 「私も手伝いますよー」 「君はまな板以外弄っちゃダメ」 それ以外をやらせると台所が悲しいことになる……。 オブシディアンオパール。無理矢理日本語にすると黒曜蛋白石になるのかなぁ……なんかすごい名前だ。でも蛋白石と黒曜石ちゃんは別々だし……何がしたいんだろ? 「それで、えー……蛋白石、君は何をしたいの?」 「はいっ、何も考えてませんっ!...
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6月は美しい?
「マスタぁー、6月はお嫁さんになると幸せになれるんだよ」 そんな話を始めたのは、梅雨時の午後のことだった。 曇天の空は相変わらずの雨。窓に当たる水滴の音に眠気を誘われていた俺の意識は、 隣でお絵かきをしていた天の声で強制的に目覚めさせられた。 「ジューンブライダル……だっけか」 枕にしていた座布団から頭を上げ、天と向かい合う。 「うんっ。天河石もね、お嫁さんになるの6月がいいなぁ」 きっと、自分の花嫁姿でも想像している……そんな笑顔を浮かべる。 「でも、日本の6月なんて雨ばかりだぞ」 現に今日も、こうして雨模様の空。 6月に入ってから、青空なんて一度も拝んでいなかった。 毎日外出しては靴が濡れるし、湿気も鬱陶しい。元々海外の風習ではあるが、 日本で6月の結婚なんて、あまり良いものとは思えない。 「ううん、天河石はそんなことな...
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忘れるな
ドンと下腹部に衝撃が走った。 「パパぁ……パパぁぁ……」 「どうしたんだい? ソーダ? 何かあったのかい?」 ソーダだ。彼女は泣いていた。 「……んぐっ……あのね……ソーダね、パパのオヨメサンになりたいの」 「うん……それで? 何が悲しいんだい?」 「……アメジストさんがね……それはムリだって……オヨメサンにはなれないって……」 「……」 「……パパ……そんなことないよね? ……パパ?」 ボクの口から言葉は出ることもなく、手は彼女の頭をなでるだけだった。 「マスター? こんな時間にお出かけですか?」 「あぁ」 「……お気をつけて……」 「黒曜石、ソーダを頼むよ」 そう言い残して、ボクは家を出た。 屋敷からしばらく歩いたところにある湖畔。三日月が揺らめく水面のかたわらに、ボクは彼女を見つけた。 「やぁ、奇遇だね。君も夜の散歩かい...
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こわくないもん
「で、振り向いたところには……包丁を持った血濡れのマネキンがっ!」 小声から大声に変わる、置石の一声。 それにより、俺の家は彼女を中心にして輪になっていたちびっ子の悲鳴に包まれた。 「にゃあーっ!」 「うわっ、ちょ、天河石ちゃん! そこ抱きついちゃ駄目……ぐえっ、そ、ソーダちゃっ、首がっ」 天河石ちゃんとソーダちゃんは俺にしがみついてくるわ、普段はクールフェイスの 雲母ちゃんは荒巻を絞め殺しそうな勢いだし……電気石ちゃんは何かよく分かっていない感じだが。 「あっはははー、お子様にはちょっと怖かったぁ?」 「くっ……はぁ、やりすぎだっつーの」 ソーダちゃんの腕を何とか離し、置石を睨みつける。 唐突にやってきて怖い話を披露とか、こいつの考えることは時々よく分からない。 「ところで、びびりのレッドベリルはぁ?」 と、一人輪に入らず、テレ...
