こぶ(媚)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 自動詞 他人に気に入られるような態度をとる。へつらう。特に、女性が男性の気をひこうとしてなまめかしくふるまうことをいう。 日本霊異記(810‐824)上「其の女壮(をとこ)に媚(コ)び馴(なつ)き、壮睇(めかりう)つ〈興福寺本訓釈 媚 古比〉」
[補注]中世から近世初頭にかけて、この「媚びる」と並んで、古びる意の「こびる」があり、この二語は、同源である可能性があるが、ヘボンの「改正増補和英語林集成」では、媚びへつらう意味の「媚ビル」と、老成した意味の「古ビル」を別見出しにしている。
広辞苑 自動詞 ①相手の歓心を買うために、なまめかしい態度をする。いろっぽくふるまう。 霊異記上「その女(おとこ)に―・び(なつ)き」。
平家物語10「露に―・びたる花の御姿」
媚ぶ
②相手に迎合しておもねる。へつらう 徒然草「人に恐れ、人に―・ぶるは、人の与ふる恥にあらず」。
「上役に―・びる」
大言海 自動詞 (コヒ)ぶるノ約、(言ひさかふ、いさかふ。(アハレ)ぶ、鄙ぶ)()フル(フリ)スル意、倭訓栞、こび「媚ヲ讀メリ、戀ぶり也」〕
他ニ(ヘツラ)ヒテ、惚レシメムト、フルマフ。(オモネ)リテ、己レヲ喜バシメムトス。 機嫌取 (キゲントリ)ス。追從ス。阿諛
靈異記、上、第二緣「其女(コビ)(ヲトコニ)、馴(ヨコメス)」訓釋「媚、コビ」
字鏡 廿五 「嫵、媚也、 古夫 (コブ)
論語、八俏篇「(ヨリハ)(コビム) 一レ 奧、寧(コビヨ)竈」集註「自 君、不附權臣也」
動詞活用表
未然形 こび ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし
連用形 こび たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 こぶ べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 こぶる も、かも、こと、とき
已然形 こぶれ ども
命令形 こびよ

検索用附箋:自動詞上二段

附箋:上二段 自動詞

最終更新:2024年07月28日 20:22