こと(琴)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 日本の弦楽器の総称。古く、琴(きん)の琴(こと)、箏(そう)の琴、大和琴(やまとごと)、和琴(わごん)、七弦琴、新羅琴(しらぎごと)、百済琴(くだらごと)などのすべてをいった。 古事記(712)下・歌謡「枯野(からの)を 塩(しほ)に焼き 其(し)が余り 許登(コト)に作り 掻き弾くや」 琴・箏
② 箏(そう)の通称。文字には「琴」をあてることが多い。江戸時代以後の呼び名。
広辞苑 名詞 ①古く日本の弦楽器の総称。(きん)のこと・(そう)のこと・ 百済 (くだら)ごと・(あずま)ごと・須磨ごと・ 琵琶 (びわ)のことなど。 極楽遊意長承点「虎魄の笛、 車𤦲 (しゃこ)(コト) 琴・箏
②1のうち琴・箏、特に近世以降は箏の通称。「琴」と書くことが多い。
大言海 名詞 〔擬聲語ナリ、日本釋名(元祿)下、雜器、琴「こゑいとナリ、中ヲ略ス、聲アル(イト)ナリ」東雅(享保)七、器用「琴ヲ、ことト云フモ、義ヲ、音ニ取リシモ知ルベカラズ」南留別志(享保)「ことト云フハ、(コン)(オト)ト云フ事ナリ」按ズルニ、絃ノ()ノ、ことことト聞ユルナリ、沖繩ニテ、くとト云フ( 倭琴 (ヤマトゴト)ハ、 琴軋 (コトサキ)ト云フ(バチ)ヲ用ヰ、()くヲ、()くト云フ)ふえ(笛)、つづみ(大鼓)、かね(鉦)、ささら(簓)、皆、音ヲ取リテ名トセルナリ( 天詔 (アメノノリゴト)ノことナリト云フハ、(イリホガ)ナリ、其條ヲ見ヨ)〕
(一){樂器ノ名、一面ノ、長キ板ノ上ニ、(イト)ヲ張リワタシテ、彈キ鳴ラスモノ、多クハ、桐板ニテ、相合ハセテ、中ヲ空シク作リテ、絃ノ響キヲ成セシム。ことト云フハ、我ガ國ノ神代ヨリアル六絃ノモノナルニ、後ニ、 唐琴 (カラコト)ノ入リ來リシヨリ、ソレニ對シテ、(ヤマト)ごと( 倭琴 (ワゴン))ト云フヤウニナレリ。(其條ヲ見ヨ)
古事記、上(神代) 三十六 天詔琴 (アメノノリゴト)
神功攝政前紀「命武內宿禰、令(ヒカ)琴」
應神紀、三十一年八月、長歌「 枯野 (カラヌ)(船名)ヲ、鹽ニ燒キ、()ガ餘リ、 虛等 (コト)ニ造リ」
萬葉集、七 和琴 (ヤマトゴト)(コト)取レバ、歎キ先立ツ、(ケダ)シクモ、琴ノ 下樋 (シタビ)ニ、妻ヤ籠レル」(下樋ハ、琴ノ腹ナリ)
太神宮儀式帳、六月御祭「以笏御琴搔三度」
(二){唐琴ニ、(キン)ノこと、(サウ)ノこと、琵琶ノことアリ、くだらごとト稱スルハ、初、百濟國ヨリ傳ヘタレバナルベシ、倭名抄ニ、江湖二音ト云ヒ、享祿本類聚三代格ニハ、公午ト傍訓シ、伊呂波字類抄ニハ、ここうト訓ジ、拾芥抄ニハ、こうこうト訓ズ、皆、箜篌ノ音ナリ、其器、長サ五尺、體、曲リテ、長ク、絃、廿三アリ、竪ニ懷キ、兩手ヲ用ヰテ、齊シク奏ス、コレヲ、擘箜篌、又、(タテ)箜篌ト云フ、(信西入道古樂圖ヲ見ヨ)又、一器アリ、長サ二尺九寸、上、濶サ六寸、下、濶サ五寸一分、形、琴ニ似テ、小サシ、五絃ヲ施シ、左右ノ手ヲ以テ彈ズ、其柱ハ、琵琶ノ如シ、コレヲ、(フセ)箜篌ト云フ、(體源抄、八ニ、圖アリ)又、別ニ、頸ニ、軫アル者、コレヲ、鳳首箜篌ト云フ。其、本邦ニ傳ヘシハ、何ノ時ニ在ルコトヲ詳カニセズ、書紀ニハ、欽明天皇ノ朝、百濟、初メテ樂人ヲ貢スト、蓋シ此時ニ在ルニヤ。箜篌師、箜篌生ノ職、格式ニ著ハレ、其名、寳龜十一年ニ勘錄スル所ノ、西大寺資財帳、及、拾芥抄ニ收ムル所ノ、承平四年ノ樂器目錄ニ見エ、東大寺正倉院ニ、今尙、竪箜篌ヲヲ傳ヘタレドモ、毀損ノ餘、其聲調ヲ知ルニ由ナク、且ツ、曲譜モ亦、亡佚シテ、傳ハラズト、又、 新羅 (シラギ)ごと、須磨ごと、八雲ごとナドアリ、製作モ、種種ニシテ、絃ノ數モ、各、異ナリ、各條ニ註ス。
(三)今世ニ、專ラ、ことト云フハ、十三絃ノ 筑紫琴 (ツクシゴト)ナリ、其條ヲ見ヨ。

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附箋:名詞 物品

最終更新:2024年07月27日 21:27