くむ(組(自動詞))

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 自動詞 ① 手と手、足と足などをからめる。また、互いに相手を押えつけようとして争う。組打ちをする。とっくみあう。 平家物語(13C前)七「よい敵と目をかけ、鞭、あぶみを合はせて馳せ来たり、押し並べてむずとくむ」
② ある目的のために仲間になる。協力する。→与(くみ)する。 蘇悉地羯羅経略疏天暦五年点(951)六「夢の中に真言の主背き去りて、或は与(クミ)語らはずは、更に起首すべしといふことを明す」
他動詞 ① 糸などの細長いものを交互にからみ合わせる。あざなう。編む。 宇津保物語(970‐999頃)俊蔭「青つづらを大なる籠(こ)にくみて、いかめしきくり・とちを入れて」
② 交え合わせる。交差させる。 平家物語(13C前)八「外侍には家子郎等肩をならべ、膝を組てなみゐたり」
③ 組み合わせて作る。作り構える。 方丈記(1212)「土居(つちゐ)をくみ、うちおほひを葺きて、継目ごとにかけがねを掛けたり」
④ 印刷で、原稿に従って活字を並べる。 断橋(1911)〈岩野泡鳴〉八「然し、社長、ここ、少くとも百円の手金を打たねば、印刷屋が原稿を組み出さんぢゃないか?」
⑤ 個々のものをまとめて組織を作る。編成する。 尋常小学読本(1887)〈文部省〉七「印度人は〈略〉多数の人民、隊を組み、象馬などを引き連れて、虎狩を為すことあり」
広辞苑 自動詞 ①手足などをたがいにからみ合わせる。 古事記下「後も―・み寝むその思ひ妻あはれ」 組む
②取り組む。組討ちする。 平家物語9「あはれ、よからう大将軍に―・まばや」。
「土俵上で四つに―・む」
③事をするために仲間になる。組になる。 「三人で―・む」「兄弟―・んで悪事を働く」
他動詞 ①糸などの細長いものを打違いにからみ合わせる。織る。編む。 宇津保物語初秋「くろかねをすき箱に―・まれたるくみめ、いとおも白く」
②打ち違える。交差させる。 日葡辞書「テヲクム」「テヲトリクム」。
「足を―・む」「腕を―・む」
③打違いに作り構える。組み合わせて作る。 平家物語(延慶本)「石を重ねて塔を―・み」。
「やぐらを―・む」「活字を―・む」
④組織する。編成する。 「徒党を―・む」「時間割を―・む」「ローンを―・む」
大言海 自動詞 次條ノ語ノ(二)ノ、自動トナルモノ〕
(一)互ニ、手ニ手ヲ取リテ、抑フ。トリクム相抱持
保元物語、一、白河殿攻落事「馳變テ(クメ)ヤ、者ドモ」
(二)事ヲ成サムト、共ニナル。(ナカ)()ヲ作ル。 (クミ)
動詞活用表
未然形 くま ず、ゆ、る、む、じ、す、しむ、まほし
連用形 くみ たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 くむ べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 くむ も、かも、こと、とき
已然形 くめ ども
命令形 くめ

検索用附箋:自動詞四段 検索用附箋:他動詞四段

附箋:他動詞 四段 自動詞

最終更新:2024年06月19日 23:02