くき(岫・洞)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 山の斜面やがけにあるほらあな。 日本書紀(720)仲哀八年正月「皇后(きさいのみや)は別船にめして洞海〈洞、此には久岐(クキ)と云ふ〉より入りたまふ」
② 山頂。山の峰。 〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
[補注]( 1 )「草くき」「かやくき」とともに動詞「くく」「たちくく」「とびくく」と関係づけて、「潜る」「漏れる」の意から「穴」をいうとされる。
( 2 )「岫」の字は、「説文」「爾雅」に「山有穴」とあって穴のある山の意であるが、「巖穴」をいうとの注もある。なお、「景行紀」「欽明紀」に見られる「峯岫」「巖岫」を古訓でミネクキ、イハクキと訓んでいる。
広辞苑 名詞 山の洞穴。また、山頂。 万葉集5「夕の―に霧結び」
大言海 名詞 ()くノ名詞形、爾雅、釋山篇「山有穴爲(シウト)」註「謂 巖穴 (イハアナ)」〕
(一)山ノ、(ホラ)アル處。
仲哀紀、八年正月「洞、此云久岐
天治字鏡、六「岫、山穴、久支」
岫・洞
(二)轉ジテ、山。岡。 景行紀、十八年七月「其山 峯岫 (ノミネクキ)重疊」
萬葉集、十二 三十四 「玉クシロ、卷キ寐シ妹ヲ、月モ經ズ、置キテヤ越エム、此山ノ(クキ)
字鏡 八十四 「嶂巒、岑也、久支」

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最終更新:2024年06月13日 17:32