くひ(杙)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 「くいぜ(株)」の略。 万葉集(8C後)一六・三八四六「法師らが鬚の剃り杭(くひ)馬つなぎいたくな引きそ法師は泣かむ」 杭・杙・株
② ( 杭・杙 ) 地中に打ち込み、または埋め立てて、目印や支柱などにする木、鉄、コンクリートなどの棒。くえ。 琴歌譜(9C前)七日あゆだ振「朝猟に 汝夫(なせ)が通りし 橋の前 久比(クヒ)を宜しみ」
宇治拾遺物語(1221頃)一「庭にくひどもうちて、据ゑわたしたり」
③ ( 杙 ) ( 「とき(時)の杙(くい)」の略 ) 中古、宮中で時刻を知らせる札をささえるために立てた杙。 枕草子(10C終)二九〇「時のくひさす音などいみじうをかし」
広辞苑 名詞 地中に打ち込む長い棒。目印や支柱にする。 大唐西域記長寛点「(かたわら)なる(クヒ)()む」。
「―を打つ」
杭・杙
大言海 名詞 (クヒ)(クヒ))ノ義ニテ、地ニ嚙ひ(食ひ)入ル意カ、 螉䗥 (クヒ)ト同義ナルベシ、 支柱 (ツツカヒ)ヲ、すけ(助)ト云ヒ、(カイ)モ、搔きノ音便ニテ、水ヲ搔きヤル意ナルト、同趣〕
(一)長キ材ヲ、地ニ打込ミ、或ハ、()メ立テタルモノ。
古事記、下(允恭) 廿三 長歌「上ツ瀨ニ、()久比ヲ打チ、下ツ瀨ニ、()久比ヲ打チ、齋久比ニハ、鏡ヲカケ、眞久比ニハ、眞玉ヲカケ」
天治字鏡、七「杙、久比」(倭名抄、同ジ)
「柵ノ杙」 榜示 (ハウジ)杙」橋ノ杙」(ミヲ)杙」網代ノ杙」
(二)ときのく ()。(ときのふだノ條ヲ見ヨ) 枕草子、十一、百四十五段「時奏スル、云云、時のくひサス音、云云、スベテ、夜ノミゾ、くひハサシケル」

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最終更新:2024年06月15日 21:23