かつ(難)

日本国語大辞典
広辞苑
辞書 品詞 解説 例文 漢字
大言海 自動詞 〔かぬ(難)ト通ズ、(カタ)くありノ意、(本居宣長)古クハ、かてにヲ、かたにト云ヘリ、(カタ)にナリ、古事記、中 五十三 長歌「君待チ 賀多爾 (カタニ)、吾ガ()セル、(オスヒ)ノ裾ニ、 月經 (ツキ)立タナムヨ」スベテ、何かてト云フ時モ、淸音ナリ、出典ヲ見ヨ〕
かぬ(難)ニ同ジ。爲シ易カラズ。他ノ動詞ニ附ケテノミ用ヰラル。
萬葉集、十四「アラタマノ、伎倍(地名)ノ林ニ、()ヲ立テテ、行キ 可都 (カツ)マジモ、妹先立チネ」(妻、先立テカシ、サラバ我レモ行キ()ヌマジト、發途ノ夫ノ云フナリ)(奈良朝文法史)
崇神紀、十年九月「大坂ニ、()ギ登レル、 石群 (イシムラ)ヲ、手越シニ越サバ、越シ 介弖 (カテ)ムカモ」(石ヲ 手遞傳 (タゴシ)ニ運ババ、越シ()ネム)
萬葉集、十一 三十三 「戀ノ(マサ)レバ、 在勝 (アリカテ)マシモ」(「世ニ在リ()ネマシモノヲ」勝ハ、借字)
同、十四 十四 「行キ過ギ可堤ヌ、妹ハ家ノアタリ」( 難了 (カネヌ)
同、二 三十 「瀧ノ御門ヲ、入リ 不勝 (カテ)ヌカモ」
同、四 十四 「妹ニ戀ヒツツ、寐ネ 不勝 (カテ)ニケム」( 不勝 (フシヨウ)ニテ、かてナリ、萬葉集、三 十九 「別レ 不勝 (カネ)ツル」同、四 五十二 「戀ヒニ 不勝 (タヘズ)テ」)
同、廿 廿 「道ノ 長道 (ナガチ)ハ、行キ加弖ヌカモ」(二首共ニ、 難了 (カネヌ)ナリ、ぬノ終止形ヲ、かもニテ受クルコト、東詞ノ一格トオボユ、萬葉集、十四 二十九 「置キテ 伎努 (キヌ)カモ」同、二十 三十五 「越エテ、 伎怒 (キヌ)カモ」)
此語ノ名詞形ナルハ、
萬葉集、二 十一 「皆人ノ、 得難 (エカテ)ニスト云フ、 安見 (ヤ?スミ?)()(女名)得タリ」
同、廿 三十七 「別レ加弖ニト、引キトドメ」
古今集、十一、戀、一「泡雪ノ、溜レバかてニ、碎ケツツ、我ガ物思ヒノ、繁キ頃カナ」
同、十八、雜、下「ウキ世ニハ、門サセリトモ、見エナクニ、ナドカ我ガ身ノ、出デかてニスル」
新拾遺集、十七、釋敎「メグリ來テ、ナホ古鄕ノ、出デかてヲ、(サソ)フモウレシ、三ツノ小車」
動詞活用表
未然形 かて ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし
連用形 かて たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 かつ べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 かつる も、かも、こと、とき
已然形 かつれ ども
命令形 かてよ

又、「かてに」も参照。

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附箋:下二段 自動詞

最終更新:2024年04月03日 17:44