宝石乙女まとめwiki内検索 / 「漬け物以外も作れます」で検索した結果

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  • 漬け物以外も作れます
    「んしょ、んしょ」 「何してるの?」 「アイスクリームを作ってるんですよ」 「へぇー、アイスってこうやって作るんだ」 「一定時間置きに混ぜないと氷みたいにカチカチになっちゃうんですよ」 「そうなんだ。アイスを作るのも大変なんだね」 「でも、自分で作るのはとっても楽しいんです」 「それにしても、ウチで食べるにはちょっと多くない?」 「化石ちゃんのところと鶏ちゃんのところにもお裾分けを、と思いまして」 「そりゃいい考えだね。特に化石ちゃんのところには」
  • 小説-漬物石メイン
    ...ても」より 漬け物以外も作れます 87スレ目「黒曜石とか雲母が誕生日をお祝いしても」より 梅酒 91スレ目「黒曜石とか雲母とかが花火でリアル弾幕に興じても」より 漬物石といえば 93スレ目「黒曜石とか雲母とか金剛石が秋の気配感じても」より 雪国にはよくあること 109スレ目「黒曜石や雲母たちが新年の準備に追われたって」より 雪は時々積もるのがいい 115スレ目 「雲母や黒曜石がチョコレートを買いに行ったんだって」より
  • 漬物石といえば
    「キュウリの浅漬け……私が漬けたの」  PCモニタ相手に持ち込みの仕事をしていたときに差し出される浅漬け。  振り返ってみると、どこか照れくさそうな漬物石の顔。 「さ、最近、言ってませんでしたよね、この台詞……えへへ」 「あー、そういえば……」  ――私が漬けたの。  このフレーズを初めて聞いたのは、俺が漬物石と出会ったその日だった。  まだ慣れていない俺を和ませようと差し出してきたのはたくあん。  そしてあの一言だ。 『たくあん……私が漬けたの』  あのときの言葉。緊張していた俺の肩から、力を抜いてくれたのがこの一言だった。  あぁ、確かにこの子は漬物石だと、何故かおかしくて笑ってしまった。 「仕事じゃなければ晩酌でもするんだけどなぁ」 「駄目ですよ。お仕事をおろそかにしちゃ。代わりにお茶を持ってきますね」 「分かってるって。とりあえず頼む」  あれから一年...
  • 活動休止モード
    化「……」 漬「こんにちわー」 化「……」 漬「誰もいないんですかー?」 化「……」 漬「お邪魔しますねー」 化「……」 漬「鍵もかけずに不用心……あ」 化「……」 漬「化石ちゃん、いるんなら返事してくださいよっ」 化「……」 漬「……化石ちゃん?」 化「……え? あ、漬ちゃん。ようきてくれなったー」 漬「どうして返事してくれなかったんですかっ?」 化「あぁ、ごめんな、最近稼ぎがアレやったから……」 漬「から?」 化「省エネのため活動休止モードに入ってましたん」 漬「……漬け物いっぱいあるからね。どんどん食べてね」 化「毎度毎度すまんなー! おおきに!」
  • ご飯とおかずと味噌汁と
      どうも、たくあんばかりで栄養失調気味の人です。いや、たくあんだけじゃなくいろんな漬物を作ってもらっているのですが……あぁ、その前に俺の同居人を紹介しないといけないね。 「マスター、手伝ってもらえますか?」 「あー、はいはい。今日は何漬けてるんですかね?」 「今日はいつものに加えてトマトをぬか漬けにしてみようと思いまして」   この子が同居人、名前は漬物石。変な名前だけど、着物姿でつり目がちの可愛い女の子だ。家庭的でとてもいい子だが、彼女は人間ではない。宝石乙女という人形らしい……漬物石って、宝石じゃないよね? 何故かダイヤモンドを漬物石代わりにしているイメージが浮かんだよ。   もちろんそんなことはない。彼女は普通の木の樽と普通の漬物石を使って作る、昔ながらっていうのかな、そういうタイプの子だ。でも力はあまりない。だからこうして漬物石を乗せるのは俺の役割。 「と、トマトねぇ...
  • 冬の日、友来る有り、また楽しからずや
    「殺生石さま。ごきげんよう」 「ようこそ、漬物石さん」   休日の午後。殺生石のもとには時折客人が訪れる。 「今日はいい豆が入りましたので、餡を炊いてきました。そばがきと一緒にいただこうかと」 「まあ。漬物石さんは何でも作れるようになってきましたね」   はにかんだように土産を差し出す漬物石を、殺生石が迎え入れる。その先は、和室に手を加えた即席の茶室。 「おくつろぎください。略式でよろしいですか?」   湯気を立てる茶釜から、茶碗に湯をひとすくい。茶筅がふわりと空気を含ませ、淡緑色の茶を点てる。 「頂戴します」   静寂。 「ふふふ」   どちらからともなく笑いあう。 「たまにはこうしてゆったりと過ごすのもよいものです。長い時を過ごしてきましたが、心安らぐ時は少なかったものですから……まあ、おいしい」   遠くを見るような眼差しになった殺生石に、漬物石は思う。まだ...
