かみ(紙)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 植物繊維を水中でからみ合わせ、薄くすきあげて乾燥したもの。大別して手すき紙(和紙)、機械ずき紙の二種とする。 ※書紀(720)推古一八年三月「高麗(こま)の王(きし)、僧曇徴・法定を貢上(たてまつ)る。曇徴は五経を知れり。且(また)能(よ)く彩色及び紙(かみ)墨を作り、并(あはせ)て碾磑(みづうす)造る」
② じゃんけんで、指を全部ひらくこと。ぱあ ※明治大正見聞史(1926)〈生方敏郎〉憲法発布と日清戦争「ちいりこ(東京のジャンケン)できめ、ちいりこさいよ。合こでさいよ。と手を振り鋏や石や風呂敷(東京の児童のいふ紙)の形を出して決める」
③ 「かみばな(紙花)②」の略。 ※雑俳・川傍柳(1780‐83)四「もしへ紙を一枚おくんなんしょ」
④ 紙入れ、財布のこと。 ※江戸繁昌記(1832‐36)五「且つ其の隠語、紙を楂志と曰ひ〈略〉按に楂志とは、楂志発沙夢(さしはさむ)の略。之を懐抱に夾めばなり」
[語誌]①の手すき紙は一〇五年中国後漢の蔡倫がその製法を大成したといわれる。日本へは高句麗を経て六一〇年に製法が伝えられ、その後種々改良が施されて現在の和紙となり、最も丈夫で美術的な紙として知られている。機械ずき紙は一七九八年フランス人が初めて造ることに成功したが、普通、洋紙と板紙とに分けられる。また、石油を原料とする紙酷似品もある。
広辞苑 名詞 ①主に植物性の繊維を材料として、アルカリ液を加えて煮沸し、さらにつき砕いて軟塊とし、樹脂または糊などを加えて()いて製した薄片。書画・印刷・包装などに使う。後漢の 蔡倫 (さいりん)の発明といわれてきたが、前漢期遺跡から古紙が出土し、前漢初期の開発。もと麻布の 襤褸 (ぼろ)を原料としたが、和紙は(こうぞ) 三椏 (みつまた)・雁皮なぢうぃ、洋紙はパルプ・襤褸・藁などを原料とする。ジス(JIS)には寸法についての規格があり、「A5」「B6」などという。 推古紀「―墨を作り」
②(じゃんけんで)手のひら。ぱあ
大言海 名詞 (カヌ)ノ字音ノ、かぬ、かに、かみト轉ジタルナリ、爾雅、釋器、疏「簡、竹簡也、古未紙、載文于 一レ 簡、謂之簡札」推古天皇ノ御世ニ、高麗僧、來朝シテ、始メテ紙ヲ造レリ、貞丈雜記、九ノ書札ノ條ニ、()(ガミ)ハ、 手簡 (シユカン)ヲてかんト讀ミ、又、てがみト讀ミタガヘタルナルベシト云ヘリ( 手段 (シユダン)、てだん)〕
書畫ヲカキ、又ハ、物ヲ包ムナド、種種ノ用ヲナスモノ。楮ノ皮ヲ剝ギ、粗皮ヲ去リ、煮テ細カニ打碎キ、 黃蜀葵 (トロロアフヒ)ノ根ノ粘液ト、水トヲ加ヘテ、簀ノ上ニ、甚ダ薄ク敷キテ、乾シテ成ル。色白キヲ常トスレド、又、種種ノ色ニモ染ム。(カヂ)、がん、みつまた、(クハ)、ふよう等モ、皆、白紙ヲ作ルベシ、製法、(ホボ)同ジ。紙ノ類ニ、 鳥子 (トリノコ)紙、 檀紙 (ダンシ)、薄樣、杉原、奉書、()(ギク) 程村 (ホドムラ)、西ノ內、美濃紙、半紙、駿河半紙、 天具帖 (テングデフ)、吉野紙、糊入、仙花、雁皮、 藥袋 (ヤクタイ)()、等、種類、極メテ多シ、各條ニ注ス。西洋紙ハ、木材、 襤褸 (ボロキレ)、藁ナドニテ作ル。亦、其製、種種ナリ。
倭名抄、十三「紙、賀美」
推古紀、十八年三月「高麗王貢上僧曇徵法定、曇徵能作彩色之紙墨

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附箋:名詞 物品

最終更新:2024年05月08日 21:06