いほ(庵)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 草木で造った粗末な家。仮屋。農事のための仮小屋。 ※万葉(8C後)一〇・二二五〇「春霞たなびく田居に廬(いほ)つきて秋田刈るまで思はしむらく」 庵・菴・廬
② 自分の家を謙遜していう語。いおり ※古今(905‐914)雑下・九八二「わがいほは都のたつみしかぞすむ世をうぢ山と人はいふなり〈喜撰〉」
[語誌](1)意味的にも音韻的にも関連の強い「いへ」と同源と見られる。「いへ」から「いほ」が派生したとの見方もあるが、「いほ」は、家屋形態に主眼があり、それもより原始的なものと思われる。
(2)「いほり」は、もと「いほを作る」という意が含まれていたと思われるが、平安時代以降は「いほ」と同意になり、散文では「いほり」が次第に優勢となった。
(3)「いほ」「いほり」は「庵」「廬」の訓に当てられ、漢文学でのこれらの字の用法に添って、隠遁者の住居も意味するようになった。
広辞苑 名詞 いおり」に同じ。 〈倭名類聚鈔10〉 庵・廬
大言海 名詞 草木ヲ結ビテ作レル、假ノ家。カリホ。クサノカリヤ。 字鏡 三十六 「廬、伊保」
倭名抄、十 十三 「廬、伊保、農人作廬、以便田事

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最終更新:2024年05月06日 20:39