かく(闕・缺・欠(他動詞))

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 他動詞 ① 物の一部分をこわす。また、一部を削り減らす。 ※新撰字鏡(898‐901頃)「劓 波奈加久」
※日葡辞書(1603‐04)「カミノ ハシヲ caqu(カク)〈訳〉紙の端を切る」
欠・缺・闕
② 度合、数量などの点で不足する。あるべきものを持たない。欠如する。 ※西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)六「日と月と星宿と常の度において虧(カク)こと無けむ」
※侏儒の言葉(1923‐27)〈芥川龍之介〉作家「文を作るのに欠(カ)くべからざるものは」
③ そろっているはずのもの、続くはずのものの一部を抜かす。 ※蜻蛉(974頃)上「四十九日のこと、たれもかくことなくて、家にてぞする」
※古本説話集(1130頃か)一「朝ごとの御念誦、かかせ給はず」
④ いいかげんにする。おろそかにする。つとめを怠る。 ※栄花(1028‐92頃)見はてぬ夢「滝口・帯刀など番かかずさぶらふ」
※社会百面相(1902)〈内田魯庵〉電影「義理を欠いたを知らんでは無からうが」
⑤ むだにする。費やす。 〔和英語林集成(再版)(1872)〕
広辞苑 他動詞 ①一部分をこわす。損じる。 大唐西域記長寛点「(カイ)たまへる歯有り」。
「茶碗を―・く」
欠く・闕く
②あるべき物を持たない。 西大寺本最勝王経平安初期点「日と月と星宿と常の度において(カク)こと無けむ」。
徒然草「此のほど百日の鯉をきり侍るを今日―・き侍るべきにあらず」。
「―・くことのできない人」「誠意を―・く」「注意を―・く」「決め手を―・く」
大言海 他動詞 (一)削ル。減ラス。不足ニナス。 「下ノ卷ヲかく」 闕・缺・欠
(二){ (コハ) (ソコナ)。(器ナド)毀損 垂仁紀、七年七月「當麻蹶速、云云、强力、以能(カキ)角申鈎」
(三) (ヌカ)。洩ラス。オトス 若宮社歌合「同ジクハ、住ムベキ千代ノ、數トナレ、一夜モかかズ、立ツル錦木」
「疑ヲ闕く」註釋ヲ闕く」
(四)ツヒヤス(イタヅラ)ニナス。消光 (ヒマ)ヲ缺く」
(五)オコタル懈怠 榮花物語、四、見果ぬ夢「瀧口、帶刀ナド、番かかズサブラフ」
「勤ヲ缺く」
動詞活用表
未然形 かか ず、ゆ、る、む、じ、す、しむ、まほし
連用形 かき たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 かく べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 かく も、かも、こと、とき
已然形 かけ ども
命令形 かけ

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附箋:他動詞 四段

最終更新:2024年03月10日 21:06