こく（扱）

辞書	品詞	解説	例文	漢字
日本国語大辞典	他動詞	① 細長い本体に付いているものを、手でこすったりして、むりに離し落とす。また、草木を根のついたまま引き抜くこともいう。むしり取る。しごく。後には、単にこすることをもいう。	〔新撰字鏡（898‐901頃）〕 枕草子（１０Ｃ終）九九「稲といふものをとり出でて〈略〉五六人してこかせ」 黒潮（1902‐05）〈徳富蘆花〉一「土屋伯は、頻(しきり)に鬚(ひげ)を綽(コ)いて居る」	扱
		② 力や技をふるう。→腕をこく。	〔文明本節用集（室町中）〕
		③ 打つ。たたく。なぐる。	応永本論語抄（1420）里仁第四「漢の伯瑜が母の若き時、枝を以てこかれたれば」
広辞苑	他動詞	①細長い物などを片手で握って他の手で引く。しごく。また、しごいて掻きおとす。	古今和歌集秋「もみぢばは袖に―・き入れてもていなむ秋は限りと見む人のため」。 日葡辞書「イネヲコク、また、コキヲトス」	扱く
		②しごいて引き抜く。
大言海	他動詞	〔 搔 (カ)くト通ズ（ 搔 (カキ) 雜 (マ)ず、こきまず）集韻「扱、迄及切、音 吸 (キフ)、 斂取 (ヲサメ　?　?)也」〕 （一）｛搔キオトス。引張リ、取ル。チギリトル。	雄略紀、六年三月「天皇欲 レ 使 三 后妃親 桑 (カラクハコキテ)、以勤 二 蠶事 一 」 後撰集、十二、戀、四「引繭ノ、カク 二籠 (フタゴモリ)、セマホシミ、桑こきタレテ、泣クヲ見セバヤ」（こきたるノ條ヲ見ヨ） 枕草子、五、五十段「稻ト云フモノ、云云、五六人シテ、こかセ」 齋宮女御集「御前ノ藤ヲナム、 隱 (シノ)ビテこく人アリ」 字類抄「扱、コク」 眞名伊勢物語「 扱 (コク)」	扱
		（二）左手ニ握リテ、右手ニテ引ク。シゴク。	「槍ヲこく」綱ヲこく」

動詞活用表
未然形	こか	ず、ゆ、る、む、じ、す、しむ、まほし
連用形	こき	たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形	こく	べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形	こく	も、かも、こと、とき
已然形	こけ	ども
命令形	こけ

検索用附箋：他動詞四段

附箋：他動詞 四段