仮名遣ひを除く、口語文語に於ける大きなる違ひは以下なり。
1. 動詞の文語形の見分け方は未然形、或、連用形に於きて「る」及「ら行」の脱落によりて分かる。
「わける」、「わかる」、「わかれる」に譬ひて、「わける」の未然形は「わけ」、「わかる」の未然形は「わから」、「わかれる」の未然形は「わかれ」の如し。
是より、「わける」の文語形は「わく」、「わかる」の文語形は「わかる」、「わかれる」の文語形は「わかる」なり。
但し、一段活用にてはこの応用
然らば、文語にて一段活用なる動詞は覚ゆべし。
動詞の連体形が口語にては規律無くして、「老ゆる」を「老いる」の如く用ゐらる。
下の表の如く連体形は「焼くる
動詞活用表 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
活用 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
四段 | a | i | u | u | e | e |
上二段 | i | i | u | uる | uれ | iよ |
下二段 | e | e | u | uる | uれ | eよ |
上一段 | i | i | iる | iる | iれ | iよ |
下一段 | e | e | eる | eる | eれ | eよ |
カ変 | こ | き | く | くる | くれ | こ |
サ変 | せ | し | す | する | すれ | せよ |
ナ変 | な | に | ぬ | ぬる | ぬれ | ね |
ラ変 | ら | り | り | る | れ | れ |
「四段」と「ナ変」とは、「ナ変」の連体形が「uる(ぬる)」と已然形が「uれ(ぬれ)」との違ひなり。
「四段」と「ラ変」とは、「ラ変」の終止形が「i(り)」の違ひなり。
「下二」と「サ変」とは、「サ変」の連用形が「i(し)」の違ひなり。
2.形容詞の活用。
形容詞活用表 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
活用 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 |
く活用 |
く (け) |
く | し | き | けれ | |
から | かり | かる | かれ | |||
しく活用 |
しく (しけ) |
しく | し | しき | しけれ | |
しから | しかり | しかる | しかれ |
文語にてこれを用ゐる。
即ち、「この橋いと長し。」とて「いと長き橋。」なり。
口語にて已然形を「長いけれど」なる表現するか。然れど、「
3. 口語にて約みたる言葉あり。表に如し。
口語 | 文語 | 例文 |
---|---|---|
た、だ | たり |
買い物に行った。 →買い物に行きたり。 科学が進んだ世の中。 →科学が進みたる世の中。 |
で | にて |
公園で息子と遊ぶ。 →公園にて息子と遊ぶ。 |
な | なり |
美味な酒肴。 →美味なる酒肴。 |
4. 音便形、数多あり。それぞれ、い音便・う音便・撥音便・促音便と称せられたり。
然れど、音便形が熟語として成りたる言葉は直す勿れ。
5.
口語語彙と文語との対照表 | ||
---|---|---|
口語 | 文語 | 備考 |
(~して)ください | (し)給へ。又は、せよ | |
させられる | させらる | 助動詞「さす」の未然形「させ」に口語「られる」の文語形「らる」を合せたる言葉。 |
させる | さす | 「させる」は助動詞「さす」の口語形。 |
される |
|
口語「する」の文語形「す」の未然形に助動詞「らる」を合せたる言葉。此の「される」に対する「さる」を文語形とせらむが本語「せらる」を用ゐるが宜し。 |
だ | なり。又は、たり | 断定。 |
だろう |
|
|
である | なり。又は、たり | |
(し)ている | (せ)る。又は、(し)たる | 完了の助動詞を当つ。終止形は(せ)り、(し)たり。 |
できる |
|
或は、可能の助動詞を用ゐて、現代文に於ける「~することができる」を一つとし、前の動詞に「る」又は「らる」を附く。漢語などに添ふるサ変動詞は、「せらる」に成る。 |
(なっ)てしまう | (なり)ぬ。又は、(なり)たり |
完了の意の時、 |
(なっ)てしまうだろう | (なり)なむ。又は、(なり)なむず。 | |
です | なり。又は、たり | |
(する)な |
(す)な。又は、べからず。又は、 |
禁止の「な」は終止形に繋ぐるの違ひのみ。 |
ます | 侍り。又は、なり。又は、たり | |
みたいな |
如く。又は、 |
「如し」が全き文語。「 |
|
如く。又は、 |
「如し」が全き文語。「 |
(し)よう | (せ)む | 文語にては推量の助動詞「む」を用ゐる。 |
文語体を
現代文の「である」と等しくして、断定或は強調・主張せしむる時に用ゐる言葉なり。
「せる」といふ文語表現あらむが、これ、正しからず。
「する」をいふ「せる」の正しき形は「
又、助動詞「させる」の文語形は「さす」の下二段活用にて終止形「さす」、連体形「さする」なり。
然れど、完了(口語の「した」)をいふに「
助動詞 | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
繋がる形 | 意味 | 言葉 | 未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 活用 | 備考 | |
