かふ(養・飼)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 他動詞 ① 動物に食べ物や水を与える。 ※万葉(8C後)一二・三〇九七「さ檜の隈(くま)檜の隈川に馬駐(とど)め馬に水令飲(かへ)吾外(よそ)に見む」
※源氏(1001‐14頃)野分「虫の籠どもに、露かはせ給ふなりけり」
② 食べ物や水などを与えて生命を養う。飼育する。 ※書紀(720)白雉四年七月・歌謡「鉗(かなき)着け吾が柯賦(カフ)駒は 引出せず」
※観智院本三宝絵(984)下「ちいさきわらは、牛を飼き」
③ (①から転じて) 人や動物に毒や薬などを与える。また、比喩的に用いて、悪知恵などを授ける。 ※天理本狂言・人を馬(室町末‐近世初)「人にくすりをかふて馬になす」
※仮名草子・浮世物語(1665頃)三「馬銭(まちん)といへる毒を飼(カフ)て殺したるらん」
広辞苑 他動詞 ①動物にえさや水を与える。 万葉集12「さ桧の(くま)桧の隈河に馬とどめ馬に水―・へわれ(よそ)に見む」。
平家物語2「(むま)どもは(むまや)になみ立ちたれども草―・ふもの一人もなし」。
日葡辞書「エ(餌)ヲトリニカウ」
飼う
②動物に食を与えて養っておく。飼養する。 孝徳紀「(かなき)着れ()が―・ふ駒は」。
万葉集12「たらちねの母が―・ふ() 繭籠 (まよごも)り」。
日葡辞書「ウマ・ウシヲカウ」「トリヲカウ」
③投与する。盛る。 日葡辞書「ドクヲカウ」
大言海 他動詞 ()ふト通ズルカ、口ニ支ふ意、宛テがふ、(ツチ)かふ、同ジ〕
(一)動物ニ飮食セシム。
萬葉集、十二 廿八 「駒ニ水 令飮 (カヘ)
催馬樂、其駒「其駒ゾ、云云、草ハ取リ加波ム、水ハ取リ 加波 (カハ)ムヤ」
源、二十八、野分 十一 童女 (ワラハベ)(庭ニ)(オロ)サセタマヒテ、蟲ノ()ドモニ、露かはセタマフナリケリ」
養・飼
(二)動物ニ食ヲ與ヘテ、養ヒ置ク。飼養 孝德紀、白雉四年七月「吾ガ 柯賦 (カフ)駒ハ」
萬葉集、二 廿九 鳥塒 (トグラ)立テ、()ひシかりのこ、巢立チナバ、眞弓ノ岡ニ、飛ビカヘリ()ネ」
動詞活用表
未然形 かは ず、ゆ、る、む、じ、す、しむ、まほし
連用形 かひ たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 かふ べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 かふ も、かも、こと、とき
已然形 かへ ども
命令形 かへ

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附箋:他動詞 四段

最終更新:2024年04月13日 18:57