  • みんなでピクニック
    タコさんウインナーなんてうまく作れません   お弁当作り中の黒曜石。今日はサンドイッチです。 「もうちょっと待ってくださいね。お弁当ができたら、みんなでピクニックにでかけましょう」   みんなでピクニックに行きましょう。
  • ぼくのなつやすみ~カキ氷~
     暑いなぁ。いくら夏とはいえ、こんなに暑くなることはないと思う。だけど、彼女の挑発するような薄着を見れるというのも悪くないものだ。  姉妹が集まり、かき氷を楽しむなんていうのも季節ならではのことだろうし。イチゴやメロンの甘いシロップに喜ぶ子供たちの姿は、いつの時代でも変わらない楽しい日常だ。 「ペリドットの艶姿に鼻の下を伸ばしているのかね?」  鉄鉱石といったかな、暑いというのに涼やかな顔色だ。それにしても、言ってくれる。 「子供たちのはしゃぐ姿に目を細めているようには見えませんかね」 「そうか。ふふ、そう怒った顔をするな。君とペリドットの仲のよさは姉妹が羨むほどのものだからね。悪いことではない。自慢の姉妹を大切にしてくれている君に感謝しているのだよ」  目の前に座った鉄鉱石の手には山盛りのカキ氷。でも、とても爽やかな香りのシロップだな。子供たちのものとは違うような……。 「...
  • ソーダちゃんの「ひとりより、ふたりなのっ」 その2
     時に、暖かい室内から外へ出るのも、頭の気分転換にはよいこと。  家にいることが多い身としては、こうして外の空気を吸うのは心地がよい。  とはいえ、今日は一段と寒い。普段は子供の姿も見られそうな公園も、長椅子に座るわたくし以外の姿はない。  冬もついに本番。人も外に出るのが億劫な時期になったようで。 「てーいっ」  ……尻尾に、抱きつかれる感触。衝撃は小さい。  先ほど、だんな様と手入れをしたばかりなのに。 「ふかふかぁ」 「……ソーダ、いきなり何を」  振り向けば、相変わらずの笑顔を浮かべるソーダの姿。  わたくしの尻尾に抱きつき、頬摺りをしている。毛並みはすっかり崩れてしまった。  いつも抱きつかないようにと言っているのに。まったく、どうして宝石乙女の子供達はこう……。 「ソーダっ、勝手に走っちゃ危な……あ、殺生石さん」  ソーダに送...
  • 気を引き締めて
     最近の某は、どうも情けない姿ばかり主にさらしている。  昔はそんなこともなかったのに。この時代で目覚めてから、どうも調子がおかしい。  一体何が、それほどまでに某の調子を狂わせるのだ……。  ……悩んでいても仕方がない、か。  ここはマスターの前でも甘い姿を見せないように、気を引き締めねば。  目の前にある水を張った桶を手に取り、頭から被る。 「……ふむ、これは涼しいな」  気を引き締めるつもりが、この暑さでどうにも効果が薄かったようだ……。           ◇  先ほどから家事に没頭している珊瑚。  天の相手をしていた俺だったが、何故かその動きが気になって仕方ない。 「なぁ天、何か珊瑚の動き鈍くないか?」 「えー? そんなこと無いと思うよぉ」 「そうかぁ? 何か硬いというか何というか」  もしかしてどこか調子でも悪いのか?  宝石乙女だって...
  • 雨の日はみんなで
      今日は雨が降っているので、てるてる坊主をつくりました   雲母もてるてる坊主つくってみました   天河石も作ってみました   雲母に頼まれました   真珠姐さんを吊してみました   晴れました   以前マスターにもらったてるてる坊主を、鶏冠石はまだ大切に持っています   明日は晴れますように
  • 別離
     今年もまた、桜の季節がやってくる。  差し込む日差しは暖かく、外は新緑の様相を見せ始め、わたくしの名前とは正反対の、 命に満ちた光景が広がる。  こんな日は、誰よりも大切なあの方と、ただ静かに寄り添っていたい。  日差しを目一杯浴びながら、うたた寝をするあの方の顔を、ただ眺めていたい。  ……でも、あなたはもう、わたくしの隣にはいませんね。  春の陽気は、確かに周りの空気を暖めてくれる。  だけど、わたくしの隣はとても寒い。体ではなく、心が凍えそうになってしまう。  あぁ、だんな様……どうしてあなたはここにいないのですか? 「殺生石ぃー、ご主人様明日帰ってくるんだよっ。あと少しだからがんばって……あっ、お姉様! そっちはほこりが溜まってるから駄目ぇー」  散らかり放題の部屋で、蛋白石が掃除機を持って歩き回る。  そしてわたくしは……右手には...
  • 飯は一人じゃつまらない
    「マスター、野菜炒めに油使いすぎですよ」   漬物石は最近、栄養やカロリーといったことにうるさい。何があったかは……まあ少しは見当がつくし、嫌ではないのだが、それが度を過ぎるとちょっと……。 「野菜は生の方が栄養をたくさん摂れますよ」 「そ、そうだね……でも俺は火を通したのが好きだから。あと漬物」 「え、そ、そうですか……えへへ」   とはいえ、相変わらず見た目は可愛らしいちっちゃな女の子なんだけどね。   その日、いろいろ立て込んでいた俺は完全徹夜コースを一直線で進んでいた。時刻は午前0時。俺は思う。人は何でこんな中途半端な時間に腹を空かすのだろうか。人間って眠らない生き物だったら1日4食になってるに違いない。   だが人はこういう時のためのうまい言葉を作ってある。夜食だ。ひとまず作業を中断し、台所へと向かう。   夜食といえばお茶漬け、永○園にはよくお世話になって...
