こし(輿)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 乗物の一種。人を乗せる台の下に二本の轅(ながえ)をつけて、肩にかつぎ上げ、または手で腰の辺にさげて行くもの。台の四隅に柱を立て、屋根をつけた四方輿(しほうごし)、側面を覆った網代輿(あじろごし)、筵輿(むしろごし)、板輿(いたごし)、塗輿(ぬりごし)などの種類がある。 竹取物語(9C末‐10C初)「御こしに奉りて後にかくやひめに」 輿
② 能楽の作り物の一つ。輿の屋根にかたどり、竹で四角に枠を組み、赤い細布でこれを巻いて、上に絹を覆う。轅には白布を巻き、乗り手を間にはさみ、ワキ・ワキツレの両人で後方から乗り手の頭上にさしかける。「国栖(くず)」「盛久(もりひさ)」「蝉丸(せみまる)」などに用いる。
③ 棺(かん)を載せて肩にかつぐ輿(こし)。 雑俳・柳多留‐八(1773)「相談をしいしいこしの跡を行」
④ 神輿(しんよ・みこし)。
[語誌]( ①について ) 中古以前は、駕輿丁(がよちょう)の肩にかつがせ、輦(れん)と呼んで天皇の御料とした。中古以後は力者(ろくしゃ)に腰に副えて持たせ、一般の遠行の際の乗用とし、鎌倉・室町時代には、大礼に牛車(ぎっしゃ)を用いる以外は常にこれを用い、江戸時代に至っては牛車はほとんど用いることなく、これを規式の用とし、普通は駕籠乗物となった。
広辞苑 名詞 ①屋形の内に人をのせ、その下にある二本の長柄で肩に()き上げ、または手で腰の辺にささえて運ぶ乗物。身分によって形状が異なる。 鳳輦 (ほうれん) 葱花輦 (そうかれん) 腰輿 (たごし)・板輿・ 網代輿 (あじろごし)・張輿・塗輿・小輿・四方輿などがある。 輿
②棺をのせて舁く具。
神輿 (しんよ)みこし
大言海 名詞 (コシ)ノ義ト云フ、地ニ置カズ、()(ゴシ)ニスル具ノ意、たごしノ條ヲ見ヨ〕
人ヲ載セテ行ク具、二本ノ(ナガエ)ノ上ニ、(ヤカタ)アリ、棒ヲ(カタ)ゲテ行ク。
() 輿 (ゴシ)()(ジロ)輿、()(ハウ)輿、板輿、塗輿ナド、種種アリ、各條ニ註ス。
垂仁紀、十五年八月「竹野媛、云云、自墮輿而死之」
靈異記、上、第一緣「轝、去之」
倭名抄、十一車類「轝、或作輿、車無輪也、古之」
輿

検索用附箋:名詞物品

附箋:名詞 物品

最終更新:2024年07月20日 20:04