かず(数)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 一、二、三…など物の順序を示す呼び名。序数。また、数を表わした文字。数字。
② 物の数量や分量などを示す呼び名。物を一つ一つ数えたもの。数量。すう。 ※万葉(8C後)一二・二九九五「逢ふよしの出で来るまでは畳薦(たたみこも)重(へだ)て編む数夢(いめ)にし見えむ」
③ 数量や回数、種類が多いこと。かずかず。たくさん。いろいろ。「かずの」の形で用いられる場合が多い。 ※栄花(1028‐92頃)鳥の舞「今我等かずの仏を見奉りつ。これおぼろけの縁にあらず」
④ 多くの物の中で、特にとりたてて数えあげる価値のあるもの。物のかず。→かず(数)ならず ※源氏(1001‐14頃)須磨「たかき人は、われを何のかずにもおぼさじ」
⑤ 定まった数。定数。定員。また、ある範囲にはいる人。仲間。 ※落窪(10C後)四「おとな卅人、わらは四人、下づかへ四人なん、ゐてくだるかずに定めたりける」
⑥ (籌) 数とりの道具。点数などを数える勝負事の時、串や枝などを、勝ち負けのしるしとして、数さしに突きさすもの。 ※拾遺(1005‐07頃か)雑賀・一一六三「苔むさば拾ひもかへむさざれ石の数をみなとるよはひいくよぞ〈よみ人しらず〉」
接頭辞 名詞の上に付けて、数が多い、安っぽい、粗末な、の意を表わす。「かず扇」「かず雪踏」「かず長櫃」など。 ※俳諧・江戸十歌仙(1678)一〇「ばくちに成し小男鹿の角〈芭蕉〉 数芝ゐぬれてや袖の雨の花〈春澄〉」
広辞苑 名詞 ①一つ、二つ、三つなど、ものを個々にかぞえて得られる値。この概念(自然数)を拡張した抽象的概念(普通には「すう」と呼ぶ)をもいう。→すう。 古今和歌集旅「北へ行くかりぞ鳴くなる連れてこし―は足らでぞ帰るべらなる」。
「―をかぞえる」「―をおぼえる」
②数が多いこと。 夫木和歌抄31「わが国の―の郡のうちにしも」。
「―ある中」「―をこなす」
③取り立ててかぞえるに足る価値のあるもの。 万葉集15「塵ひぢの―にもあらぬ我ゆゑに」。
「人の―にはいる」
④物事の度合。 古今和歌集恋「わが恋にくらぶの山の桜花まなく散るとも―はまさらじ」
⑤数をかぞえる心覚えのしるしとして使うもの。数取り。 拾遺和歌集雑賀「さざれ石の―を皆取るよはひ幾世ぞ」
⑥(接頭語的に)数多くあるありふれた粗末なもの。 「―扇」「―仕事」
大言海 名詞 (カサ)ト通ズルカ〕
(一)(カゾ)フベキモノ。(ハカ)リテ、多キ、少キ、アルモノ。(スウ)
天治字鏡、十 十八 「員、數也、衆也、加須」
(二)數ノ多キコト。クサグサイロイロ多數 「數ノ物」數ノ品」數アリ」數ヲ盡クス」數ヲ殘サズ」
(三)取出シテ、數ヘ立テラルルコト。 萬葉集、十五 三十一 塵泥 (チリヒヂ)ノ、 可受 (カズ)ニモアラヌ、我レユヱニ、思ヒワブラム、妹ガ 可愛 (カナ)シサ」
古今集、十五、戀、五「ハナカタミ、目ナラブ人ノ、アマタアレバ、忘ラレヌラム、數ナラヌ身ハ」
源、十二、須磨 四十四 (タカ)キ人ハ、我レヲ何ノ數ニモ(オボ)サジ」

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最終更新:2024年03月17日 19:59