  • 日常の風景
      ~朝~ 「おはようございます、マスター。今日もいいお天気ですよ」   耳元で優しく囁かれて僕は目覚める。まどろむ間もなく顔が火照る。照れ隠しに枕に顔を埋めると、彼女はさらに追い討ちをかける。唇が耳朶に触れるか触れないかの距離で、 「朝食が冷めてしまいます。温かいうちに召し上がってくださいね」   これ以上はダメだ。理性が持たない。 「はい、おはようペリドット。着替えてから行くよ。今日は緑茶がいいな」 「はい。用意しておきますね」   そう言って部屋から出て行ってくれる。黙っていると着替えまで手伝ってくれるからなぁ。生理現象を目の当たりにされるのはとても恥ずかしい。彼女もそのあたりは心得てくれている。さて……。 「ふわぁぁぁぁ。ん。いつもの時間ですね。さて、今朝のメニュウはどうしましょうか?」   朝早くに目を覚ます。マスターも猫たちもまだ夢の中。着替えなが...
  • オブシディアンオパールなるものがあるらしい
    「ご主人様、オブシディアンオパールっていう人工石があるの、知ってましたか?」 「え、知らないけど……というか唐突だね」   本当に唐突だった。蛋白石が笑いながら食べ物以外の話を始めるんだから。でもそれより唐突なのは……。 「で、なんで黒曜石ちゃんもいるの?」 「ど、どうも」   蛋白石と黒曜石、すごく珍しい組み合わせだと思う。 「まぁ、とりあえずいらっしゃい。今お茶用意するから待っててね」 「いえそんなっ、お構いなく」 「私も手伝いますよー」 「君はまな板以外弄っちゃダメ」   それ以外をやらせると台所が悲しいことになる……。   オブシディアンオパール。無理矢理日本語にすると黒曜蛋白石になるのかなぁ……なんかすごい名前だ。でも蛋白石と黒曜石ちゃんは別々だし……何がしたいんだろ? 「それで、えー……蛋白石、君は何をしたいの?」 「はいっ、何も考えてませんっ!...
  • 飲んだら乗るな
    「最近飲酒運転のニュース多いよなぁ」 「はい」 「飲んだら乗るなは基本なのになぁ……あ、酒のこと考えてたら飲みたくなってきた」 「では、漬物をおつまみに夕食にでも」 「うん、楽しみだ。こういうのがあると一日頑張れるよ」   俺のにやけた顔を見て、嬉しそうに微笑む漬物石。うん、さわやかな朝、いいものだ。 「そういえば聞いた話なんだけどね、スクランブル待機している戦闘機のパイロットは粕漬けも食べられないんだってね」 「……」   え、何でそこで黙るのかな。 「ご、ごめんなさいっ! 今日の朝の漬物は鱈の粕漬けを用意したんですけど、マスターはお仕事で自動車使ってるのに私ったらどうしてこんな……あぁーごめんなさいごめんなさいっ、このままではマスターが警察の方に捕まってしまいますよねっ、あぁもぉ、今からじゃ別のを用意する時間もないし、うぅ、頑張るしかないですよね、どうしてこんなドジを...
  • ズルい男~レッドベリルの苦悩は続く~
    「マスターっ!!」   レッドベリルの怒鳴り声が、帰宅した俺を出迎えてくれる。   つーか何なんだ……。 「おいおい、疲れてるんだから喧嘩はあとにしてくれ」 「喧嘩じゃないっ、マスター何で教えてくれなかったのよっ!?」   教えてくれなかった?   まぁ、レッドベリルには教えてないこと、いろいろあるにはあるが。   でも必要なことはちゃんとすべて教えている。携帯電話の番号やらなにやら。 「ペリドット姉さんから聞いたっ、マスター調理師の仕事してるって!」 「え、あぁそうだけど。それがどうかしたか?」 「ずるい! 何で今まで黙ってたのよっ!?」   え、何でそうなるんだ? 「いやいや、話の筋が読めないんだけど……」 「だーかーらーっ、どうして教えてくれなかったのよっ!?」 「いや、だって教える必要ないと思ってたから」 「大あり! ったく、今までのあたしの苦労は……...
  • ヴィンテージ
      今日は特に予定も何もない休日。外もいい天気だし、ひとつ本気出してお屋敷の片付けをすることにした。 「倉庫もしばらく使わないと傷むわねえ……今度虎ちゃんや雲母ちゃんに手伝ってもらって改装しようかしら」   あたしは庭園の隅にある年代物の倉庫の扉を開けた。 「うっぷ。埃っぽいわねえ……あら?」   倉庫の片隅に、大事そうに厚い布でくるまれた箱。埃を払って包みを解いてみると……。 「あら、まあ……こんなところに残ってたのね」 「お帰り、爆ちゃん。手伝えなくてごめんなさいね」   屋敷に帰ると、マブダチの真ちゃんが暖炉の前のソファーでくつろいでいた。 「ああ、いいのよ真ちゃん。好きでやってるようなもんだから。それより、ちょっといいもの見つけたのよ。ほら」   倉庫から持ち出したそれを出す。 「あら? ……まあ、懐かしいこと。そのワイン、18××年……...