未然形 | 自発・受身・可能・尊敬 | る | れ | れ | る | るる | るれ | れよ | 下二段 | 四段・ナ変・ラ変 | |
らる | られ | られ | らる | らるる | らるれ | られよ | 下二段 | 四段・ナ変・ラ変以外 | |||
ゆ | え | え | ゆ | ゆる | ゆれ | えよ | 下二段 | 四段・ナ変・ラ変 | |||
らゆ | らえ | らえ | らゆ | らゆる | らゆれ | らえよ | 下二段 | 四段・ナ変・ラ変以外 | |||
使役・尊敬 | す | せ | せ | す | する | すれ | せよ | 下二段 | 四段・ナ変・ラ変 | ||
さす | させ | させ | さす | さする | さすれ | させよ | 下二段 | 四段・ナ変・ラ変以外 | |||
しむ | しめ | しめ | しむ | しむる | しむれ | しめよ | 下二段 | 全ての活用形 | |||
打消 | ず | (な) |
ず (に) |
ず | ぬ | ね | 特殊 | ||||
ざら | ざり | ざる | ざれ | 四段 | |||||||
打消推量 | じ | じ | じ | じ | 特殊 | ||||||
推量 | む | ま | む | む | め | 四段 | |||||
むず | むず | むずる | むずれ | 下二段 | |||||||
反実仮想・推量 | まし |
ませ ましか |
まし | まし | ましか | 特殊 | |||||
願望 | まほし | まほしから | まほしく | まほし | まほしき | まほしけれ | シク活用 | ||||
反復・継続 | ふ | は | ひ | ふ | ふ | へ | へ | 四段 | 四段 | ||
連用形 | 過去 | き | せ | き | し | しか | 特殊 | 全ての活用形 | |||
けり | けら | けり | ける | けれ | ラ変 | ||||||
完了 | つ | て | て | つ | つる | つれ | てよ | 下二段 | |||
ぬ | な | に | ぬ | ぬる | ぬれ | ね | ナ変 | ||||
たり | たら | たり | たり | たる | たれ | たれ | ラ変 | ||||
過去推量・過去伝聞 | けむ | けむ | けむ | けめ | 四段 | ||||||
願望 | たし | たく | たし | たき | たけれ | ク活用 | |||||
たから | たかり | たかる | 四段 | ||||||||
終止形 | 意志・適当・推量・可能 | べし | べく | べし | べき | べけれ | ク活用 | ラ変は連体形 | |||
べから | べかり | べかる | 四段 | ||||||||
現在推量・現在伝聞 | らむ | らむ | らむ | らめ | 四段 | ||||||
推定 | らし | らし |
らし (らしき) |
らし | 特殊 | ||||||
推定・婉曲 | めり | めり | めり | める | めれ | ラ変 | |||||
打消推量 | まじ | まじく | まじ | まじき | まじけれ | シク活用 | |||||
まじから | まじかり | まじかる | 四段 | ||||||||
ましじ | ましじく | ましじ | ましじき | ましじけれ | シク活用 | ||||||
ましじから | ましじかり | ましじかる | 四段 | ||||||||
伝聞・推定 | なり | なり | なり | なる | なれ | ラ変 | |||||
命令形 | 完了 | り | ら | り | り | る | れ | れ | ラ変 | サ変・四段。古くはサ変の未然形・四段の已然形 |
表の如く、打消の助動詞「ず」は終止形は「ず」なる故、「ぬ」にて終はる文は完了の意に成る。
助詞 | ||
---|---|---|
言葉 | 繋がる形 | 備考 |
か | 連体形 | |
が | 連体形 | |
から | 連体形 | |
ぞ | 連体形 | |
つつ | 連用形 | |
て | 連用形 | |
と | 終止形 | |
と | 連用形 | 同じ動詞を繰り返す強意表現。 |
ど | 已然形 | |
とも | 終止形 | |
とも | 連用形 | 形容詞型活用。 |
ども | 已然形 | |
に | 連体形 | |
に | 連用形 | 目的。~ために。同じ動詞を繰り返す強意表現。 |
の | 連体形 | |
のみ | 連体形 | |
は | 連体形 | |
ば | 未然形 | 順接仮定条件。~ならば。 |
ば | 已然形 | 確定条件。~ので。~のに。 |
ばかり | 終止形 | |
ばかり | 連体形 | 限定。~だけ。 |
まで | 連体形 | |
も | 終止形 | |
も | 連体形 | 逆接。~のに。 |
や | 終止形 | |
より | 連体形 | |
を | 連体形 |
「ば」の繋げに於て、
助詞の「から」と「より」とは
口語 | 文語 | 備考 |
---|---|---|
わたしの | あが(吾) | 「我が」の古形。 |
満足していないのに | あかなくに(飽) | |
突然 | あからさま | |
まるで | あたかも(恰) | |
できない | あたはず(能) | |
おしい | あたら(惜) | |
いかに | あど | 「か」を伴ふ反語の時は「どうして」の意。 |
ああ | あな | 感動詞。 |
ああおそれおおい | あなかしこ | |
ああ | あはれ | 感動詞。 |
ゆきかうこと | あふさきるさ | |
