おお(唯)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 感動詞 (表記はいろいろで、「おう」「おお」「あう」「わう」「をう」など)
① 人に答えて承諾・肯定の意を表わす時のことば。また、呼びかけに対するこたえ。
※書紀(720)神武即位前戊午年六月(熱田本訓)「高倉唯唯(越々)と曰すとみて寝(さ)めぬ」
※浄瑠璃・八百屋お七(1731頃か)上「否(いな)にもあらず、稲舟のおうとも得こそ言はれざる」
② 思い出した時に発することば。 ※虎明本狂言・岡太夫(室町末‐近世初)「『それはらうゑいのしの事でござる』『あふそれそれそのらうゑいをくはふ』」
③ 人に呼びかける時に発することば。 ※蜻蛉(974頃)中「『あふ、たちのきて』などいふめれば」
④ 驚いたり、強く感動したりした時に発することば。 ※平家(13C前)四「手ごたへしてはたとあたる。『えたりをう』と矢さけびをこそしたりけれ」
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「ヲヲさむいと云ひながら」
⑤ 神楽(かぐら)などのはやしことば。 ※神楽歌(9C後)庭燎・阿知女作法「本方(もとかた) あちめ 於々々々(オオオオ)」
⑥ うめく時に発する音声。おおん。 ※虎寛本狂言・三人片輪(室町末‐近世初)「惣(そうじ)て瘖唖(おし)と申ものは、〈略〉ををとさへ申せば済事で御ざる」
広辞苑 感動詞 ①答え、承知する時の声。 祝詞、祈年祭「神主・ 祝部 (はふり)等、共に―と(まお)す」
神楽 (かぐら) 東遊 (あずまあそび)などの 囃子詞 (はやしことば)
③思いついた時などの感動の声。 狂言、伊文字「―、その伊勢の国であつた」
大言海 感動詞 ()ヲ、長呼シテ云フナリ、唯唯 (イイ)ノ條ヲ併セ見ヨ〕
謹ミテ、(コタ)フル聲。(メシ)()(ウケ)スル聲。 稱唯 (イシヨウ)ノ聲。(其條ヲ見ヨ)
神武紀 高倉下 (タカクラジ)(人名)「忽夜夢、云云、(マウストミテ) 唯唯 (オオト)(サメヌ)」(板本ニハ、をを)應永本、私記「 於於止末宇須 (オオトマウス)止美弖」(伴信友、應聲考)
祈年祭祝詞「神主 祝部 (ハブリ)等、諸 聞食 (キコシメセ)()リタマフ、神主祝部等(マウス)(オオト)
天治本、神樂次第、四「仰云、 御火白呂久 (ミヒシロク)(タテマ) 津禮 (ツレ)、又、 唯稱須 (オオトマウス)」(神樂入綾、上、所引)
台記、仁平二年正月廿六日、大饗「師經曰、史生 女世 (メセ)ト、官掌聲屈、先稱宇宇津後、稱唯」

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最終更新:2024年02月11日 21:36