  • 卵がうまく割れません
      どうやら蛋白石は握りつぶしてしまうみたいです   逆にこっちは殻を割れないようです   ボールの角にぶつけて割ろうとすると……   勢いが強すぎて…… 「卵くらい割れないのですかあなた方は……」   殺生石さんがお手本を見せてくれました 「割れましたっ!」   彼女の力に耐えうる卵は、一抱えもあるほど大きなものでした
  • 化石の幸せな日々
    「お茶はなんぼでもお湯さして飲まな」   せめてお茶請けに   漬物石の友情   お茶漬け 「マスタマスタ、このお茶漬けご飯がほとんど入ってへんねん」 「そんなことはない! 見ろ! 百粒は入ってるじゃないか!」
  • 厨房の打ち合わせ
    虎「……」 置「……」  ピンポーン 漬「こんにちは、お邪魔します」 虎「いらっしゃい。呼びつけて悪かったね」 漬「いいえ、なんだかわくわくしますね」 置「あがってあがって。お茶いれるから」 漬「あ、これお茶うけにどうぞ。私が漬けたんです……」 虎「わあ。ありがとう。さあ、厨房の打ち合わせをしようか」
  • 桃源郷
    「化石、いくらでも食べていいぞ。ステーキだろうとハンバーグだろうと全部俺の奢りだ」 「化石ちゃん、お漬物のお代わりはいりますか? 私が漬けたの……」 「マスタ、漬ちゃん……ありがとう!! 夢みたいやわぁ……」   頑張れ化石! 負けるな化石! 勝利をその手に掴むまで!!
  • 寝ちゃった漬物石
    「あれ? 漬物石寝ちゃってる……」 「くう……」 「いつもお世話になってます、と」   毛布をそっとかけるマスター。 「起きたらご飯にしようね。今日は僕が作っておくよ」 「……ふえ、はっ!! もうこんな時間ですか」   ばたばたばた 「マスター、すみません。今すぐお夕食を……」 「やあ、おはよう……って時間でもないか。ちょうど用意ができたところだよ。食べようか」 「ああ……すみません、すみません……マスターにそんなことまでさせてしまって」 「はは、いいんだよ。いつも漬物石にお世話になってるからね。ほら、泣かない泣かない」 「う……ぐすっ……はい」 「それじゃ、いただきますか。漬物石、いつものよろしくね」 「はい……このたくあん、私が漬けたの……」 「はは。やっぱりこれがないとね」 「「いただきまーす!」」
  • お勤め、ご苦労様
      世間では勤労感謝の日と呼ばれる休日。しかしなんと運の悪いことか、俺にそんなものは存在しなかった。学生諸君が羨ましい限りだよ、まったく。   というわけで夜。さすがに秋も深まってるせいか、けっこう寒くなってきたと思う。 「ただいまー。うぅ、さぶっ」 「お帰りなさい。祝日なのにお疲れ様でした」   さっそく出迎えてくれる漬物石の笑顔。うーん、癒される。この顔があれば、理不尽な休日出勤も堪えられるというものだ。 「あ、あのぉ、頭あまり撫でられると髪が……」 「え? おっとすまん」   無意識のうちに漬物石の頭を撫でていたようだ。頭がちょうどいい位置にあるからなぁ。 「さてと、飯の準備でもしようか。お腹空いただろ?」 「あ、今日は私が全部やっておきました。匂いしませんか?」 「え、そうなのか……ダメだ、鼻詰まってるみたい」 「風邪ですか?」 「いや、ただ外が寒かっただけ...
  • 年長乙女のナイトパーティ
    真「あら、アメジスト」 ア「真珠姉様、ごきげんよう」 真「妹たちがいい顔して帰ってきたのはあなたのおかげかしら」 ア「さあ? 私は本当のことを言っただけですから」 真「ふふ、たまにお人よしなんだから……あなた自身の悩みは癒されたかしら?」 ア「……まいりましたね」 真「空虚な心は一人では埋められないものね」 ア「ま、たまには可愛い子たちに癒されたくなるもので」 真「ふふふ、アタシでよかったら一晩中つき合うわよ」 ア「遠慮しときます。以前姉様につき合ったら一時間で潰されましたから……ザルなんだから」 真「まーまーたまにはつき合いなさーい」 ア「あ、ちょ、姉様」 鉄「おや、珍しい顔が」 ペ「あらあらまあ、うふふ」 爆「あらん? 今日はアメジストちゃんもつき合ってくれるのね?」 真「さあさあ、始めましょうか」 ア「……ごきげんよ...
  • 梅酒
    「よいしょっ!」 春から仕込んだものを蔵から出す。教えてくれた漬物石の言うとおりなら、少し早いけれども飲める頃のはず…… 「おや、なんだい? ウチにそんな甕があったんだ」 「ええ、蔵の片付けをしていた時に見つけたんです。中身は、私が春に仕込んだものなんですけれど」 「へえぇ、君がねぇ。それは楽しみだね。何か手伝おうか?」 マスターは いつも私を手伝いたがる。 嬉しいことではあるのだが、マスターの世話を焼くことが楽しい私としてはマスターに何かをさせる事は楽しみを減らすことになるので、そこはいつも丁寧にお断りをする。 「そうですねぇ……。 では、マスターは日陰でくつろいで待っていてくださいね。 そんなに待たせませんから」 「はぁい」 苦笑いをしながら素直に従ってくれる。マスターも私の気持ちは理解してくれているので、よほどでない限りは無理強いはしな...
