(2)学びあいの環境づくりと保育所の活性化

(2)職員一人一人が課題を持って主体的に学ぶとともに、他の職員や地域の関係機関など、様々な人や場との関わりの中で共に学び合う環境を醸成していくことにより、保育所の活性化を図っていくことが求められる。

①子どもの福祉の増進のための学び
保育所は子どもや保護者に限らず、地域の人や組織と多様な関係を持っています。職員は子どもとの生活や保護者との対話をはじめ、地域の主任児童委員や民生委員との情報交換、専門機関との事例検討、子どもの就学先や地域の学校との連携、地域の子育て支援活動、養成校の実習生受け入れ、学生や社会人のボランティア体験、要保護児童対策地域協議会(子どもを守る地域ネットワーク)等の地域ネットワーク作りなど、様々な活動を通じて、互いに学び合いを重ねています。
それぞれの立場や役割は異なっていても、こうした関わりや活動の一つ一つは子どもの最善の利益への思いによって結ばれており、それらが連動して地域で生まれ育つ子どもの福祉増進に貢献しているといえます。

②「育ち」「育てる」ことのために
保育所は子どもの生活の場所であり、職員にとっては仕事の場所であり、また保護者にとっては大切な我が子を託す場所です。しかし、見方を変えると、子どもは遊びを通して学び、保護者は子育てを通して学び、職員は仕事を通して学んでいます。そして保育所職員は、その専門性や人間性を発揮して、子どもとの生活を、その生活を通して、より望ましい生活へ高めていくために、常に学び続ける存在です。職員は常に子ども一人一人にとって何が最善なのかを第一に考えて、主体的に福祉の増進と発達の保障を図らなければなりません。
現代は多様な価値観が混在し、保護者との関係にも様々な課題があります。様々な人との共生を求め、子どもの最善の利益に配慮した保育と子育て支援の実現が保育所には求められます。職員が保育所で働くということは、保育を通じて、その価値を共有する社会を実現しようとする文化的な営みに参加しているといえるでしょう。
このように保育所は、地域で生活を共にする人々の学び合いの場であり、子どもの最善の利益を第一に考える生活の価値を創造する場でもあります。
職員一人一人が主体的に学び合う者として存在することにより、保育所は活性化し、質の高い保育が実現していきます。こうした環境を創り出すための条件整備が求められます。
保育所は人が「育ち」「育てる」という人類普遍の価値を共有し、継承し、広げることを通じて社会に貢献していく重要な場なのです。
最終更新:2009年01月10日 23:27
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