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オルゴール
ふと、古い小箱を開けてみる。遠い昔に大切だったあの人の思い出。螺子を巻けば、今でも懐かしいメロディーを奏でてくれる。 いつのことだったか……招かれたお屋敷の一室に彼はいた。病弱だった彼。部屋の中と、ベッドから見える窓の景色だけが全てだった。 外に出ることができず、同世代の若者のように踊ることもなく……歌うこともなく……毎日を部屋の中で、ベッドの上で過ごす生活。 孤独に生きる彼の慰めに、話し相手になればと、私が招かれたのだった。残された時間はわずかだときいていた……。 少し殺風景だった窓の景色を、季節の移ろいがわかるように、また彩りのあるものにしようと、庭園から樹や花を持ち込んだ。 少しでもいい眺めを見せてあげようと手入れに勤しんだ。部屋も色とりどりの花で飾った。 日の光を浴びることが出来ない代わりに月明かりを楽しめるように枝を払った。 ...
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姉らしさ?
それは夜もずいぶんとふけたころ……うぅ、眠いわぁ。 「って、虎目石?」 テーブルに突っ伏した状態の虎目石。まぁ様子から見て居眠りだろうなぁ。で、何でこんなところで寝てるんだか。もしかして本でも読んで……。 「……何これ」 思わず声に出してしまうほどの謎の物体、そして糊がテーブルに置かれている。その謎の物体、どうも爪楊枝でできているようだけど……なんだろう、箱? でもなんか変な形のフタだし、箱自体も形が変だし。じっくり見てみても何がなんだかさっぱり。相変わらずやることなすことよく分からない……。 「はぁ……虎目石ー、起きなさいよ」 「んぅ……ワカメ」 「寝ぼけるなー。ったく、起きなさいって」 「昆布……岩海苔……しょうちくばーい」 どんな夢見てるんだか……しかし、一度眠るとなかなか目を覚まさないのよねぇ、昔から。まぁ、あたしたちが変なところで寝たって風邪引く...
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試金石とバイオハザード
「……グロい」 「ホラーだめなのにバイオハザードなんか見るもんじゃないぞ、主人」 「いやわかってるんだけどさ……好奇心には勝てない」 主人はこの前もゲームの方のバイオハザードを購入して序盤で放置していた。 辛い物がダメな人にかぎって何故か辛いものを注文したがる心理と似ている。 そういう人達はどういうわけか「次こそは大丈夫かもしれない」と思うのだ。 そこから考えてみれば主人は「次は怖くないかもしれない」で思い切り自爆している。 「もしも此処でT-ウイルスが蔓延したらどうする?」 「瞬間移動の魔法をフルに使う」 何を当然の事を言っているんだ。逃げるのが最優先だろうに。 だというのに主人はつまらなさそうな顔をする。それじゃあ面白くないとでも言いたげだ。 「他の人達は?」 「主人救出の後仲間である乙女たちを。その次に市民だ」 「そこで乙女の半数を...
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乙女たちの肝試し
鶏冠石編 深夜一時半――俺たちはここに集められた。 「は~い! 第一回宝石乙女肝試し選手権を始めま~す!!」 置石ちゃんの元気な声に眠気も吹っ飛ぶ。ていうかどこだこの山ん中は。 「この山の奥の寺に潜むおばけをやっつけた人の勝ちです!」 「前提からおばけを倒すなんて……メチャクチャですわ」 呆れ顔の鶏冠石はとてもやりたくなさそうな顔をしていた。 「はは、置石ちゃんらしいじゃん。珊瑚さんも気合い入りまくりだし」 ここに宝石乙女一同とそのマスターたちが集結した。しかし始まるのはただの肝試しである。 「要するに寺にある何かを持ってくればいいんだろ? 楽勝だよ」 「そ、そうですわね」 こうして、第一回宝石乙女肝試し選手権は始まった。 「それじゃ鶏冠石チームスタートー! オバケに食べられないでくださいね」 にこやかにスタートを告げられた。先行集団の悲...