  • 花鳥風月:虎置編
    ~花~ 虎「ねぇ置石。家(ログハウス)の周りに花壇作ろうと思うんだけど。はいこれ、計画書」 置「え、なんで私に見せるの、そんなもん。ていうか見てもよく分かんないし」 虎「前、勝手に――って言ってたから」 置「いや、そういう意味じゃなかったんだけど。まぁ、いいんじゃない? 華やかになるなら」 虎「了承した。雲母に声かけてくる」 ~鳥~ 虎「置石、救急箱どこ?」 置「あそこの棚の上だと思うけど。って、うわ何……梟?」 虎「そう、ふくろう。まだちっちゃいけど。森の中散策してたら落ちてた」 置「うわ、怪我してるじゃん」 虎「うん。とりあえず消毒。あ、暴れるな。置石、押さえといて」 置「くっ、力っ強い」 虎「……あと包帯巻くだけ。ちょっと動きにくいかもしれないけど、我慢して」 虎「元気になったら森に返さなきゃ」 置「それまでどうする?」 虎「...
  • 漬物石
    漬物が得意 そっと皿を差し出し「わたしが漬けたの……」と渡してくれる
  • 化石と漬物石のクリスマス
    化「世間はクリスマスムード一色や……まだ11月やのに……まあ、うちには関係あれへんけど」   ガラガラッ 漬「こんにちわー(ここんち呼び鈴ないんですね)化石さん、お元気ですか?」 化「あれ、漬物石はん。ぼちぼちでんがな」 漬「これ、よかったら。おにぎりと漬物です。私が漬けたの……」 化「おおきに。はあ、人の情けが身に沁みるなあ」 漬「あの、それでちょっとお願いがあるんですけど」 化「なんやん?」 漬「実はかくかくしかじか、で化石さんにもパーティーの準備を手伝ってもらえないかと」 化「ええ、うちが? できるかなあ」 漬「大丈夫ですよ。以前一緒にお漬物作ったときの手際、なかなかでしたから。それに、化石さんが一緒なら私も心強いです」 化「な、なんや照れるわあ……よし、漬物石はんのお願いならいっちょやったるか!」 漬「ありがとうございます!」
  • 試金石百合日記7
    今日は七夕。彦星と織姫が年に一回会う日だという。 だというのに、何が悲しくて願い事なんか叶えなければならないのか。 きっと毎年毎年泣いているに違いない。そして今年も泣くに違いない。 で、七夕とは全く関係が無いのだが。実は今日、珊瑚と天河石が家に来ているのだ。 しかもお泊りだという。珊瑚曰く、マスターは天河石に聞かれてはまずいような 所に出張中らしい。そこで、出張先について質問されない用に此処で 遊ばせて、マスターの出張先についての質問なんか忘れさせよう。といった 魂胆だという。マスターは明日の朝に迎えに来るらしいから、そんなに 遠い場所ではないと思うが、一体何処なんだろうか。 まぁいい。そんなのはどうでもいい。何故なら今が最高だから。 天河石は若干寂しそうにしていたものの、プリン効果でたちまちに復活。 今では短冊に願い事なんか書いて、呑気である。...
  • 漬・虎・珊の夕食
    珊瑚「…うむ、漬物石殿。見事な漬かり具合」 虎目石「…」ポリポリポリポリコリコリコリコリ ズズ~… 漬物石「たくさん漬けたの…まだあるから食べて…」
  • 乙女の秋
     事の始まりは、1時間前。  鶏冠石の屋敷に遊びに来た時のことだった。 「よく何とかの秋って言うよ……言いますねぇ」 「そうですわね」  ティーカップ片手に、あたしの話を聞く鶏冠石。  いつものことだけど、一つひとつの動作がおしとやかで羨ましい。 あたしみたいに叱られる事なんて、滅多にないんだろうなぁ。 「読書の秋、芸術の秋。わざわざ改まって秋にやる必要などないとは 思いますが、何かと行動を起こしやすい季節なのでしょう」 「ふーん……ねぇねぇ、鶏冠石はどんな秋?」 「口調に気をつけなさい……まぁ、無難に読書の秋でしょう。改めてやることも、 なかなか思いつきませんから」 「へぇ、趣味少な……ゴメンナサイゴメンナサイ」  今、鶏冠石の背中から赤いオーラが見えた気がした。 「……そういう貴女は、スポーツか食欲の秋なのでしょう?」 「え?...
  • ますたぁ、読んで!
    「ますたぁ、ご本よんでー!」 「はぁ? お前に読んで聞かせてやるような本はうちには……って、それどこにあったんだ?」 「んーとね、ぺりどっとお姉ちゃんからかりてきたの。こんどはますたぁによんでもらってねって言われたから……」 「……俺はペリドットみたいに上手じゃないぞ?」 「うん♪」 「じゃあ……」 「……こうして座敷童子の二人と男の子は、いつまでも仲良く暮らしました。おわり」 「ますたぁ?」 「うん?」 「もういっかい!」 「……はい(こんな輝く笑顔で頼まれたら断れねぇ!!)」
  • 彼女に似合う空
      今日も雨が降っていた。 「こうまで続くと鬱陶しいわね」   最初は風情があって悪くないと言ってたくせに……。 「なんですの?その顔は」 「雨は風情があっていいんじゃなかったっけ?」 「な! こんなにグダグダと降り続けられては風情も何もありませんわ!」 「へぇ、そうだね」 「く……何か言いたそうですわね……」   僕はニヤニヤして空を見る。曇った空も悪くはない。悪くはないけど、鶏冠石の機嫌がこれ以上悪くなるとそれはつらい。 「雨、早く止むといいね」 「急になんですの?」 「だって雨降ってると鶏冠石が不機嫌なんだもん」 「別に不機嫌なんかではありません!」 「それにさ、やっぱ鶏冠石には綺麗な空が似合ってるよ。憂鬱そうな鶏冠石も憂いがあっていいけどさ、もっと堂々とした鶏冠石の方が俺は好きだな」 「べ、別にあなたの好みなんて聞いていませんわ!!!」 「そ...
