かぶ(株)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 植物の根もと。
(イ) 木を切った後に残った幹または根。きりかぶくいぜ
※玉塵抄(1563)一〇「枯れ朽た木のかぶに芝菌のくさびらがはゆるぞ」
(ロ) 植物の何本にもなった根もと。株立ち。 ※御湯殿上日記‐文明一八年(1486)正月八日(頭書)「うちのちおん院より、なんてんのかふともあまたまいる」
② 他に対して占める地位、身分。
(イ) 近世、官許された特定の業者仲間の組合員や御家人、名主、家主などが世襲、継続した地位、身分、格式、業務。その数が限定されて権利となり、売買・譲渡の対象となった。
※俳諧・西鶴大矢数(1681)第一一「或はかね初瀬の寺に聞ゆなる 酒の家符(カフ)買杦の下陰」
(ロ) 広く職業・営業上での特権、地位、資格、役職をいう。 ※俳諧・西鶴大矢数(1681)第二「二年懸工みて舟を作られたり 商売替て酒の大家符」
(ハ) 一般に、身分。家柄。一族。 ※人情本・清談若緑(19C中)二「旦那もまたこの土地では、名も知られた株(カブ)で居ながら」
③ その人の持ち前となっている動作、状態。特有のくせ。独特の点。得意な点。持ちまえ。おかぶ。お得意。 ※雑俳・川柳評万句合‐宝暦一一(1761)義三「中宿の女房は毒をかぶにして」
④ 「かぶしき(株式)」「かぶけん(株券)」の略。また、その売買。 ※会社弁(1871)〈福地桜痴〉諸会社取建の手続大要「会の大小に応じ財本の高を割り、何百両又は何千両を以て一株と定むべし。之を会社の株と唱ふ」
接尾辞 ① 根のついた植物を数えるのに用いる。 〔日葡辞書(1603‐04)〕
※俳諧・続猿蓑(1698)春「一かぶの牡丹は寒き若菜かな〈尾頭〉」
② 菌、バクテリア、培養細胞等を数えるのに用いる。
③ 株券を数えるのに用いる。 「本日の出来高九千万株」
④ (名詞の下につけて) そういう身分、資格を持つ者の意を表わす。 ※黄表紙・金々先生栄花夢(1775)「なんでも江戸へ出で、番頭かぶとこぎつけ」
広辞苑 名詞 ①伐り倒した木の残った幹または根。くいぜきりかぶ
②植物の何本かが一緒になった根元。 「稲の―」「―わけ」
③根のついた植物を数える語。
④江戸時代に 株仲間 (かぶなかま)の組合員の独占した権利。転じて、広く職業・営業上の特権または専売特権。 「相撲の年寄―」
⑤江戸時代に売買された役目または 名跡 (みょうせき) 「同心の―」
⑥株式または株券。 「―でもうける」
もちまえおかぶ 浮世風呂2「此のばあさまは…泣言ばかりいふが―なり」
⑧身分。資格。地位。 「おやじ―」
大言海 名詞 根莖 (カブラ)ノ略、(カブラ)、かぶ〕
(一)切リ倒シタル樹ノ根ノ、土上ニ存スル部。クヒゼキリカブ
(二)職業、商業ナドニ、官ノ免許、仲閒ノ中合セナドニテ、若干ノ家ニ限リテ、專ラ、其職ヲ繼ギ、其業ヲ營ムヲ得ルコト。 「同心ノ株」名主ノ株」問屋ノ株」
(三)銀行、諸會社ノ類ニ、數人組合ヒテ 資本 (モトデ)ヲ出シ、各、其所有主ノ分際タルコト。其人ヲ、 株主 (カブヌシ)ト云ヒ、其所有權ヲ、 株式 (カブシキ)ト云ヒ、其所有ヲ證スル證書ヲ、 株劵 (カブケン)ト云フ。
(四)草木ヲ、根ニテ數フルニ云フ語。株劵、株式ニモ云フ。
(五)持前トナリ居ルコト。おかぶ常習癖 浮世風呂(文化、三馬)二編、下「此(バア)サマハ、泣言バカリ云フガ、かぶナリ」
「オかぶノシャレガ出タ」

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最終更新:2024年04月13日 21:14