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だってせくしぃなんだもん
「た、蛋白石っ」 「ご主人様……なんだか……顔、怖いですよ?」 「そ、そ……そんなことはぁ…………蛋白石ぃーっ」 「きゃーっ!」 「うわあぁぁっ!」 なんだなんだなんだぁ!? ……って、夢か。ふぅ……。 新年早々僕はなんて夢見てるんだか。というか初夢かぁ……。 でもそれが、その……蛋白石を襲う夢っていうのは、どうなんだろう。 そりゃまぁ、蛋白石とはそういうことしたいって思うし……うぅ。 「ご、ご主人様っ、大丈夫ですか!?」 と、今一番顔を合わせたくない相手がさっそく来てしまう。あー、大声出さなきゃよかった。 「すごい声でしたよ。もしかして悪い夢でも見ちゃいましたか?」 「う、うん、ちょっとね……は、ははは」 「? どうしてこっち向いてくれないんですか?」 「……ほ、ほっぺたに枕の跡がついてるんだよっ」 蛋白石の顔、まともに見...
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仕事帰りの貴方へ
仕事帰りの貴方へ 47スレ目「黒曜石や雲母たちの最後の晩餐」より 夕食時、こうして家の玄関をくぐるとき、一日の終わりを一番強く感じる。 「ただいまー。ふぅ……」 「おかえりなさい。すぐにご飯用意しますね」 家に帰れば、こうして待っていてくれる小さな家族。まだまだ若い俺には、至れり尽くせりで贅沢すぎるかもしれない。でも、誰にも渡したくないよなぁ……。 「今日もまずはビールですか?」 「もちろん。これがあるから生きていける……って、なんかオッサンみたいだな」 「いいじゃないですか。ささやかな幸せがあることは、とても贅沢だと思いますよ」 ささやかな幸せかぁ。 「マスター、おつまみは何がいいですか?」 仕事帰ってきて、飯食って、風呂入って……。 「マスター?」 そんな中でのささやかな幸せ……あぁ、いいなぁ。 「マスターっ」 「ん、何?」 「...
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居場所
この世に生きるものそれぞれには、居場所というものが用意されている。 だんな様にはだんな様の居るべき場所、わたくしには、わたくしの居るべき場所。 ……わたくしの居場所は、命の消えた場所。そのはずだったのに……。 「んにゅぅ……ごはんにぃ……なっとぉ……」 今、わたくしが義務付けられた居場所はここ。窓際の、光がよく差し込む暖かな場所。 しかし今は、蛋白石が勝手にわたくしの膝を枕にして昼寝中。許可した覚えはないのですが。 まぁ、だんな様はまだ帰ってこないし、暇なのはよく分かりますが。 「みそしるぅ……のりぃ……たまごぉ……」 それにしても、春になってずいぶんと日差しが強くなった気がする。 冬の間もずっとここにいたから、尚更そう感じる。 ……もう、1年近くもここにいる。 小さくも、緑のある庭。ここではいつも、生の営...
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おめめを隠してだーれだ? 蛋白石マスター編
ときどき、無性に子供っぽいことをしたくなることがある。 まだまだ僕が子供なのか、うちに子供がいるからなのか、理由は分からない。 でもこうして後ろ姿を見ていると、無性にやりたくなることが一つある。 「だーれだ?」 「あ、ご主人様ですねー。手だけでも分かりますよぉ」 誰もが一回はやったことがあるだろう、相手の背後から目隠ししてやるアレだ。 「もう、ご主人様ったら子供みたいですね」 と、さっそく蛋白石に言われてしまうけど、言ってる本人もどこか嬉しそうだ。 嫌がられるよりははるかにいいかな、子供っぽいって言われるのは。 ……ただ、その様子を見ていた殺生石の視線がとっても痛い。 ただのスキンシップなんだから、そんな顔しなくても……。 「……マスター」 電気石が僕に呼びかける。 声の方を振り返ってみると、電気石の背中がこちらに向けられて...