  • 教養は淑女のたしなみです
      今日は試験か……。   そういえば鶏冠石が勉強してるところは見たことがないな。   瑪瑙に借りた本を読んだりはしてるけど、数学やら英語って感じじゃないし。 「鶏冠石ってもしかして英語話せる?」 「当然ですわ。それくらいの教養がなくて何が淑女と言えるのかしら」 「へ~すごいな。今度教えてくれよ」 「……You are foolish. Please notice my feelings. I am painful if you are not. Please say to me,"I love You"」   ん? 今のは英語……だよな。何言ってるのか全然わかんなかったぞ……。 「ん? なに? なんて言ったの?」 「……」 「いや流暢に話せるんだなぁ、うらやましい」 「別に難しい英語を使ったわけではありませんわ。要は慣れです」   ...
  • そんな宝石乙女のとある暑い日
    誰もいない湖畔にたたずむ鉄鉱石 晩御飯のそうめんを買いに行くペリドット 起爆点が低くなる爆弾岩 木陰から木漏れ日を見上げるアメジスト ビニールプールでスイカの隣で涼む真珠 そんなアダルト乙女のとある暑い日 太陽電池を帽子につけてお出かけをする電気石 いつもだっこしている荒巻を冷蔵庫で冷やす雲母 日陰で猫と一緒に涼む天河石 メロンソーダにアイスを浮かべてもらうソーダ そんなチビッ子乙女のとある暑い日 玄関先で水撒きをする黒曜石 雑草取りをして、花まで抜いてしまうレッドベリル 美味しいアイスティの淹れ方を指導する鶏冠石 生え変わった自分の抜け毛でくしゃみをする殺生石 よく冷えたビールと浅漬けを用意する漬物石 暑い時にこそ熱くて辛いものを食べる蛋白石 薄着になるのが恥ずかしい瑪瑙 飲む冷却剤を作り...
  • そんな宝石乙女の短冊
    旅の安全と姉妹達の幸せを 鉄鉱石 素敵なマスターとめぐり逢えました。もう望むことはありません ペリドット 真ちゃんのお相手が早くみつかるといいな 爆弾岩 彼女の苦しみが少しでも和らぎますように アメジスト 妹達が健やかに成長しますように 真珠 そんなアダルト乙女の短冊 蛋白石とずっと一緒 電気石 まだ見ぬ上質の荒巻を求める 雲母 マスターやみんなと楽しく遊べますように 天河石 ママとおねえちゃんとしゅわしゅわ ソーダ そんなチビッ子乙女の短冊 皆が穏やかに過ごせますように 黒曜石 料理が上達しますように レッドベリル マスターが真のマスター足りえる人物になれますように 鶏冠石 ぬし様の寵愛を受けられますやうに 殺生石 マスターに喜んでいただけるお漬物ができますように 漬物石 姉さまとご主人様とみんな...
  • エイプリルフールのお戯れ
      今朝、鶏冠石が珍しく真剣な顔で相談があると言ってきた。   どうも欲しい物があるらしい。 「まぁ鶏冠石には日頃から世話になってr……まぁたまにはプレゼントくらい買ってやるよ」 「ありがとうございます。それで欲しい物なんですが」 「おうなんでも言ってみろー」   まぁそう高い物でもないだろう。   これでも鶏冠石は他人の迷惑になるくらいなら自分でやる、って感じのキャラだし。 「グランドピアノを買ってください」 「……グランドピアノ?」 「私が欲しいのはこれです」   ついっと広告を手渡される。 「120万……これはまた、高いね……」 「一桁足りてませんわよ」 「へ? 1200万!?」   紅茶を思いっきり吹いてしまった。 「やっぱり……ダメ、ですよね」   しゅんと落ち込む鶏冠石。   そんな顔されるとダメとは言えなかっ...
  • 貴方がいれば
    「んー……」  悩んでいる。 「え……と」  すごく悩んでいる。 「はぁ……」 「ペリドット、悩みなら聞くぞ」 「あ……実は、今晩のおかずはどうしましょうかと」 「嘘付け」 「……ばれちゃいましたか」  まぁ、おかずで迷うこともあるかも知れないが、先のペリドットの悩み方は レシピのそれとは違う。  大体、あからさまに七夕用の短冊を前にして悩んでいるのだ、察しは付く。 「妹達と、七夕を祝うことになったのですが、そのときにみんなで短冊を 飾りましょうということになっていて」 「で、その願い事に詰まっているわけだ」  はい、とうなずくペリドット。 「良い姉妹仲を続けていけますように、とか、そんなのでいいんじゃないのか?」 「ええ、一応そのようなことも考えているのですが……もっと、こう、違うものはないかと」 「……毎日おかずで悩まずに済みますように、ってのはどう...