あえて | あへて(敢) | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
かまわない | あへなむ(敢) | |
たくさん | あまた(数多) | |
ゆきわたる | あまねし(遍) | |
そのうえに | あまりさへ(剰) | |
なんとも不思議に | あやに(奇) | |
おりがわるい | あやにく(生憎) | 変化したる「あいにく」として口語にても用ゐる。 |
あらかじめ | あらかじめ(予) | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
または | あるいは(或) | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
どうして | いかで(如何) | |
ええと | いさ | |
さあ | いざ | 口語にても用ゐる。 |
すこし | いささか(聊) | |
一時的に | いささめに | |
つく | いたる(至) | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
どこ | いづく(何処) | |
どうして | いづくにぞ(安) | 漢文訓読語。 |
ますます | いとど | |
いや | いな(否) | |
いうには | いはく(曰) | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
いうまでもなく | いはむや(況) | 漢文訓読語。 |
俗にいう | いはゆる(謂) | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
だけど | いへども(雖) | 漢文訓読語。 |
まだ | いまだ(未) | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
かりにも | いやしくも(苟) | 漢文訓読語。 |
なおざり | いるかせ(忽) | |
ひたすら | うつたへに | |
で | おきて(於) | 漢文訓読語。音便形の「おいて」として口語にても用ゐる。 |
での | おける(於) | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
する | おこなふ(行) | 口語にても用ゐる。 |
おそらく | おそるらくは(恐) | 漢文訓読語。 |
みずから | おのづから(自) | |
自分 | おのれ(己) | 口語にても用ゐる。 |
おおきい | おほきなり(大) | 此語は形容詞に非ず、文語にては形容動詞なりて必ず「なり」を附く。 |
おっしゃる | おほす(仰) | |
また | および(及) | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
こう | かく(斯) | 漢文訓読語。変化したる「こう」として口語にても用ゐる。 |
たがいに | かたみに(互) | |
そして | かつ(且) | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
決して。以前は | かつて(曾) | 漢文訓読語。口語にても用ゐるも、専ら「昔は」の意に成る。 |
ゆるさない | かへにす(肯) | |
かえって | かへりて(却) | 漢文訓読語。音便形の「かえって」として口語にても用ゐる。 |
た | き | 助動詞(過去)。 |
霊妙 | くし(奇) | |
多分 | けだし(蓋) | 漢文訓読語。 |
ただろう | けむ | 助動詞(過去推量)。 |
たそうだ | けり | 助動詞(過去回想)。 |
ような | ごとし(如) | |
つぎつぎ | こもごも(交) | 漢文訓読語。 |
さいわいに | さきく(幸) | |
これといって | さして | |
あんなにも | さしも | |
まちがいなく | さだめて(定) | |
そのようにばかり | さのみ(然) | |
あきらか | さやか(明) | |
ますます | さらさら(更更) | |
だけども | されど(然) | |
まい | じ | 助動詞(打消推量)。 |
それから | しかして(而) | |
しかし | しかしながら(然乍) | 漢文訓読語。約まれる「しかし」として口語にても用ゐる。 |
そうはいうものの | しかすがに(然) | |
はっきりと | しかと(確) | |
そのとおりである | しかり(然) | |
それなのに | しかるに(然) | |
何度も | しきりに(頻) | 口語にても用ゐる。 |
おおい | しげし(繁) | |
はげしく | しとと | |
よく | しばしば(屡) | 口語にても用ゐる。 |
しばし | しまし(暫) | 変化したる「しばし」として口語にても用ゐる。 |
しばらく | しまらく(暫) | 漢文訓読語。変化したる「しばらく」として口語にても用ゐる。 |
すきまなく | しみみに(繁) | |
ひっきりなしに | しみらに(繁) | |
ない | ず | 助動詞(打消)。口語にても用ゐる。 |
つまり | すなはち(即) | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
当然 | すべからく(須) | 漢文訓読語。 |
いくつか | そこばく(若干) | |
そもそも | そもそも(抑) | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
