くつ(朽)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 自動詞 ① 腐って形を失う。腐りくずれる。また、こわれる 日本書紀(720)垂仁二八年一一月(北野本室町時代訓)「遂に死(まか)りて爛(クチ)臰(くさ)りぬ」
万葉集(8C後)一一・二五三八「ひとり寝(ぬ)と薦(こも)朽(くち)めやも綾蓆(あやむしろ)緒になるまでに君をし待たむ」
日葡辞書(1603‐04)「カタナガ cuchita(クチタ)」
② 人の名や名誉などが衰える。すたれる 源氏物語(1001‐14頃)葵「人の御名のくちぬべき事をおぼし乱る」
③ むなしく終わる。死ぬ。 宇津保物語(970‐999頃)俊蔭「かかる所に、かりにてもひとりはありや。やがてこの住処(すみか)にくちぬべきより」
広辞苑 自動詞 ①物体が腐って形を失う。腐れこわれる。こわれ損じる。 万葉集11「独り()(こも)―・ちめやも 綾席 (あやむしろ)緒になるまでに君をし待たむ」。
源氏物語賢木「御歯の少し―・ちて口の内黒みて笑む給へる」。
日葡辞書「キガクツル」「カタナガクチタ」。
「半ば―・ちかかった橋」
朽つ
すたれる。駄目になる。 源氏物語末摘花「人の程の心苦しきに名の―・ちなむはさすがなり」
③消滅する。なくなる。 あきみち「その時たがひの恨みは―・ちにけり」。
「異郷に―・ちる」
大言海 自動詞 (クタ)る、(クヅ)るニ通ズ、(タガ)ぬ、(ツカ)ぬ〕
(一)枯レ、(クヅ)ル。腐レテ、(コハ)ル。
後撰集、廿、賀、碁盤出ダサセタマヒケル、云云「斧ノ柄ノ、くちムモ知ラズ、君ガ代ノ、盡キム限リハ、打チ試ミヨ」(仙人ノ圍碁ヲ見テアリテ、斧ノ柄ノ朽チタリト云フ故事ヲ詠メリ)
(二)𮕩フ。 (スタ) 源氏物語、六、末摘花 三十一 「人ノ程ノ心苦シキニ、名ノくちナムハ、サスガナリ」
動詞活用表
未然形 くち ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし
連用形 くち たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 くつ べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 くつる も、かも、こと、とき
已然形 くつれ ども
命令形 くちよ

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附箋:上二段 自動詞

最終更新:2024年06月12日 22:08