  • 結局、食べられませんでした
    虎「こんなものを作ってみた」 置「これは……何?」 虎「この国の文化である『流しソーメン』の装置」 置「また結滞な物作ったわねぇ」 虎「さっそく実践してみようと思う」 置「で、どうするのよ」 虎「姉さんはそこで箸と茶碗を持って待ってて」 虎「姉さん、準備はいい?」 置「まだよく分からないんだけど」 虎「私がソーメンを流す、姉さんはそれをすくう。OK?」 置「たぶん了解」 虎「じゃあいくよ……」 置「それっ……むう、もう一回お願い」 虎「はい」 置「そいっ……くそー」 虎「まだまだいくよ」 置「ていっ、やっ、はっ……ああもう!」 虎「姉さん下手すぎ」 置「じゃあ代わりなさいよ」 置「準備は?」 虎「いつでも」 置「それ」 虎「こうやって待ち構えておけば簡単に……あれ?」 置「大口叩いておいて虎眼も下手ねぇ♪」 虎「今のは調子が...
  • 夏祭り
    化「らっしゃいらっしゃーい!!そこの可愛いお姉さんとカッコいいお兄さん!この焼きたてのたこ焼き!買ってかへんか~!!」 夏祭り。 俺と化石は例年通り屋台を借りて商売する。 他の乙女やそのマスター達は今頃悠々自適に遊んでいると思うと嫌になるが……。 化「マスター!二人前!!」 化主「あいよ!」 俺は以前、たこ焼き屋でバイトしていて慣れているが、化石がたこ焼きを作れるとは正直思わなかった。 化「お待ちどーさん!600円になります。毎度おおきに!!」 ?「たこ焼き六人前。」 化「はいよー!って黒曜石のマスターはん!!お祭り楽しんでまっか?」 黒主「まぁな!ちょっと懐が寒くなったけどねww」 化「ウチらは懐どころか身も心も寒い生活しとるけどたこ焼きは温かいで!!はいお待ち!!1,800円になります!」 黒主「ありがと。それじゃあ仕事頑張ってね!」 化「あい!ほなな~!!」...
  • ふたりでできるもん
    「マスター、夕飯は何が食べたいですか?」 「んー、何でもいいよ。黒曜石の作ってくれたのは何でも美味しいし」 「ぅー……そう言ってもらえるのは嬉しいですけど、たまにはマスターのわがままも聞いてみたいんです」 「わがままって……それを言うなら僕のほうこそ、たまには黒曜石のわがまま聞いてみたいよ」 「わ、私はいいんです!」 「……そうだな、たまには僕がご飯作るよ。何が食べたい?」 「えっ!? そ、そんな……」 「ほらほら、早く決めてくれないと作れないよ?」 「う……えっと、じゃあ……マスターの……炒飯が、食べたいです」 「炒飯だね、分かった。さて……冷蔵庫をチェックして……」 「……」 「あ、黒曜石は居間で休んでていいよ」 「あ、はい」 「えーと……油はどこに……あ、ハムも入れようかな……」 「……(そろそろ)」 「っと、卵も溶いておかなきゃ……って黒曜石? ...
  • 貴方は私のマスターだから
      パタパタパタパタ、パタパタパタパタ   カチャカチャ、カチャカチャ   パタパタパタパタ、パタパタパタパタ 「ん? おーい、ペリドット? どうした?」 「あら、申しわけありません。マスター。ちょっとお菓子作りの準備を」   パタパタパタパタ、パタパタパタパタ   カチャカチャ、カチャカチャ   パタパタパタパタ、パタパタパタパタ 「お菓子作りって……いつもしているじゃない?」 「今回は特別なんです。しかも、あの娘たちに教えなきゃならないものですから」 「あー、なるほど。それで材料から、道具から引っ張り出してるわけだ」   パタパタパタパタ、パタパタパタパタ   カチャカチャ、カチャカチャ   パタパタパタパタ、パタパタパタパタ 「ええ。みんな同じものを作るわけないでしょうから……自分で作れる娘はいいとしても」 「そっかぁ。『大切な日』かぁ。みんなの顔が目に...
  • 諸刃月の照らす夜は
      ――それは、夜に輝く月のよう。   しかしその月は空には浮かばない。一人の女性が持つには、あまりにも大きな月。   ――それは、諸刃の三日月のよう。   守人の証。一人の女性が持つには、あまりにも大きな使命。   だが、彼女はそれを受け入れた、一生の生き甲斐として。 「なーに考えてるんだ?」   と、ぼんやりしているお姉さんに一言。 「……あら、どうかなされましたか?」 「いや、俺に尋ねられてもね……ペリドット、なんかぼんやりしてたから」   まぁ、今日はいい天気だしな。こんなに窓から日が差し込んでいれば、陽気で眠気を誘われても当然か。 「そうでしたか。でも大丈夫です、今晩のおかずを考えていただけですから」 「おかずですか、今から」 「はい、おかずです。台所に立つ役目を負うに当たっての、最大のお悩みです」   なんだか主婦的な発言だなぁ、それ。なんだか近...
  • 約束しなさい
     夜、七夕のお祝いで黒曜石ちゃんの家に向かう準備をしてた時のこと。 『たまにはドレス姿以外の鶏冠石も見てみたいなぁ』  とか言ったのはちょうど今から数週間前のこと。  最初は軽くあしらわれるだろうとか、そんなことを考えていたのだが……。 「……何か?」  その言葉が、何故か現実のものとなっていた。  いつものドレスと同じ、赤い浴衣姿の鶏冠石。  いつの間に着たのかは分からないが、何というか……ものすごく新鮮だ。 「いやぁ、まさか本当にドレス姿以外の鶏冠石が見られるなんて思ってなかったから」 「本当は着る予定もありませんでしたけれど……今日は七夕で、姉様がどうしてもと おっしゃったもので」 「へぇ。ってことは、それ用意したの漬物石ちゃんか」  心の中で、彼女にGJを送る。  だが、当の鶏冠石はどこか居心地が悪そうだ。そりゃあ和装なんて 慣れてないんだから当然か。 ...
