うづ(珍)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 高貴、尊厳、珍貴なもの。 ※書紀(720)神代上「吾、御寓(あめのしたしら)すべき珍(ウヅ)の子(みこ)を生まむと欲(おも)ふ。〈珍、此をば于図と云ふ〉」
※万葉(8C後)六・九七三「天皇(すめら)朕(われ) 宇頭(ウヅ)の御手もち かき撫でそ 労(ね)ぎ賜ふ」
※良寛歌(1835頃)「いくそばくぞうづのみ手もておほみ神にぎりましけむうづのみ手もて」
[語誌](1)「う」は、貴く見事なさまをたたえたほめ言葉。「つ」は上代の格助詞。「うつ木綿」などと慣用されたので、一語と考えられるようになり、濁音化して、さらに格助詞「の」を伴って「うづの幣帛」などのように連体修飾語として用いられたという説がある。
(2)他に、接尾語「なふ」が付いて活用語となった「うづなふ」があるが、これは上代にしか見られない。
(3)「うづ」と意味の近い上代のことばの厳(いつ)、瑞(みづ)が「厳の雄叫(をたけび)」「瑞の御舎(みあらか)」などと使われるのに対し、「うづ」は御子(みこ)、御手(みて)など、人やその身体部分を表わす語を修飾するのに用いられる。
広辞苑 名詞 (神や天皇に関して用いる)貴く立派であること。尊厳なこと。 祝詞、祈年祭「―の 幣帛 (みてぐら)を」
大言海 名詞 (イツ)ト通ズ、うを、いを。(魚)うだく、いだく。(抱)玉篇「珍、貴也、美也、重也」〕
高ク、(イツク)シキコト。貴ク、愛デタキコト。うつ。
神代紀、上「伊弉諾尊曰、吾欲 御宙之珍子 (アメノシタシラサムウヅノミコ)」珍、此云 于圖 (ウヅ)
祈年祭祝詞「 宇豆 (ウヅ) 幣帛 (ミテグ?ラ)
萬葉集、六 廿五 長歌「 天皇朕 (スメ?ラアガ) 宇頭 (ウヅ)ノ御手以チ、搔キ撫テゾ、()ギタマフ」
大殿祭祝詞「 皇我 (スメラワ) 宇都 (ウヅ)ノ御子、 皇御孫 (スメ? ?マノ)命」

検索用附箋:名詞形容

附箋:名詞 形容

最終更新:2024年05月08日 19:10