くり(栗)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① ブナ科の落葉高木。また、その実。北海道の南西部、本州、四国、九州の山地に生え、果樹として栽培もされる。幹は高さ一〇メートル、径三〇センチメートルぐらいになる。葉は短い柄のある長楕円形で長さ六~一五センチメートルになり、縁には針状にとがった切れ込みがある。雌雄同株。初夏、長さ一〇~二〇センチメートルの黄白色の雄花穂をつけ、その基部に二~三個の雌花がつく。果実は熟すと裂開する扁球形のいがに包まれており、堅い果皮と渋皮をとり去って食用にする。材は堅く、腐朽しにくいので、建築、船舶、器具、枕木用材とし、またシイタケの培養原木や薪炭材にも使う。樹皮のタンニンは染料および鞣(なめし)革に用いる。栽培種としては本種の他に、アマグリ(シナグリ)、ヨーロッパグリなどが栽培されている。《 季語・秋 》 日本書紀(720)持統七年三月「詔して天の下をして桑・紵(からむし)・梨・栗(くり)・蕪菁(あをな)等の草木を勧め殖ゑ令む」
万葉集(8C後)五・八〇二「瓜はめば 子ども思ほゆ 久利(クリ)はめば ましてしのはゆ」
② ①の木材。栗材(くりざい)。 説経節・をくり(御物絵巻)(17C中)六「くりのきばしらを、たうたうとよりこませ、ねびきにさせて」
③ 「くりいろ(栗色)」の略。
④ 「くりのもと(栗本)の衆(しゅう)」の略。
⑤ 紋所の名。栗の実に二枚の葉を配したもの。
広辞苑 名詞 ブナ科の落葉高木。低山地の落葉樹林に広く分布。樹皮は暗褐色。葉は長さ8~12センチメートルの長楕円形、刺状の鋸歯があり、互生。六月頃花穂を出し淡黄色の細花をつける。単性花で雌雄同株。果実は「いが」で包まれ、食用・菓子などにする。木材は耐久・耐湿性が強く、家屋の土台、鉄道の枕木、()・車・運動具などに用いる。〈[季]秋〉。「栗の花」は〈[季]夏〉。 万葉集5「瓜はめば子ども思ほゆ―はめばまして(しぬ)はゆ」
大言海 名詞 (クリ)ノ義、くりの木ト云フガ、成語ナルベキカ、樹ノ皮ハ黑灰色ニテ、()ノ鬼皮ノ色ハ赭黑ナリ〕
(一){喬木、高サ、二三丈、葉、甚ダ(クヌギ)ニ類ス、梅雨ノ中ニ、葉ノ閒ニ、三四寸ノ穗ヲ垂レテ、黃白色ノ、極メテ小サキ花、簇リ開ク、後ニ、實ヲ結ブ、圓ク扁クシテ、 毛刺 (イガ)密ニ生ジテ、銳シ、中ニ二三子アリ、秋ノ末ニ、自ラ裂ケテ落ツ、皮、堅ク、(カド)アリ、色、赭黑ニシテ、鬼皮ト云フ、其肉甚ダ甘美ナリ、材、堅クシテ、用、多シ。
古事記、中(應神) 七十一 長歌「(ミツ) 具理 (グリ)
字鏡 三十 「栗、久利」(倭名抄、同ジ)
(二)栗色 (クリイロ)ノ略、其條ヲ見ヨ。

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附箋:名詞 植物

最終更新:2024年06月22日 20:56