き(匹・疋イ)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 接尾辞 (「ひき(匹)」の変化した語か)
① (「ぎ」とも) 人を数える語か。
※古事記(712)上「愛しき我が邇妹(なにも)の命を、子の一木(ひとつぎ)に易へつるかも」 匹・疋
② (「ぎ」とも) 馬を数える語。 ※書紀(720)雄略一三年三月・歌謡「山辺の 小嶋子ゆゑに 人衒(て)らふ 馬の八つ擬(ギ)は 惜しけくもなし」
③ 布帛の長さの単位に用いる語。ひき。和歌では「木」と掛けて用いられることが多い。 ※後撰(951‐953頃)秋下・三八七「幾きともえこそ見わかね秋山のもみぢの錦よそにたてれば〈壬生忠岑〉」
[補注](1)②の「書紀」の例、前田本では「擬」を「ケ」と訓んでいる。
(2)③の語源を「きる(切)」の語根とする説(大言海等)もある。
広辞苑 ①反物の布帛を数える語。 後撰和歌集秋「幾―ともえこそ見わかね秋山の紅葉の錦」 匹・疋
②馬などを数える語。 詞花和歌集秋「幾―の駒といかで知らまし」
大言海 接尾辞 (キル)るノ語根、(()ノ語原ヲ見ヨ)(タチ)ノ意ナリ、布ニ、 一常 (ヒトキダ)ト云フ語アリ、(ヒキ)(布帛ノ)ノ條ヲ併セ見ヨ〕
布帛ノ長サニ云フ語。(ヒキ)ニ同ジカルベシ。
後撰集、七、秋、下「幾きトモ、エコソ見ワカネ、秋山ノ、モミヂノ錦、ヨソニタテレバ」((タテ)ればニカク)
忠見集、霧立チテ、紅葉ノ木ドモ隱セルニ「色色ノ、モミヂノ錦、きりたちテ、殘レルハテハ、幾きトカ見ム」(霧立、切裁)
匹・疋

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最終更新:2024年05月10日 19:33