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気になるものは仕方ない
今日は虎目石ちゃんと置石ちゃんがうちの風呂を借りに来た。なんでも自宅の風呂が壊れたとか。でも不思議だよね。殺生石は分かるけど、蛋白石は人形なのに風呂入るんだもん。ちなみに電気石は漏電するからという理由で入らない。 主「夕食も食べていく?」 虎「もらえる物は何でももらう」 置「用意めんどくさいから食べていくー」 なんか二人らしい反応だなぁ。 主「そっか。じゃあ準備しておくから、ごゆっくり」 置「ありがとー」 虎「どうも。じゃあ今日は私が先」 殺「遠慮を知らない方々ですね……」 台所で5人分の夕食を用意する僕。いつもより量が多いと作り甲斐があるなぁ。 置「順調ー?」 主「ん、ぼちぼちね……ねぇ、どうして宝石乙女って風呂入るの?」 置「何、入っちゃダメと?」 置石ちゃんがこちらを睨む。聞き方がまずかったかな。 主「あぁごめん、全然かまわないよ。ただ人間...
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羨ましくないもんっ
茹だる暑さに少しでも対抗しようと、ホースを使って道路に水を撒いてやる。 ちなみにレッドベリルは隣でバケツと柄杓を使っている。 「あっ、レッドベリルちゃん。それに【レッドベリルのマスター】さんも」 唐突に名前を呼ばれる。 声をかけられた方へ振り返ると、蛋白石ちゃんがこちらに歩いてきていた。 あの子とはあまり面識はないが、前に働き先の店にマスターさんと一緒に来てたっけ。 レッドベリルの隣に、蛋白石ちゃんが立つ。 「こんにちはー」 「あぁ、こんにちは」 しかしいつもニコニコしてるなぁ、ホント。 それに比べて……。 「ん……」 挨拶も無しにそっぽを向いてしまうレッドベリル。 こっちは愛想が足りないなぁ……って、いつもなら挨拶ぐらいはすると思うんだが。 レッドベリルの反応に、蛋白石ちゃんも少し困った表情を浮かべる。 「水撒きですかー?」 「ああ、...
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試金石の連絡方法
またか、と言われるかもしれないが。暇である。それはもうとてつもなく。 主人は今でかけているようなので家にはいない。そこで、だ。 三つ程主人との連絡方法を思いついたのでどれが面白いか模索することにする。 連絡方法その1携帯電話。 まぁオーソドックスだ。メールなりなんなりで面白い事にできるかもしれない。 連絡方法その2伝書鳩。 主人の驚く顔が目に浮かぶ。今時伝書鳩なんか見かけないものな。 連絡方法その3テレパシー。 ……なんか、普通すぎてつまらないな。 さて。この三つの内どれを使ったら面白い事になるだろうか。 とりあえずシュミレーションしてみよう。 パターン1携帯電話(メール)の場合 「ん……メール?」 『差出人:試金石 件名:こんな時間まで 本文:一体何をしているんだ。暇で死ぬぞ。殺す気か。 この鬼畜王。ドS。人でな...
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耳に痛い話
「ただいまーっ」 玄関から響く元気な声。寒々しい我が家にはもったいないぐらいの明るさだ。その直後、六畳一間のボロアパートにうちの居候がやってくる。 「おかえり。なんかやたらとご機嫌だな」 この子の名前は化石。アンモナイトの髪飾りと丸眼鏡がトレードマークの女の子。名前は変だが、実は宝石乙女という人形らしい。 乙女というと、いいとこの娘さんみたいなイメージが強い。しかしうちは貧乏だ。本職の稼ぎが悪いので内職を二つほど掛け持ちしているような男の元に、何でこの子は来たんだろうか……謎だ。 「マスタっ、今日鶏冠石のとこに遊びに行ったねんっ」 ……このよく分からん関西弁、乙女っぽくないよなぁ。で、鶏冠石というのは、うちとは全く正反対のお金持ちの家にいる宝石乙女だ。 「へぇ。確か南の方にあるどでかい屋敷だろ?」 「そやそや、ものごっついお屋敷っ」 「ものごっついって……...
