こま(独楽)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 名詞 ① 子どもの玩具の一つ。木や鉄などで円形に作り、中心にある軸を指でひねったり、ひもを巻きつけたりして、投げ回して遊ぶもの。博多独楽、貝独楽(ばいごま)、唐独楽(とうごま)、無精独楽(ぶしょうごま)など種類が多い。こまつくりこまつぶりつむくり。《 季語・新年 》 太平記(14C後)三九「長講堂の大庭に、独楽(コマ)廻して遊びける童の内に」 独楽
② ①を博打(ばくち)の用具として用いたもの。六角または八角の各面に絵や文字が描いてある。また、これを回して行なう博打。お花独楽。 洒落本・辰巳之園(1770)「夫からおもての春岡で、こまが有から廻したら半分斗まけはかへった」
③ 一つの固定点(支点)のまわりに自由に回転できる剛体。
④ 紋所の名。①をかたどったもの。独楽、三つ独楽などがある。
⑤ 天窓を開閉するために付ける綱を通す滑車様のもの。
[補注]①は「十巻本和名抄‐二」に「古末都玖利(こまつくり)」、また「大鏡」「宇治拾遺」には「こまつぶり」とある。「狗」「高麗」とも書かれるように高麗経由で日本に渡来したらしい。
広辞苑 名詞 (「こまつぶり」の略)
①子供の玩具。円い木製の胴に心棒(軸)を貫き、これを中心として回転させるもの。種類が多い。多く、正月の遊びの具とする。〈[季]新年〉。
「―を回す」 独楽
②〔理〕一点が固定され、この点すなわち支点の周りに自由に回転する剛体。独楽1はこの一種。
③紋所の名。独楽1をかたどったもの。
大言海 名詞 〔こまハ、高麗ノ軍兵歌舞興樂樂ヲナス、此ノ樂ヲ、日本紀ニ、こまト訓ゼリ(外來語辭典)其技ノ廻轉スルヨリ、轉ジテ、玩具ノ稱トナレリ、尙、こまつぶりノ條ヲ見ヨ〕
古名、コマツブリ。兒童ノ玩具ノ名、數種アリ、螺ノ殼ノ尻ノ尖レルトコロヲ、圓ク摩リ、紐ヲ卷キテ、地ニ立テテ、紐ヲ强ク引キテ廻ハシ、ナホ、紐ニテ()チテマハスヲ、(バイ)ごまト云フ、是レ、原始ノモノナリ、下略シテ、ばいトノミモ云フ。陀螺
又、白木ヲ、高サ二寸バカリニ、圓筒形ニ造ル、(ドウ)ヲ云フ、其底ヲ尖ラセ、貝ごまノ如クニ、打チテ廻ハスヲ、 無精 (ブシヤウ)ごまト云フ、打チネバ廻ハラヌ故ノ名ナリ。又、小サク、(ヒラタ)ク圓キ木ヲ胴トシ、中央ニ竪ニ、鐵ノ軸ヲ貫ク、(シン)ヲ云フ、心ノ下端ニ紐ヲ卷キテ、强ク引ケバ、軸ニ立チテ廻ハルモノヲ、(ハカ)()ごまト云フ、其創製地ノ名ナリ、今專ラ、こまトノミ云フ、是レナリ。惜千千
又、(タウ)ごまト云フアリ、竹筒ヲ二三寸ニ切リ、上下ヲ桐板ニテ塞ギタルヲ胴トシ、細ソキ竹ヲ(シン)トシ、胴ノ側面ニ穴ヲ穿チオキ、紐ヲ心ノ上端ニ卷キ、紐ノ末端ヲ、別ニ、竹片ニ穴アルモノニ通シ、竹片ヲ心ニ當テテ、强ク紐ヲ引キテマハスニ、胴ノ穴、風ニ觸レテ、高キ音ヲ發ス、其形、相似タレバ、 半鐘 (ハンシヨウ)ごまトモ云ヒ、音ニ因リテ、ごんごんごまトモ云フ。空鐘
名物六帖(正德)器財、三「陀螺(帝京景物略)」
和爾雅(元祿)五、嬉戲具「陀螺、バイゴマ、ブシャウゴマ」
尤の草紙(慶長)めぐる物「叩ケバメグルぶしャうごま」
好色一代男(天和、西鶴)五「ヨイ年ヲシテ、(バイ)マハシ、云云、子供心ニナリテ、立チサワギ」
和漢三才圖會(正德)十七、嬉戲「 海螺弄 (バイマハシ)、云云、用海螺空殼、硏平頭尖、摩圓尻尖、卷絲繩、引舞之席盆中、近世、筑前博多獨樂、削木如蓮房形、大可拳、以鐵釘心」
通雅「惜千千、轉輪戲也」
南宗市肆記、兒戲、惜千千「形扁丸有臍、以繩卷而放之、其轉不已」
帝京景物略、空鐘「刳木中空、云云、卓地如仰鐘、云云、轟而疾轉、大者聲鐘」
和爾雅、五「 空鐘 (タウゴマ)
嬉遊笑覽、六、下、兒戲「漢土、空鐘ト云フモノハ、たうごまナリ、云云、其聲、ごんト鳴ル故、江戶ノ小兒ハ、ごんごんごまト云フ、安齋云、蟇目ノ音ハ、小兒ノ弄ブたうごまトテ、竹ニテ作リ候、コレト同ジ音ニテ候、漢土ニ、惜千千ト云フ物ハ、コレ今ノはかたごまナルベシ」
續山の井(寬文)夏虫「たうごまノ、花ノウナルヤ、(アブ)ノ聲」
獨樂

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附箋:名詞 物品

最終更新:2024年08月03日 20:40