  • おべんと
    レ「お弁当?」 黒「はい、マスターがどうしても必要だというので」 レ「ずいぶんといっぱい買ったのね」 黒「マスターは男性ですから、これぐらい作らないと」 レ「ふーん……」   それは寝耳に水というか何というか、とりあえず唐突だった。 主「弁当作れぇ?」 レ「そ、お弁当」 主「……お前さ、俺が朝どれだけ忙しいか分かって言ってるか?」 レ「寝癖頭も直す暇なく、朝食抜きでご出勤。原因はマスターの寝坊ってところ?」   ……読まれてる。本当のことなだけあって言い返せないのが悔しい。 レ「別に仕事のある日じゃなくていいのよ。今週末ちょっと出かけるから」 主「休みぃ? なおさらやだよ、寝てたいし」 レ「休日は眠って過ごす、なんかおじさんみたい」   こいつ、人に物頼む態度を知らないのか? そんなこと言われて弁当作る奴なんて普通いないぞ。 主「お前、普通頼みごとがある...
  • 置石のミッション・バレンタインデー
    「~♪」 「どうしたの姉さん」 「ん、何が?」 「何かいいことでもあったとか?」 「あったというよりは、これからやってくるんだよね~♪」 「何があるの?」 「あれ、虎眼はバレンタインは知らない?」 「ああ、それで」 「こういう日には心置きなく(悪戯心という)気持ちをぶつけれるからね~」 「悪戯はほどほどにね」 「!? 貴様、見ているな!?」 「いや、姉さんの考えることはだいたい見当がつく」 「ところでチョコってどうやって作るの?」 「市販の板チョコを溶かして型に入れて冷やすだけだよ」 「何か呆気ないわねぇ……」 「手作りならいろんなチョコをブレンドするといいとか」 「やけに詳しいわね、虎眼」 「伊達に時を過ごしてるわけじゃないから。姉さんが悪戯に精を出してる間に私は見聞を広めていたからね」 「ふぅん。そんな博識な虎眼なら手伝ってくれるわよね?」 ...
  • 結果オーライ
    マ「うーん……困っ……っく」 雲「どうした、間抜けな顔をして」 マ「間抜けはうっく、ひどっいな……このとっり、しゃっくりが止まっなくてね」 置「三日続いたら死んじゃうのよね」 マ「なんっ、か、期待しって、ない……?」 置「そんなことナイナイ」 虎「ウーロン茶でも持って来ようか」 マ「虎眼石っは、誰かっと違って優しいっよね……ね、置っ石……」 置「誰かってだぁれ?」   一分後。虎眼石がウーロン茶を持って来た。 虎「水とか茶とか一気飲みすると止まるって言わない?」 雲「そういえばそんなのあったな」 置「しゃっくりが止まる薬でも作ってあげましょうか」 マ「心臓まっで止まりそっうだから、遠っ慮するっよ……」 置「親切で言ってるのに……とりあえず一気飲みしてみたら?」 マ「はいはい……ブフォッ!!!」 雲「……」 置「な、どうしたの?!」   キッチンの方から黒...
  • 薄曇りの空
    「『毎日たくさんご飯が食べられますように』……って、いつもたくさん食べてるのに」  大家さんからもらった小さな竹。  それに吊された、色とりどりの飾りと4つの短冊。  今日は七夕。実家では8月にやっていたから、ちょっとだけ変な感じだ。空も曇っているし。 「えへへ。でもご主人様のご飯はいくら食べても足りないんですよ。美味しいですから」 「そ、そう……」  でも、曇り空でも笑顔を向けてくれる蛋白石がいれば、こんな七夕も悪くないと思う。 「それよりも、妾は主様の願い事が気になりますね」  唐突に、殺生石が間に割り込んでくる。かなり不機嫌そうだ。 「あ、私も気になるー。えっと、ご主人様のはー……」 「これですね……『家庭円満』とは、また普通ですね」  確かに、書いていた僕も普通すぎるなとは思っている。  でも、それでいいのだ。 「あぁ……個人的なお願いってなかったから。な...
  • いつもそばには君がいた
      なによ、みんなして私はイタズラしかできないみたいに言ってくれちゃって。   私だって宝石乙女のはしくれ、料理だってお菓子づくりだってそれなりにはできるんだから。   っていうかイタズラのために手のこんだモノ作ってるうちに、それなり以上にいいもの作れるようになってるんだから。   「どうしたの姉さん。むっつりして。そういえば今日バレンタインだけど……」   「どーせ私が作ったモノなんて誰も食べないわよーだ」   ま、別に誰にもあげるつもりなんてないけど。   たかが人間様の作った行事に、よくもまぁ一生懸命になれるわ。   「姉さん、これ」   「ん?」   「チョコレート。姉さんほど上手じゃないかもしれないけど……食べて」   「え、あ……うん。ありがと」   「よかったら姉さんも何か作ってよ。私、姉さんの作るお菓子は大好きだよ」   置石は家に帰ってから、一時間...
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