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ご飯で満ちない心とか
「主様、みかんを一つ取って頂けませんか?」 「マスター……似顔絵」 こたつを出して以来、居間はいつもよりにぎやかだ。夕食後はこうしてみんなで集まって、テレビを見たりのんびりしたり。なんというか、心地いい。 「はい、殺生石」 「ありがとうございます……本当、やみつきになってしまう味ですね」 「マスター」 「うん、えーっと……前より上手になったね」 「……うん」 でも、こたつの中でこの二人にくっつかれるのはさすがに暑い。僕がどこかへ移動しても何かあるごとにくっついてくるからなぁ。 ……あれ、そういえば……。 「主様、お口を開けてください」 「え、うん……ん、美味しい」 「主様の実家は美味しい物ばかりですね。いつか行ってみたいものです」 「私も……いく」 「あー、お金ないから無理だよ。今年は実家に帰れそうにない」 「んー……マラソン?」 「絶対無理だよ...
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小説-殺生石メイン
夜伽の相手 17スレ目「黒曜石とか雲母が夏休みの宿題に追われてたって」より 主様と殺生石の日常 17スレ目「黒曜石とか雲母が夏休みの宿題に追われてたって」より 四季 17スレ目「黒曜石とか雲母が夏休みの宿題に追われてたって」より おしどり夫婦? 否、バカップル 21スレ目「黒曜石と雲母がお絵かき落書きしたって」より 縁談と嫉妬 22スレ目「黒曜石や雲母や虎眼石とカラオケに行ったって」より ひとりきりの子狐 23スレ目「黒曜石や雲母や虎眼石とカラオケに行ったって」より マスターのストライクゾーン 27スレ目「黒曜石と雲母が、次にスレが落ちたら」より 椛の頃 27スレ目「黒曜石と雲母が、次にスレが落ちたら」より 花 『十月桜』 42スレ目「【黒曜石と】鉱石を擬人化して萌えるスレ【冬支度】」より 鶴の恩返し...
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ストレス社会を生きる
たった一つのきっかけが、人生に大きな影響を与える事がある。 俺も、そんなたった一つのきっかけから、人生に大きな影響を受けてしまった。本当に些細な事だ。 納得行かない……そんな些細な事で、俺はこの先ストレス地獄を耐え抜かなければならないなんて。 「希望の朝だーっ。という訳で、起きなさいよー」 ……今日は休日。俺は夜勤明け。希望の朝より安らかな眠りを……。 レッドベリル。 宝石の名前らしいが、あいにく宝石と無縁の俺は全然全くどんな宝石かさっぱりだ。 で、俺の目の前にいるのは宝石ではなく、全身赤ずくめの女の子。彼女の名前がレッドベリル。ちなみに職業は宝石乙女。なんのこっちゃ? 「昨日の残り。手抜き。栄養が偏りがち」 「やかましい。いらないなら食うな」 「別にいらないなんて言ってないでしょ」 宝石乙女というのは、現行で20以上あるという生...
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レディース『真爆』
真「こら、月長石、置石! またこんなイタズラして、誰かが怪我したらどうするつもり!」 爆「うわー、これはちょっとシャレになんないでしょ。イタズラもいいけど、やるならもうちょっと可愛げのあるのにしなさいよ」 月「はいはい。あーあ、また誰かが引っかかる前に見つかっちゃったか。つまんないの」 置「ほんとほんと。ぎりぎりヤバイことになる手前の威力で仕掛けてるのが分かんないんだもんねえ。いこいこ」 真「ちょっと、まだ話は終わってないわよ! ……まったく、最近二人のイタズラも度を超してきたわねえ」 爆「私たちの言うこともちっとも聞かないし。ペリドットは怖がられてるみたいだから、一度お灸を据えてもらおうか?」 ア「お困りのようですね、姉様がた。ここは私にお任せいただけませんか?」 真「あら、アメジスト。それはかまわないけど、どうするつもり?」 爆「あんまりひどいことしちゃ駄目よ?」 ア...