ただし | ただし(但) | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
すぐに | ただちに(直) | 口語にても用ゐる。 |
突然 | たちまち(忽) | 口語にても用ゐる。 |
たとえ | たとひ(仮令) | 漢文訓読語。変化したる「たとえ」として口語にても用ゐる。 |
せめて…だけでも | だに | |
くださる | たまふ(給) | 「何何したまえ」などと口語にて慣用的に用ゐる。 |
一瞬 | たまゆら(玉響) | |
さまざま | ちぢ(千千) | |
た | つ | 助動詞(完了)。 |
の | つ | 格助詞。 |
朝早く | つとに(夙) | |
早朝 | つとめて | |
できるだけ | つとめて(努) | |
くわしい | つばひらか(詳) | 変化したる「つまびらか」として口語にても用ゐる。 |
くわしい | つばら(委曲) | |
完全に | つぶさに(具) | |
すこしも | つやつや | |
つくづく | つらつら(熟) | |
するどい。はやい | とし(利・疾) | |
とりわけ | なかにつく(就中) | 漢文訓読語。 |
もしなかったとしたなら | なかりせば(無) | |
するな | なかれ(勿) | |
どうして…か | なにしか | |
全般 | なべて(並) | |
とともに | なへに | |
無理に | なまじひ(憖) | |
そなた | なむぢ(汝) | |
および | ならびに(並) | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
である | なり | 助動詞(断定) |
まさにそうなろうとする | なりなむとす(垂) | 漢文訓読語。 |
た | ぬ | 助動詞(完了)。 |
どうか | ねがはくは(願) | 漢文訓読語。 |
だけ | のみ | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
または | はた(将) | 漢文訓読語。口語の「はたまた」の「はた」なり。 |
非常に | はなはだ(甚) | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
ます | はべり(侍) | |
ひときわ | ひとしほ(一入) | |
ひたすらに | ひとへに(偏) | |
一日中 | ひねもす(終日) | |
のこらず | ふつくに(悉) | |
ことさら | ふりはへ(振延) | |
本当 | まこと(真) | |
ありのままに | まさでに | |
ないだろう | まじ | 助動詞(打消推量)。「あるまじき」などと口語にて慣用的に用ゐる。又、音便形の「まい」としても用ゐる。 |
早くも | まだき | |
たい | まほし | 助動詞(願望)。 |
みだりに | みだりに(妄) | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
みんな | みな(皆) | 変化したる「みんな」として口語にても用ゐる。 |
だろう | む | 助動詞(推量)。 |
どちらかといえば | むしろ(寧) | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
または | もしくは(若) | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
で | もちて(以) | 漢文訓読語。「何何でもって」などと口語にて慣用的に用ゐる。 |
もっとも | もとも(尤) | 漢文訓読語。変化したる「もっとも」として口語にても用ゐる。 |
最初から | もとより(元) | 漢文訓読語。口語にても用ゐる。 |
もっぱら | もはら(専) | 漢文訓読語。変化したる「もっぱら」として口語にても用ゐる。 |
ほどなく | やがて(軈) | |
どうしてか | やはか | |
けちな | やぶさか(吝) | |
ともすれば | ややもすれば(動) | |
しずかに | やをら | |
悶々と | ゆくゆく | |
決して | ゆめゆめ(努努) | |
ため | ゆゑ(故) | |
まさか | よもや | |
から | より | 口語にても用ゐる。 |
よって | よりて(因) | 漢文訓読語。音便形の「よって」として口語にても用ゐる。 |
ちょうどよい具合に | よろしなへ(宜) | |
わたしの | わが(我) | 口語にても用ゐる。 |
強意語は「言の旨を強むる言葉、又は、旨無き言葉なり」。
漢字音を除く、口語に於きて統一せられたる仮名は以下なり。
1.「い、ひ、ゐ」の内、「ひ」が最も多き故、「い」と「ゐ」とを挙ぐ。
2.「う、ふ」の内、「ふ」が多き故、「う」を挙ぐ。
3.「え、へ、ゑ」の内、「へ」が最も多き故、「え」と「ゑ」とを挙ぐ。
4.「お、ほ、を」。
5.「じ、ぢ」の内、「ぢ」が多き故、「じ」を挙ぐ。
6.「ず、づ」の内、「づ」が多き故、「ず」を挙ぐ。
7.「は、わ」の内、「は」が多き故、「わ」を挙ぐ。
8.上の
又、苗字や地名などに多かれど、接尾辞「
9.口語にて「づ」に終はる動詞は用ゐず。仮名遣ひにて「づ」に終はる動詞を覚ゆる事、甚だ重きなる故、分かり易き複合語を除く有る限りを挙ぐ。
10.口語にて「ゆ」に終はる動詞は用ゐず。仮名遣ひにて「ゆ」に終はる動詞を覚ゆる事、甚だ重きなる故、分かり易き複合語を除く有る限りを挙ぐ。