くま(熊)

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日本国語大辞典 名詞 ① クマ科に属する哺乳類の総称。体はよく肥え、がんじょうで、毛はあらく、毛色は褐色、黒色、白色など種類によって異なる。体長は最大種ホッキョクグマで約三メートル。四肢は太くて短く、強大なかぎ爪を備える。尾は短い。臭覚が優れ、雑食性で魚、小獣、木の実、草などを食べる。冬は穴の中で絶食して過ごすことが多い。肉は食用、毛皮は敷物、胆嚢は「くまのい」といって薬にする。北極地方から熱帯林まで分布し、七種がいる。日本には本州以南に、黒色でのどの下に三日月形の白斑のあるツキノワグマが、北海道には大形のヒグマがすむ。《 季語・冬 》 古事記(712)中「熊野村に到りましし時、大熊(くま)髪(ほの)かに出で入りて即ち失せき」
② 毛深いこと、また、毛深い人をいう。 雑俳・寄太鼓(1701)「若衆が足から熊になりにけり」
③ 劇場で、前に鉄柵(てっさく)のある立見席にいる観客。おりの中の熊と似ていたところからの称。立見。大向う。
④ 髪がのびたのを表現するため、鬘(かつら)の月代(さかやき)の部分にはった熊の毛。
語素 動植物名の上に付けて、形が大きいこと、力が強いことなどをあらわす。「くま蜂」「くま笹」「くま蝉」など。
広辞苑 名詞 ①ネコ目クマ科の哺乳類の総称。アジアにヒマラヤグマ・マレーグマ・ナマケグマ、北米にアメリカクロクマ、南米にメガネグマ、さらに北極周辺にホッキョクグマ(シロクマ)とヒグマの七種がいる。体は太く、四肢は短い。日本の本土産はヒマラヤグマの亜種で、毛は一般に黒、喉に三日月形の白斑をもつのでツキノワグマと呼ばれる。広葉林を好み、よく木に登る。雑食性だが、植物質をよく食べる。北海道のクマはヒグマで、ツキノワグマより大形、毛は赤褐色から黒。〈[季]冬〉。 源氏物語若菜上「かひなき身をば、―・狼にも施し侍りなん」
②(劇場の立見の場所は、前に鉄柵があったので檻の中の熊に見立てていう)劇場で立見する人の称。
③(接頭語的に)強く荒く恐ろしいさま、また、大きい意を表す語。 神代紀下「八尋の大―鰐」。
古事記中「 ―樫 (くまがし)が葉」。
「―(ぜみ)
大言海 名詞 隈獸 (クママ)ヲ成語トシテ、穴居スレバ云フ名カ( 氈獸 (カマシシ)ナドモアリ)朝鮮語ニテハ、こむト云フ〕
(一)猛獸ノ名、(タケ)、四尺許、全身、爪ニ至ルマデ黑ク、唯、喉ノ下ニ白キ處アリテ、形、半輪ノ月ノ如シ、(ツキ)()ト云フ、眼、小サクシテ、(カド)ヲナシ、前脚、短ク、後脚、長ク、四脚共ニ、太クシテ、皆、(クビス)ニテ步ム、力、殊ニ强ク、能ク樹ニ上ル、深山中ニ棲ミテ、果ヲ食トス、冬ハ穴居ス、飼ヘバ馴ルベシ。皮ヲ敷物トスベク、肉モ美ナリ、膽ヲ、くまのい又ハ、 熊膽 (ユウタン)ト云ヒテ、健胃ノ藥トシテ、大イニ貴ブ。又、赤熊、白熊、し熊、等アリ、各條ニ注ス。
字鏡「熊、久萬」(倭名抄、同ジ)
萬葉集、十一 三十二 「荒熊ノ、棲ムト云フ山ノ」
新六帖、二「奧山ニ、住ム荒熊ノ、月のわニ、夜目コソイトド、曇ラザルラメ」
(二)强ク大イナルモノヲ呼ブ語。 「熊蜂」熊鷹」熊蟬」熊蛭」

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附箋:動物 名詞 語素

最終更新:2024年06月19日 21:12