なす(接尾)

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日本国語大辞典 接尾辞 [ 一 ] 名詞、時には動詞の連体形に付いて、…のように、…のような、…のごとく、…のごとき、などの意で、連用修飾、または連体修飾に用いられる。上代東国方言では「のす」という形でも用いられる。語源的には、「似(に)す」、あるいは「成す」とも関係があるかともいわれる。 古事記(712)上「次に国稚(わか)く浮きし脂の如くして、くらげ那州(ナス)ただよへる時」
万葉集(8C後)五・八一三「真珠(またま)奈須(ナス)二つの石を 世の人に 示し給ひて」
[ 二 ] 名詞に付いて、…のような、…に似ている、の意を表わして、次の名詞にかかる。「山なす大波」「玉なす汗」など。 人情本・貞操婦女八賢誌(1834‐48頃)初「絞るが如き生血をば、滝なす様(さま)に吐き出(いだ)し」
広辞苑 接尾辞 (「のす」に同じ。「似る」と同源)体言または動詞の連体形に付く。…のごとく。…のような。 古事記上「くらげ―ただよへる時に」。
万葉集1「さ 野榛 (のはり)の衣に着く―目につくわが背」。
「山―大波」
大言海 接尾辞 ()すノ轉カト云フ〕
似タル意ヲ言フ語。の如く。
古事記、上 海月 (クラゲ) 那洲 (ナス)、漂ヘル」
同、上 廿四 狹蠅 (サバヘ) 那須 (ナス) 滿 (ワキ)
萬葉集、五 三十八 長歌「 五月蠅奈周 (サバヘナス)、騷グ兒等ヲ」
同、三 五十四 長歌「 哭兒成 (ナクコナス)、慕ヒ來マシテ」
同、十三 三十四 長歌「 螢成 (ホタルナス)、ホノカニ聞キテ」
續古今集、十ニ、戀、二「思川、逢瀨待テトヤ、 水沫 (ミナワ)なす、モロキ命モ、消エ殘ルラム」
名詞ノ如ク用ヰタルハ、
萬葉集、六 廿八 「春草ハ、後ハカレヤスシ、巖(ナス)、常磐ニイマセ、カシコキワガ君」
同、六 四十四 長歌「巖ニハ、山下ヒカリ、錦(ナス)、花ハ咲キヲヲリ」
動詞ノ如ク用ヰタルハ、
萬葉集、一 十三 綜麻 (ヘソ)(ガタ)ノ、ハヤシノサキノ、サヌハリノ、衣ニツク(ナス)、目ニツク我ガ兄」

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最終更新:2025年09月15日 12:49