いる(射イ)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 他動詞 ① 弓につがえた矢を放つ。鉄砲の弾丸をうつ場合にもいう。 ※万葉(8C後)一・六一「ますらをのさつ矢手挟み立ち向ひ射流(いル)的形は見るにさやけし」
※平家(13C前)一一「奥よりこの矢をゐて候が、ゐかへせとまねき候」
② 矢や弾丸を目的物に当てる。 ※西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)一〇「箭に中(イ)被(ら)れたるらむが如くして」
※平家(13C前)七「矢だね皆いつくして、馬をもいさせ」
③ 光が強く照らす。 ※続浦島子伝記(920)「芙蓉帳開而素月射幌」
④ 鋭い視線を当てる。また、物事を強く印象づける。 ※うたかたの記(1890)〈森鴎外〉上「この二人のさまの殊なるは、早くわが目を射き」
⑤ ねらって取る。 ※小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉上「一時の虚名を射むとするのみ」
広辞苑 他動詞 (近世後期からラ行五段にも活用)
①弓につがえて、矢を放つ。
万葉集1「 大夫 (ますらお)のさつ矢手挿み立ち向ひ射る 円方 (まとかた)は見るにさやけし」
②矢や弾丸を目標にあてる。 平家物語7「馬をも射させ、かちだちになり」。
木下尚江、良人の自白「拙者を射らずして却て君を撃つた」。
(まと)を射る」
③(光が)鋭くあたる。 森鴎外、舞姫「何等の光彩ぞ、我目を射むとするは」。
江見水蔭、船頭大将「眉毛濃く眼鋭くして人を射りぬ」
④ねらって取る。 「利を射る」
大言海 他動詞 ()るト通ズ、はやひと、はいと(隼人)〕
(一){(ツル)ニ懸ケテ、放チ遣ル。(矢ヲ)
(二){矢ヲ射テ、當ツ。 古事記、中(應神) 七十七 長歌「梓弓眞弓、伊切ラムト」
「的ヲ射貫ク」
(三){用ヰテ、矢ヲ放ツ。 倭名抄、四 十六 「射、由美以留」
(四)サシ照ラス。 「日光、室內ヲ射る」
(五)狙ヒテ取ル。 「利ヲ射る」
動詞活用表
未然形 ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし
連用形 たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 いる べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 いる も、かも、こと、とき
已然形 いれ ども
命令形 いよ

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附箋:上一段 他動詞

最終更新:2023年12月21日 20:30