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忘れちゃった? 雲母
黒「マスター!」 マ「どうしたんだい、黒曜石。そんなに大声をあげて……」 黒「雲母ちゃんが、雲母ちゃんが……」 そこにはいつもの雲母はいなかった。 おびえたように物影に隠れ、知らない人を見るかのようにこちらを伺う、小さな子供がいた。 マ「きらら……」 びくっ! 雲母は声におびえて目を閉じ、震えている。 黒「私たちのことも、忘れてしまっているようです……」 黒曜石の声が、悲しげに震えている。 金「うんも、うんもうんも。どうしちゃったのよ」 金剛石が、隠れた猫を捕まえるような勢いで話しかけている。 金「うんもー! ……はあ、だめか。いつもなら『う』のあたりでノコギリ構えられるのに」 雲「……?」 珊「雲母殿、某のことも忘れてしまわれたか」 雲「……?」 珊「共に荒巻を狩った思い出も……ああ、あのときは楽しかった...
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桜の花が咲くほどに
早い地方では桜の便りが聞こえてきた季節。僕の自宅近辺はまだ蕾がふくらんでいるところだったりする。 当然、自宅の庭の桜の樹も開花はまだ先の話だ。 それでも、ペリドットは毎日のように桜の樹の前に立ち、日毎にふくらむ蕾に春の訪れを感じているようだ。 「見張りですか? お姉さま」 「あら、誰かと思ったらマスターですか。ふふっ。見張ってなんかいませんよ」 「でも、毎日見てるよね。そんなに眺めていると、桜の樹も見張られているように感じてたりして」 「この桜さんとは長いつき合いですから。今年も綺麗に咲いてくれるようですよ」 「分かるんだ」 「ええ。お話してましたから」 「へぇぇ」 草木と馴染みの深い彼女の言葉だ。気持ちが通じるのだろう、と、このときは思っていた。 あまり気にしなかった僕は言葉を続ける。 「世の中にたえてさくらのなかりせば 春の心はのどけからまし...
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お金はないけど幸せです
「化石っ、今日は俺休みだ!!」 「おぉーっ、はなまるやマスタっ!!!」 ……はなまる? まぁいいや。とにかく、テンション高く休みが始まったわけで。 「じゃあマスタ、今日はうちと遊んでやー」 「おうっ、鬼ごっこからファミスタまで何でも来い」 「うちゲーム苦手や。せやから外行こ、外」 ちなみにうちにあるゲームは初代ファミコンとスーファミだけ。 「めっちゃ冬やなぁー。顔凍りそうやねん」 化石の言う通り、今日はやたらと寒い。 「寒波到来、西高東低やなー」 「お、難しい言葉知ってるんだな」 「天気予報の受け売りや。天気を把握しとかんと、いろいろと不便なんよ」 「なるほど」 空を見上げる。 冷たくも澄んだ空気のおかげで、いい青色に見える。天気は良好だ。 「天気いいのに寒いのはなぁ」 「なら手ぇ繋ぐとあったかいねんっ」 その言葉と同時...
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クーベルチュールとかの話
2月ももうすぐ3周目にさしかかろうとした頃のこと……。 「ねぇマスター、手作り用のチョコレートって何買えばいいの?」 そんなことをレッドベリルが聞いてくるものだから、俺は思わずこう答えてしまったんだ。 「手作り用ー? そんなでかいの食べきれるのかよ?」 「……食べる訳ないでしょー!」 まぁ、何だ。 バレンタインデーという存在を、俺はすっかりと忘れていた。 だから思わずそんな言葉が出てしまった訳で……うちの店、バレンタインで何かやることもないからなぁ。 「悪かったって。だから機嫌直せよ」 「反省してるように見えないもん……」 俺の向かいで、テーブルにふくれっ面を載せたレッドベリル。 もちろん、怒らせたことに反省はしている。だがチョコレート作るとか言い出すなんて思ってもいなかったし。 「あー、ちゃんと作り方教えるからさ。それで...
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