辞書 | 品詞 | 解説 | 例文 | 漢字 |
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日本国語大辞典 | 名詞 |
[一] ① 人が多く集まる所。原始社会や古代社会で、高所や大木の生えている神聖な場所を選び、物品交換、会合、歌垣(うたがき)などを行なった。 |
※古事記(712)下・歌謡「大和の この高市(たけち)に 小高(こだか)る 伊知(イチ)の高処(つかさ)」 | 市 |
② 特に物品の交換や売買を行なう所。市場。日を定めて定期的に開かれるものと、毎日定時的に開かれるものとがある。 |
※万葉(8C後)七・一二六四「西の市(いち)にただ独り出でて眼並べず買ひてし絹の商(あき)じこりかも」 ※大和(947‐957頃)一〇三「よき人々いちにいきてなむ色好むわざはしける」 |
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③ (「とし(年)の市(いち)」の略) 特に一二月一七、一八日の浅草観音の市をいうことが多い。 | ※雑俳・柳多留‐五(1770)「市帰り大戸上げろとしょって居る」 | |||
④ 市街。まち。 | ※散木奇歌集(1128頃)雑「数ならぬ我が身はいちの溝なれや行きかふ人の越えぬなければ」 | |||
[二] 「いちこ(市子)①」の略。 | ※雑俳・西国船(1702)「いただいて・鈴より市の笑ひ㒵(がお)」 | |||
広辞苑 | 名詞 | ①品物の交換や売買を行う所。律令制では平城京・平安京に官設の東西の市を置く。中世以降、交通に便利な場所で、はじめは定期的に、やがて常設の市が開かれるようになった。 |
万葉集7「西の―にただ独り出でて」。 「―が立つ」「羽子板―」 |
市 |
②人の多く集まる所。まち。市井。 | 狂言、夷毘沙門「―の中に住んで草鞋はきものに踏み越えられ」 | |||
大言海 | 名詞 |
〔倭訓栞、いち「市ヲ云フ、 (一){人ノ多ク來リ |
神代紀、上
廿九
「會
三
武烈卽位前紀ニ、大和國、 萬葉集、十二 廿九 「紫ハ、灰サスモノゾ、(序ナリ、紫染ニハ、 新六帖、六、蓬「世ニシアラバ、 孟子、梁惠王、下篇「昔者、大王(後ノ周文王)居 レ 邠人曰、仁人也、不 レ 可 レ 失也、從 レ 之者如 レ 歸 レ 市」集註「歸市、人衆而爭 レ 先也」 呂氏春秋、仲夏「關市無 レ 索」註「市、人聚也」 |
市 |
(二){市ト云フ語ハ、人ノ集ル地ナルニ因リテ、物ヲ交易シ、賣買スル所ノ稱トナレリ。 |
顯宗卽位前紀「 續紀、三十、寳龜元年三月「權任 二 出雲風土記、島根郡、 |
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(三){奈良朝ニ至リテ、京城ノ全市街ヲ、東西ニ大別シテ、東市、西市トセラレタリ。山城ノ京都モ、亦然リ。( |
天文本、倭名抄、一、居宅、肆「說文云、市、賣買之所也、 易經、繫辭、下傳「日中爲 レ 市、致 二 天下之民 一 、聚 二 天下之貨 一 、交易而退」 |
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(四)後世ハ、時日ヲ定メテ市ヲ行フ、神社ノ祭日、佛寺ノ緣日、盆ノ草市、年末ノ |
寂蓮法師集(俊成ノ姪)「七條ノ市ノたちケル、云云」 | |||
今、各地ニ、四日市、八日市、ナド云フ地名、存セリ。又、米市、魚市、靑物市、ナド云フハ、每日、時ヲ定メテ行フ、コレヲ |
盛𮕩記、十九、佐佐木取
レ
馬下向事「蒲生郡、小脇ノ八日市ヘ行ク者」 甲斐國志、百一「商賣ノ所 二 會聚 一 、二日市、三日市、四日市、云云、八日市、云云」(東京、日本橋、江戶橋ノ閒ニ、四日市ト云フ地名アリ) |
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