け(助詞)

大言海
辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 助詞 〘終助〙
[一] (助動詞「けり」の変化した語で、東国で用いられた語) 回想し、確認する意を表わす。親しい間柄の会話だけに用いられる。江戸では、江戸時代後期以後「たっけ」「だっけ」の限られた形で用いられた。→たっけだっけ
① 過去の事柄を思い起こしていう。
※随筆・独寝(1724頃)下「甲斐の国は珍しき辞(ことば)をつかふ所也。〈略〉成ほどそふで有たといふ事をけと云なり。是は下へつけて用ふ。そうだっけ・ほんだっけ・うそで有たけなどいうがごとし」
※土(1910)〈長塚節〉一二「只の水見てえな白粉も有んだって云(ゆ)っけぞ」
② (思い返して)改めて従い、まれに質問する時にいう。「君は来年卒業するんだっけ」「なんだっけ」など。
[二] (「かえ」「かい」の変化した語) 疑問の終助詞。親しい間で用いる。上方では天保以後用いられ、現在も各地の方言として「け」「けえ」の形で残る。 〔新編常陸国誌(1818‐30頃か)〕
※土(1910)〈長塚節〉一「おまんまは冷たかねえけ」
[語誌](一)は、助動詞「けり」の変化したものといわれる。「物類称呼‐五」に「助語 ことのはのをはりにつくことなり 京師にて『ナ』〈略〉武蔵にて『ケ』上総にて『サ』」とあり、武蔵国の特徴的な文末表現として意識されていたことが分かる。現在は東日本の諸方言に分布している。
広辞苑 助詞 (文語助動詞ケリの転。助動詞「た」「だ」に付いて「たっけ」「だっけ」の形で)思い出したり、相手の考えを確かめたりする意を表す。 「小さい時来たっ―なあ」「そんなこともあったっ―」「出発は明日だっ―」

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最終更新:2024年05月10日 19:39