いり(入)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 (動詞「いる(入)」の連用形の名詞化)
① 中にはいること。外から、ある建物や場所、社会の内に移動すること。
※平家(13C前)一一「内侍所都入」
② 日や月が沈むこと。 ※俳諧・流川集(1693)「日の入の雲吹きはらへむら樗(あふち)〈露川〉」
③ ある期間の最初の日。ある時期の始まり。 「梅雨の入り」「土用の入り」
※建内記‐嘉吉元年(1441)四月紙背「夏の入にて候はては、なにともしかたく候はんすれとも」
④ 受け取って自分のものとする金銭。収入。 「月々の入り」
⑤ 代金や借金の一部として払う金銭。うちいり ※咄本・軽口五色紙(1774)上「『是(これ)其処(そこ)へ入(イリ)にして置きや』と金子五十両渡さるれば」
⑥ (「要」をあてることもある) あることをするのに必要な金銭。費用。 「収入も多いが、いりも多い」
※不在地主(1929)〈小林多喜二〉一「米ば運ぶに大した費用(イリ)だ」
⑦ 人や物のはいる分量。また、はいり具合。容量や入場者数。 ※俳諧・大坂独吟集(1675)下「耳のあか取梶はらではやるらし やすさに入のある芝居銭〈重安〉」
※蓼喰ふ虫(1928‐29)〈谷崎潤一郎〉二「小屋は相当の広さであるのに四分通りしか入りがないので」
⑧ (名詞の下に付いて)
(イ) その物がはいっている、含まれていることを示す。
※くれの廿八日(1898)〈内田魯庵〉三「先日新調(でき)た宝石篏入釦鉏(たまイリぼたん)の属(つ)いた吾妻コート」
(ロ) その分量が入ることを示す。 ※説経節・説経苅萱(1631)中「三斗三升いりのおけに、みつをいれいただいて、二十三やの月をこそはおまちある」
⑨ 引っ込んだ奥の所。 ※東関紀行(1242頃)湯本より鎌倉「なにがしのいりとかやいふ所に、あやしの賤が庵をかりてとどまりぬ」
⑩ 謡曲や義太夫節で、高い音階へ突くように声を張り上げる節。
広辞苑 名詞 ①入ること。 「土俵―」「鳴り物―」 入り
②日や月が沈むこと。 「日の―」
③(沖縄で)西。
④(「要り」とも書く)いりよう。入費。ものいり 「―がかさむ」
⑤収入。あがり 「―をはかる」
⑥人や物のはいる量。 「芝居の―がわるい」
⑦特定の期間の最初の日。 「彼岸の―」
大言海 名詞 (一)入ルコト。ハヒルコト。 ()ト、入ト」金ノ入」見物人ノ入」
(二)見エズナルコト。沒スルコト。 「日ノ入」
(三)谷閒ノ奧。(武藏、相摸)
(四)いりしごとノ略。テマシゴト。

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最終更新:2023年12月21日 18:32