いと(糸)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 繭、綿、麻、毛などの繊維を細く長くのばし、よりをかけて作ったもの。織物糸、縫い糸、編み物糸など。 ※古事記(712)中「糸の従(まにま)に尋ね行けば、美和(みわ)山に至りて神の社に留(とど)まりき」
※枕(10C終)三一「うるはしきいとのねりたる、あはせぐりたる」
糸・絲
② ①のように細く長い形をしたもの。また、そのような形のさま。 「はちすの糸」「くもの糸」
※万葉(8C後)一〇・一八五一「青柳の絲の細(くは)しさ春風に乱れぬい間に見せむ子もがも」
③ 琴、箏(そう)、琵琶、三味線など弦楽器の弦。また、それらの弦楽器や、弦楽器を使う曲。 ※延喜式(927)二一「凡楽器絃料絲。和琴一面〈長六尺二寸料絲二両〉。〈略〉右計須絲。二年一度請受」
※浮世草子・武道伝来記(1687)一「糸(イト)の音じめに愁歎ふくみて」
④ (糸のようなねばりを引くところから) 納豆をいう女房詞。いとひき。 ※御湯殿上日記‐文明一二年(1480)四月四日「みなせよりいとまいる」
⑤ 絹糸。生糸。 ※統道真伝(1752頃)万国「従天竺積来物、絲巻物薬種伽羅蘇木鮫珊瑚珠等也」
⑥ 釣り糸。→糸を垂れる ※草根集(1473頃)二「つりの糸にひとたびかかるうろくつの引るるほどの命をそまつ」
広辞苑 名詞 ①繭・綿・麻・毛などの繊維を細く長くひきのばして、よりをかけたもの。 万葉集20「わが妹子がしぬひにせよと着けし紐―になるとも吾は解かじとよ」。
「針に―を通す」
②琴・三味線などの弦楽器の(げん)。転じて、琴・三味線の異称。 「二の―が切れる」
③生糸。
④釣糸。 「―を垂れる」
⑤細く長くて糸のような線状のもの。比喩的にも使う。 「クモの―」「柳の―」「記憶の―をたぐる」
⑥(女房詞。ねばりをひくところから) 納豆 (なっとう)
大言海 名詞 (一)繭、綿、麻等ニテ、細ソク長ク()キテ()リ作レルモノ。
(二)スベテ、甚ダ細ソク長クシテ、絲ノ如キモノノ稱。 「はりがねノいと」
(三)琴、三絃ナドニ張リテ鳴ラス絲。生絲ニテ作ル。

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附箋:名詞 物品

最終更新:2023年12月03日 20:45