かね(金)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 金属(金・銀・銅・鉄など)の総称。また、その原料の鉱石、鉱物。 ※源氏(1001‐14頃)浮舟「この籠はかねを造りて色どりたる籠なりけり」
※尋常小学読本(1887)〈文部省〉五「鉄は、堅く且強くして、甚だ要用のかねなり」
金・鉄・銀・銅
② 貨幣。金銭。金子(きんす)。おかね ※竹取(9C末‐10C初)「もしかね給はぬ物ならば彼の衣のしち返したべ」
③ =かねじゃく(曲尺)① ※醍醐寺新要録(1620)「定瑜記云、短冊ノ寸法ノ事、先ツ一問ハ金ノ一尺也」
④ ①でできたもの。金物。金具。 ※源氏(1001‐14頃)夕霧「障子(さうじ)はあなたよりさすべき方なかりければ〈略〉こなたよりこそ、さすかねなどもあれ」
⑤ 「かねしょう(金性)①」の略。
⑥ 金箔(きんぱく)。
広辞苑 名詞 ①金属の総称。金・銀・鉄・銅など。また、金属製品。金具。 源氏物語浮舟「この()は―を造りて色どりたる籠なりけり」。
「靴に―を打つ」
②(近世、上方では貨幣に銀を用いたので多く「銀」の字を当てた)貨幣としての黄金など。金銭。 竹取物語「いま―五十両給はるべし」。
世間胸算用2「―掛くるそばに置きて数をよませ」。
「―に目がくらむ」
大言海 名詞 〔金、銅、鐵ヲ叩ク音ヲ、名トスルカ、かぬかぬ、かんかん。((キン)(ギン)(ドウ))沖繩ニテ、かに〕
(一){金、銀、銅、鐵、鉛、錫、等ノ鑛物ノ總名。(土、石ト別ツ)鑛物
古事記、上 廿四 「取 天金山 (アメノカナヤマ)(カネ)、云云、令鏡」
神代紀、上 二十九 天香山 (アメノカゴヤマ)(カネ)
古語拾遺「天香山(ノカ?ネ)
(二){金、銀、等ニテ、大小、方圓ニ鑄造リテ、分量ヲ定メ、價位ヲ付シ、政府ヨリ國內ニ發行シテ、品物賣買ノ媒ニ通用セシムルモノ。(古クハ、沙金ニテ、分量ニテ通用セリ)幕府時代ニハ、大判、小判、兩、分、朱、等ノ形ニ別テリ、今ハ、圓、錢、等ニ別ツ、其銅製ナルヲ、(ゼニ)トス。(キン)()(ギン)() 金銀 (キンギン) 金錢 (キンセン) 錢金 (ゼニガネ)貨幣 宇津保物語、國讓、下 三十三 「彼ノ包ミシかねハ、百兩ニ足ラデゾアリケル」
宇治拾遺、一、第八條「ソノ人ハ、我金ヲ千兩()ヒタル人ナリ」
「金ヲツカフ」金ヲ貸ス」金ノ利息」
(三)火印 (ヤキガネ)ノ略。其條ヲ見ヨ。 尺素往來「馬自奧州閇伊郡到來、其(カネ)鹿笛者北方、飛雀者南方」
(四)曲尺 (カネザシ)まがりがねノ略。 尤雙紙、曲れる物の品品「大工ノかね」
人倫訓蒙圖彙、四、御錦屋「大和錦、云云、(カネ)一尺、代貳匁五分」
(五)轉ジテ、 () (スグ) 盛𮕩記、三十五、高綱宇治川渡事「宇治川(ハヤ)シトイヘドモ、淵瀨ヲイハズ、サザメカシテ、かねニ渡シ、向ヒノ岸近ク成テ」

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最終更新:2024年04月07日 21:06