こ(子(接尾ロ))

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 接尾辞 [一] (「こと」の変化したもの) 名詞または動詞の連用形などに付いて、…のこと、…することの意を表わす。上が促音化することもある。「あいこ」「ほんこ」「馴れっこ」「構いっこ」など。また、「…(っ)こなし」「…(っ)こない」の形で、…しないことを互いに確認する、…するわけがない、…するはずがない、などの意を表わす。 ※黄表紙・心学早染艸(1790)中「コレサ、そんなきまらぬ事をいいっこなしさ」
※滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「嘘事(うそっコ)だから是でも能(よい)ねへ」
[二] 動詞の連用形や名詞などに付いて、その動作を二人以上ですることを表わす。上の音が促音化することが多い。
① 二人以上で、同じ動作をお互いにすること。「取りかえっこ」「かわりばんこ」など。
② 二人以上で、同じ動作を同時に、競争して行なうこと。くらべ。くら。「当てっこ」「駆けっこ」「にらめっこ」など。
[三] 特に擬声語、擬態語などの副詞などに付いて、そのような状態であることを示す。「ぺちゃんこ」「どんぶりこ」「ごっつんこ」など。
[四] 名詞などに付いて、小さなものの意を表わしたり、親愛の情を示したりする。「べこっこ」「にゃんこ」など。 ※童謡・めえめえ児山羊(1921)〈藤森秀夫〉「藪こあたれば、腹こがちくり」
[五] 名詞に付いて、幼児語または俗語として用いる。「はじっこ」「すみっこ」など。
広辞苑 接尾辞 ①「こと(事)」の下略。 黄表紙、 孔子縞于時藍染 (こうしじまときにあいぞめ) 虚事 (うそっこ)にてめくりを始めても、互いに勝を人に譲り」
②互いにすること。相競うこと。くら。くらべ。 浮世床2「是れは癖だからゆるしつ―」。
「駆けっ―」
③さま。そういう状態。 「どんぶら―」「ぺちゃん―」
④特に意味を持たず種々の語に付く。東北地方の方言などに多い。 (べこ)―の子っ―」「ちゃわん―」「ぜに―」
大言海 接尾辞 〔其物事ノ體ヲ成サシメ、名詞ヲ形作ラシムル語ナルガ如シ、漢語ノ册子、帷子、帽子、瓶子、雉子、倚子、茄子、ナドノ子ト、其意、同ジ、和漢暗合ナリ〕
意味ナク、種種ノ語ノ下ニツクル語。多クハ、(モノ)ノ意ヲ成ス。
猿子 (マシコ) 鵺子 (ヌエコ) 猫子 (ネコ)」(ねう、鳴聲) 猪子 (ヰノコ) 鹿子 (カゴ) 雛子 (ヒヨコ)」(鳴聲) 桑子 (クハコ)」(蠶) 泥子 (ヒヂリコ)」沙子」羽子」 團子 (ダンゴ)」切子」張子」 子」 入子 (イレコ) 呼子 (ヨブコ)」をどり子」(ヒヨメキ) 根子 (ネツコ) 隅子 (スミツコ) 形子 (ナリツコ) 手子 (テツコ) 面子 (メンコ)」大山子」
陸前、陸中ナドニテハ、何ニテモ添ヘテ、 土瓶 (ドビン)こ、 茶碗 (チヤワン)こ、牛ノ子ヲ、べいこノこッこナド云フ、(べいハ、鳴聲)
又、馴ッこニナルナド云フハ、 馴事 (ナレコト)ノ下略カト云フ、(ホン)こ、(ウソ)ッこモ、是レナルベシ、轉ジテハ「名案ノ浮びッこガナイ」分リッこ」 出來 (デキ)ッこ」
又、轉ジテハ「オシャベこ」ネンネこ」ブランこ」ドンブラこ」コツリンこ」(ハチアハセ)ベチャンこ」( 直平 (ヒタ)ノ轉)

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最終更新:2023年05月17日 15:31