おや(親)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 人を生んで養育し、または人の上に立って指導的な役割を果す人物。
① 子を生んだ人。また、他人の子供を自分の子供として養い育てる人。父母、養父母の総称。烏帽子親などの仮親をもいい、また、動物にもいう。⇔
※書紀(720)推古二一年一二月・歌謡「飯に飢(ゑ)て 臥(こや)せる その旅人あはれ 於夜(オヤ)無しに 汝(なれ)生(な)りけめや」 親・祖
② 祖先。祖父母、曾祖父母とさかのぼって、祖先の人々を総称する語。とおつおや ※古事記(712)序「乾坤(けんこん)初めて分れて、参神造化の首と作(な)り、陽陰斯(ここ)に開きて、二霊群品の祖(おや)と為りき」
③ (比喩的に) 元祖(がんそ)。もののはじめ。物を生じるもとのもの。⇔ ※源氏(1001‐14頃)絵合「まづ物語の出できはじめのおやなる竹取の翁に、宇津保の俊蔭を合はせて争ふ」
④ 上に立つもの。長。かしら。また、第一人者。 ※源氏(1001‐14頃)桐壺「国のおやとなりて、帝王のかみなき位にのぼるべき相おはします人の」
⑤ 中心になるような、おもだったもの。大小相対するもののうちの大きな方。「親会社」「親指」など、他の語と熟して用いることが多い。⇔ ※雑俳・五色墨(1809)「親も子もぐたついて来た古障子」
⑥ 刀剣の柄に巻く鮫皮(さめがわ)の表面の小さな粒の間に混じる大きな粒。 ※雑俳・柳多留‐三八(1807)「鮫でさへ親がなければ安くされ」
⑦ 遊戯などのリーダー。⇔
(イ) カルタなどの賭博で、札を配り最初に札を打つ人。前の場の得点の最も多い者がなるのがふつう。
※咄本・鹿の巻筆(1686)三「おやがうちきろふと云により、二くづした」
(ロ) 麻雀、トランプ、カルタなどのゲームで、最初に牌(パイ)や札(ふだ)を出す人。
⑧ 無尽などの発起人。
⑨ 入札の際の売り主。
⑩ 「おやかぶ(親株)」の略。
広辞苑 名詞 ①父と母との汎称。子をもつ者。古くは特に、母。実の父母にも養父母にもいう。また、人間以外の動物にもいう。 推古紀「―無しに(なれ)()りけめや」。
「生みの―より育ての―」「―子」「―犬」
親・祖
②祖先の人々。 神代紀下「遠つ―」。
万葉集3「―の名も継ぎゆくものと」。
「―重代の刀」
③物・事を生ずるもと。
㋐同類のものが次々に現れる、その最初。元祖。
源氏物語絵合「物語のいできはじめの―なる竹取の翁」
㋑物を生じふやすもと。 「―芋」「―木」
㋒親株の略。
④拠り所・中心となるもの。
㋐中心的・支配的位置にあるもの。
栄華物語疑「世の―とおはします事。かの我が御身一つにて」。
「―時計」「―会社」「―ファイル」
㋑花札・トランプなどで、札を配り、札を打ち始める人。
㋒無尽などの発起人。
㋓大小相対するもののうち、大きいもの。 「―指」
大言海 名詞 (オイ)(オホ)ト通ズ、()()ニ對ス〕
(一){我レヲ生ミタル人。男ナルハ(チチ)、女ナルハ(ハハ)ナリ。
推古紀、廿一年十二月、長歌「(イヒ)()(コヤ)セル、ソノ 旅人 (タビト)アハレ、 於夜 (オヤ)無シニ、 汝生 (ナレナ)リケメヤ」
(二){祖父母、曾祖父母ヨリ、數代ノ 前前 (サキザキ)ノ兩親ヲモ、スベテおやト云ヒテ、 父母 (チチハハ)ト區別ナシ。後世ニテモ、(オヤ)重代ノ刀ナドノ語アリ。父祖 神代紀、上 三十 遠祖 (トホツオヤ)
同、下 皇祖 (ミオヤ)
皇極紀、二年九月「() 祖母 (オヤノ)命」
古事記、中(應神) 八十二 (ウレヘ)(マヲス)(ハハニ)之時、 御祖 (ミオヤ)答曰、云云」
續紀、十五、天平十五年五月、詔「天ノ下ノ人ニ、 君臣神 (キミヤツコオヤ)()(父子)ノ(コトワリ)敎ヘタマヒ」
萬葉集、三 五十一 長歌「タマカヅラ、彌遠長ク、(オヤ)(先祖)ノ名モ、繼ギユクモノト、 母父 (オモチチ)ニ、妻ニ 子等 (コドモ)ニ、語ラヒテ」
(三){物ノ出來タル(モト)。元祖。 源、十七、繪合 十一 「マヅ物語ノ 出來 (イデキ)(ハジメ)ノおやナル、竹取翁ニ、空穗ノ俊蔭ヲ合ハセテ爭フ」
(四) (ヲサ)カシラ頭目 榮花物語、十五、疑「世ノおやトオハシマス、我ガ御身ハ」
(五)物ヲ(フヤ)シ生ゼシムル(モト) 「芋ノ(オヤ)
(六)小サキ物ニ對シテ、大イナル物ノ稱。 「扇ノおや骨」おや椀」

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最終更新:2024年03月02日 18:26